見出し画像

2022.12.1 何かができるようになったしるしなのかもしれません。

絵本作家ヨシタケシンスケの本『思わず考えちゃう』がよかった。著者がちょっと普通の人より考えちゃって、ちょっと普通の人より悩んでいる姿を遠くから見て、「俺も似たようなことあるよ。うんうん」と共感をして楽しむ本だった。

〈自分にできないことがどんどん見えてくる。それは、何かができるようになったしるしなのかもしれません。〉の一文が好き。「若い頃はできることが多すぎて選択するのが苦しかった。歳をとるとできることが限られてきて自由度は減ったけど、心は楽になった」的なことが書いてあって、点頭。

手品師として独立してから、自分にできないことに苦しんだ。あれもできないこれもできない、自分ってなんもできないじゃん、じゃあ何ができるんだよ、と苦しんだ末に、結局できることで勝負するしかないじゃんと吹っ切れて、一周回って元の場所に立っている、今。

でもこれって、あれこれ悩まないと得られなかった場所だと思う。スタート地点Aと似て非なるスタート地点A'とちゃうかな。初から悩まずにできることだけで勝負していたら、たぶん負けていたぞ。……何に?

✳︎

仕事の関係で島田のグランピング施設に行った。廃校になった学校をおしゃれにリノベーションして、校庭にはスライムみたいな形のおしゃれテントが張ってあった。夏にはあの、“いわゆる学校のプール”がナイトプールになるらしい。パシャパシャ。

テントっていいよね。特別なプライベート感がある。外界とのバリア的な存在。可能なら自分ちの庭(猫の額)にテントを張って住みたい。自分ちがあるのに。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?