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ペア読書『友だち幻想』③

『友だち幻想』のペア読書。
前回は、学校では教えてくれない「諦め」や「絶望」について語り合いました。
今回は、人間関係で発生する「嫌い」や「疑い」の感情について話します。

もくじ
* 自分と違う人を認める
* 「気に入らない」の原因
* 「悪意がある」と思い込む

読み方:1冊30分で読み切り、30分で議論する
読んだ本:「友だち幻想 人と人の<つながり>を考える」/ 菅野仁 著 / ちくまプリマー新書
読んだ人:エンジニア×2、デザイナー×1

* 自分と違う人を認める

ロック 僕の好きな友達に、賢者を目指している人がいて。その友達に「絶望しても、しょうがないよ」と言われました。

おにぎり  賢者の友達、悟っていますね…(笑)

時計  じつは僕も、賢者になりたいんですよ。

ロック え、そうなんや(笑)彼は賢者になるための一環として、会計学とか、論理学とか、そういうのを勉強したりして。すごくおもしろい人なんです。

時計 会計学か。その人なりの賢者の定義があるんですね。すごいなぁ。

ロック うん。でも、これは学校の話とつながるんですけど、その友達、ぜったいに高校では浮くようなタイプで。よくよく聞くと、フリースクール的な、単位制の高校に通っていて、いわゆる制服着て同じ教室で・・・みたいなのとは違ったらしく。
なるほど、そりゃここまで杭打たれずにくるよな、と思いますね。

時計 なかなか、高校生くらいのときに、そういう人を認めるっていうのは難しいよね。自分は我関せずタイプだったので良かったですけど。

* 「気に入らない」の原因

おにぎり 高校生くらいだと、自分と違うタイプの人がいたときに「なんであの人、あんなに変なんだろう」と思っちゃうんですかね?それで、ちょっと嫌な気分になるみたいな。

時計 それは、ルサンチマンとは違うんですかね。ルサンチマンは、かわいい子だとか成績が良い子がいじめられるというものですもんね。

おにぎり そうですね。かわいい子は、いじめられてなかった気がする…
あ、でも小中学生くらいのとき「かわいいのに性格悪いよね~」みたいな会話は、聞いたことあるかもしれません。

時計 それは、ルサンチマンだね。認知的不協和。「かわいい→気に入らない」という場合に、”気に入らない”も、”かわいい”も、うごかせない事実。だから、解釈としてどうにでもなる「性格」を下げることによって、気に入らない事実と、かわいい事実の整合性をとろうとしている。

* 「悪意がある」と思い込む

ロック 『自分の小さな「箱」から脱出する方法』に書いてあった、自己欺瞞の概念に似てるな。自分の考えを自分でゆがめていくのが、良くないという話です。

たとえば、夫婦で同じ部屋で寝ていて、赤ちゃんが夜泣きして、自分だけが目覚めたとき。自然にあるべき行動をするなら、そのまま起きて、赤ちゃん寝かしつければ良いだけなんですよね。
でも、自分が眠たくて起きるのダルいな~と思ったときに、「嫁はたぬき寝入りしてるんじゃないか?」とか、勝手に悪いイメージを描きだす。
嫁は気づかず寝ているだけなのに、ぜんぜん関係ない嫁の行動とか、発言とかを結びつけて、自分は箱の中に入って、相手を悪い奴に仕立てていく

仕事中とか人とコミュニケーションしてる中で、そんなふうに考えてしまうことってよくあるよね。

おにぎり ありますね〜

時計 「バビロンの剃刀」にも似ていますね。
カミソリとか、なにかの製品に欠陥が見つかったとき、その企業が愚かだっただけで、別に悪意があったわけじゃない。ケガさせたいわけじゃなかったのに・・・という。

ロック 消費者側とか、世論が勝手に、そいつが悪意でやった!と思い込む、みたいな。

おにぎり 多いですよね・・・たとえば、我々エンジニアの世界では、システム障害が発生することがあって。それは、ほんとうに悪いことで、利用者が怒るのは当たり前です。
でも、困らせたかったわけではない。テキトーに作ったわけでもない。心から便利に使ってほしくて、頑張って作ったのは本当なんです。でも愚かさゆえに失敗した・・・

ロック 多いですね・・・悲しいですけど。この話も、いじめと同じところに原因があるのかもしれませんね。人間の心理の問題になってくる。

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人を嫌ったり、疑うのはなぜか。分かりかけたところで、④に続きます。

④のもくじ
*『友だち幻想』の主張への疑問
* 期待したけど、裏切られた
* 「友だち100人できるかな」は宗教?
* 仲良しと敵対のあいだ
* 組織問題:サイクリングと合唱
* 距離を詰めてくる人には・・・
* 組織問題:会社
* まとめ(ペア読書満足度)


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