「ぷうぷうの ともだち」 はらまさかず

広い海で友達を探している
くじらの子ども、ぷうぷうのお話をおぼえていますか?
これは、その続きのお話です。

 ぷうぷうが海から顔をあげると、砂浜に人がたくさんいました。ここなら、男の子をはなしても安心だと、ぷうぷうは思いました。
 「あっ、くじらだ」
 ぷうぷうをみつけて、人が集まってきました。
 ぷうぷうが男の子をわたすと、だれかが、「プラスチックのおもちゃだ」といいました。
 「なんだ、男の子じゃなかったんだ」
 ぷうぷうはがっかりしました。すると、
 「だいじょうぶだよ。ぼくたちはね、海を流れているプラスチックをあつめてね、男の子をつくってるんだ」
 おにいさんがそういって、ちいさな男の子の板を見せてくれました。それは、きらきらと青くかがやいて、とってもきれいです。
 「うわあ」
 「きみ、男の子をさがしているのかい?」
 「ううん。友達をさがしているの。でも、どこにもいないんだ」
 「ここに、たくさんいるじゃないか」 
 ぷうぷうの目の前にはたくさんの人がいました。
 「友達になろう」
 「うん!」
 「ぼくらは月に一度、プラスチックをひろってるんだ」
 「じゃあ、ぼくも、またひろってくる」
 
 ぷうぷうはみんなと、楽しくおしゃべりしました。
 もう、かえる時間です。
 「じゃあ、またね!」
 「うん、またね!」
 ぷうぷうは、うれしくなりました。たくさんの友達ができたからです。
 それだけでは、ありません。プラスチックをひろって、おにいさんに持っていけば、あのきれいな男の子がまた生まれるのかと思うと、ワクワクしてしかたがないのでした。
 ぷうぷうは青い海をおよぎながら、うふふふとわらいました。

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