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〈がねをつくる〉池田小初の取り組み

池田小の地域教育


12月17日、池田小学校の5、6年生を対象に調理実習が行われた。
小学生が地域の方々と一緒に校内で育てたサツマイモを使い「がね」をつくった。

池田小学校は今年度より特色ある学校活動に取り組む。『池田学』として伝統芸能である神舞(かんまい)や農業体験など、地域にあるもの・人・ことを題材に地域教育へ力を入れている。



調理実習の様子


小学生が慣れない様子で包丁を握り先生からごぼうのささがきを習う。
大さじとすり切りを初めて使い、こぼさぬよう全集中で砂糖の分量を測る。

慣れない作業にちょっぴり苦戦しながらも、黒板にある料理の手順を見ながら何が必要か自分たちで考えて取り組む。その姿勢が頼もしい。


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ごぼうのささがきを習う


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がねの生地を混ぜる


「カニみたいに具材を入れてくださいね」
先生の指示にしたがって、熱い油におそるおそるタネを入れる児童たち。

「人参が飛び出してカニのハサミみたい!」「ズワイガニ!」
そんな声があちこちで上がった。


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カニをつくる


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大量に揚がるがね


食器洗いも自分たちで。ひとつひとつ丁寧に洗って拭いて…。
小さな手で大きなボウルを洗う様子はリスのようで可愛らしかった。


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洗い物中


大量のがねが揚がったら茶きんとん。先生がふかした芋をラップにくるんで絞る。
10者10様のきんとんがコロコロとできあがった。


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抹茶きんとんと芋きんとんを合わせて絞る



実食!


山のように揚がったがねと茶きんとんは学校職員や5、6年生で完食。給食後でもペロリと平らげた。

衣薄めで外はカリッと中はふわっと。野菜の旨味がぎゅっとつまっている。

「ごぼうがおいしい」「カリカリしてる!」などあちこちで声が上がる。自分たちで栽培から始めたサツマイモだ。一段とおいしく感じただろう。


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完成!

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おいしいね


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口いっぱい


小学生の声


友達と和気あいあいと試行錯誤しながらする料理は「楽しかった」と安水紗弓さん(小6)と那須玲奈さん(小6)。


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てまえ:那須さん うしろ:安水さん


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お食事中お邪魔しました


がねは給食のメニューとして食べることはあるが、自宅の献立にはあまり登場しないもよう。しかし、今回の調理実習を通して家族にもがねを食べてもらいたい気持ちが起こったようだ。
「熊本にいるおばあちゃんに食べさせたい」
「たまに帰ってくるお兄ちゃんに食べてもらいたい」
と安水さん、那須さん。2人も「機会があればまた食べたい」。

「人数分具材の分量を考えるのが難しかった」「これからもお家の手伝いをしようと思う」とも。普段お母さんがつくってくれる料理、そのありがたみも味わえたことだろう。

小学生には学び多く思い出深い時間となったに違いない。


おまけ:「がね」とはなんぞや?


参考:どんどん鹿児島「かごしまの郷土料理」

がねはかき揚げのような南九州の郷土料理。細切りにした主にサツマイモ、人参、ニラなどを一緒に揚げたものだ。鹿児島県民にはおかずやおやつとして食卓に身近な存在である。

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本来、がねは鹿児島弁でカニを意味する。野菜がゴツゴツに揚がった姿がカニに似ていることから、がねの名前がついたとされる。

地域や家庭によって個性があり、「おふくろの味」が出やすい料理だ。衣が薄くカリッとしたもの、豆腐が入ってフワフワのもの、ホットケーキミックスが入っているもの、醤油が効いたもの。

我が家のがねはフワフワで甘め。あつあつのうちに濃い口醤油をたらして食べるとうまい。
実家から大量の芋が届いたら、久々に揚げてみよう。

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