鬱フェス2017 ライブレポート~死ななくてよかった日


(2017年にmixi日記に書いたものをこちらに載せておきます。)


 9月10日、渋谷TSUTAYA O-EASTにて、鬱フェス。アーバンギャルド主催の、病んでるみんなで盛り下がろうぜ!というすてきなイベント。今年で四度目の開催、初参加。
 去年の出演者が、ベルリン少女ハート、生ハムと焼きうどんなどすごかったと話題でしたがことごとく解散してる…。しかし、今年は絵恋ちゃんが参戦、大槻ケンヂさんとアーバンのコラボのオーケンギャルドも観たい!

 とりあえずチケット二枚押さえる。「もきちくん、鬱フェス行かない?」「行く!絵恋ちゃん出るし」チケット当たる。振り込む。発券。夫には事後報告。「日曜日、日帰りで東京行ってくる。いいかな?」だめっていっても行くけどな。終電で帰ってきまーす☆

・開会宣言 アーバンギャルド
宣誓、注意事項など。許可されたとき以外の撮影はご遠慮ください、会場をうろつくヒアリに気をつけてください、煙草やトイレは所定の場所で、などなど。盛り下がりましょう!

・BRATS
 女の子3ピース+男性ドラム。ボーカルは笑わない黒髪美少女。ハードロック。ストイックで清潔な感じ。AKBのまゆゆはほんとはこんな音楽をやりたいんじゃないのかな。

・みるきーうぇい
 始めにみんなで「死んじゃえコール」の練習。かわいい女の子ボーカルユニット。ふつうにアーバンのライブに来ていたいちファンだったのがバンドを結成、出場に至る。キュートでガーリーで毒のある歌、よかった。声質とサウンドのバランスが良くて、歌詞が聴き取りやすいのも魅力。

・挫・人間
 素早く観客の心を掴む!男子三人でロックサウンドに高速ラップ、振り付けあり。早口すぎて歌詞きこえないけど言葉を超えてノリで伝わる楽しさ。「世の中に復讐すべく熊本で結成された」らしい。それ言ったら出演者全員世の中に復讐系では…。「今日はいろんなとこでフェスがあって、あっちも相当だけどこっちに来てるみんな、かなりのもんだな!」「さっさと終わらせて帰ります!この面子で打ち上げとか嫌すぎる。出たくないでしょそんな飲み会!」といいつつも出演者みんな仲よさそうであります。

・絵恋ちゃん
 カリスマアイドル。完璧な美少女。完成された「絵恋ちゃん」という総合芸術。
 観客さえも舞台装置に仕立ててしまう、たった一人で場をコントロールする技量。
 最後の曲「就職しないとナイト」、「このなかで無職のひといますかー?」あんまりいないので手を挙げる私。え、まじでほとんどいない!うそだろ。「無職のひと最前列に来てー。無職なのに6800円払えるんだねすごい」ステージ真下に来た私「主婦なんですけどいいですか!?」「うわ、この無職むっちゃ話しかけてくるw」えっどうしようアイドルのライブの最前列なんてどうしたらいいんだろうとおろおろしていると、周りのヲタさんたちが、いいよいいよそこにいて!みたいにむっちゃ優しい。みんなでオーイング。たしかもきちくんは「女友達(非ヲタ)がチケット取ってくれて…」とツィートしていましたがごめんやっぱ私もこっち側の人でした…。

 今回披露の4曲入りCD+チェキ券を買うために物販に並ぶ。ご本人登場!「いじっちゃってすみません~w」いえいえ!今までスマホの画面でしか知らなかったけど、おしゃべりしているとカラコンを入れた茶色い瞳に吸い込まれてしまう。自著『乙女ノ本懐』をお渡しすると「え、くれるんですか?ありがとう!これ持ってチェキ撮る!」なんといういい子なんだ!さすが本職絵恋ちゃん。また逢いに行くよ!

・えんそく
 物販中に終わってしまった…。ドアから爆音が洩れてきていました。

・kaya
 河惣益巳先生の漫画「サラディナーサ」に出てきそうなゴージャス&エレガントなお姉さん。喉仏のある声のシャンソン。アーバンのおおくぼけいさんのピアノに合わせてパフォーマンスしていて、小さなエキストラステージが濃密な色に染まっていました。

・ミオヤマザキ
 ショートヘアーの細っこい女の子のどこにこんなパワーがあるのか。遠くからだから顔はあんまり見えなかったけど美しさがわかりました。自分自身のエネルギーに押し潰されそうなんだけど、演じること、観る人を得ていることでヒトのかたちを保っているような。痛々しさに目がはなせなくなる。

・大槻ケンヂ
 ソロ弾き語り。・only you ・プカプカ・サイコキラーラブ・香菜、頭を良くしてあげよう。新曲サイコキラーラブは、意味内容を説明してから歌うんだけど鬱フェスのお客さんなら説明しなくても通じるだろうなっていきなり歌ったらやっぱりわかってもらえたみたい、だって。

・キノコホテル
 二階でハイネケンを飲みながら鑑賞。お酒を飲みながらまったり観るのにぴったり。グランドキャバレーみたいな雰囲気なので、鬱フェス、オールナイトでやってほしいね、深夜枠によさそう、カレーの屋台がほしい、と外連味たっぷりのセクシーなステージを楽しみました。

・北出菜奈
 夜の女の子独特の香りがなつかしい。浜崎あゆみのファンもだいたいメンヘラだろうし、華原朋ちゃんとかも呼んで横浜アリーナでオールナイトで鬱フェスやろうよ!宇多田もSPEEDも、いっそkeikoも呼べばその世代のメンヘラもスポンサーもついてくるよ!DV彼氏に殴られてるキャバ嬢も手首傷だらけの仕事帰りの風俗嬢もおいでよ!

・オーケンギャルド
 鬱フェスならではの豪華な共演。・日本印度化計画・自撮入門・林檎もぎれビーム・箱男に訊け・踊るダメ人間 大槻さんは別のフェス「夏の某」から梯子だそうな。いつもはスーツ姿の松永天馬さんが和服でそれがはだけて汗だくで観ていると変な気分になってしまう。「血、精液、そして死」聴き過ぎたせい。

・ラバーガール
 鬱フェス初の、ミュージシャンでない出演者。盛り下がりましょうとはいいながらかなりの盛り上がりのこのイベントでほっとするコント。それでもけっこう盛り上るんだけど。ゆるーいお笑い、いい。と、そこへEテレレッツ天才テレビくんの天馬係長と、ぱらぴれ子ちゃんこと浜崎容子ちゃん登場!キスミーきれいみー。

・A9
 ヴィジュアル系のバンドが健全健康に見えてしまう鬱フェスマジック。サウンドはかなり硬派。フラワーコミックスの少女漫画の王子様キャラみたいなメンバー。俺様だったりちょっとシャイだったり。「いつも観客99%女性なので、男の人いるの新鮮です。元は男子校育ちなんですよ。今日はボーダーレスで嬉しいです」アリス9号(旧字体)の人たちか。さすがキャリア積んでるステージです。

・松本明人(真空ホロウ)
 いきなりラブハラスメントをギター一本で弾き語りされて心を鷲掴みされてしまった。ギターの音と歌声がとても綺麗。松永天馬作詞「ハートの噛み痕」がDAMでカラオケ配信されるのだとか。曲は複雑だけど聴かせるのがとても巧い。

・アーバンギャルド
・ワンピース心中・水玉病・病めるアイドル・悪魔で天使・都会のアリス・さよならサブカルチャー
 天馬さん「今日はね、国際自殺予防デーなんですよ。この日にぶつけてきたのはね、策略なんです。13時半からの長丁場で、鬱なみなさんをふらふらへとへとにさせて、死ぬ気力を奪ってしまおうという、そういう魂胆なんです。そうですよね浜崎さん!?」よこたん「はい。(棒)」

 アンコールは全員で「ももいろクロニクル」。ステージ上のひとたち、みんな天才だった。
 もきちくんと話した。「二十歳ぐらいで死んでたら、大した数の天才に出会えなかったよね」「四十過ぎまで生きてると、いろんな人たちが出てきて出会えるんだね」「すでに天才だった人は今、ますます神々しくなってて」「生きててよかったよね」

 浜松駅停まりの最終の新幹線に間に合うように、終演前にひとり急いで会場をあとにしました。きみの病気は治らないだけどぼくらは生きてく、きみの病気は治らないだけどぼくらは生きてく、光るもの持ってる人、上に上げて!携帯でもいいよ!きらきらするフロア。嬉しくて泣きそうになりながら出口へ走る。
 死んでたら来られなかったフェス。死んでたら聴けなかった音楽。死んでたら会えなかった人。
 とても気持ちがよくなって、変な道順で渋谷駅までの坂道を下ってゆきました。


おわり。

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コスモス短歌会会員、COCOONの会メンバー。歌集『乙女ノ本懐』六花書林、『制服少女三十景』フーコー/星雲社。
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