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老いと絵画、非演奏を聴く(2020年5月4日~5月10日)

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5月4日(月)

朝8時過ぎに起きる。

「老いと踊り」読み進める。日本の「芸」は、踊り手の人格と劇中の人物の人格が同時に存在することを尊ぶ。これはなんだか私小説について考える材料にもなりそうだ。
能に関する記述も興味深い。いっそう佐渡に行きたくなった。
「能の主人公には死者つまり亡霊が多い。彼らは死について生者とは違った見方をする。(中略)主人公たちにとって重要なのは自分自身の巨大な感情であって、生前の社会の規範ではない。能における死者にとって自分の存在証明はその感情にあって、社会の中での地位とか役割とかにはないのである。」
「老いと踊り」を読んで、保坂和志が小島信夫の小説について「ボケたように小説を書いておけば、ボケた時にも書ける」というようなことを言っていたのを思い出した。老いを利用していかに文章を動かすか。

フランスパンを切って、スプレッドチーズを乗せてレンジで焼く。まどを起こす。昨日作ったカレーがまだ余っていたので、パンにつけて食べる。まどがお茶をいれてくれた。

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