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2021.7.18 夏生まれ 手品育ち

 誕生日でした。朝から細田守監督『サマーウォーズ』を観ました。
 テスト中のハッキングプログラムの暴走により世界中のシステムが制御不能になり、やがて現実世界をも侵食し始めた。それを名家の娘と数学少年が人脈や知恵を駆使して食い止めようとする……物語です。
 プロフェッショナルが一丸となって一つの大きな課題に立ち向かう姿に大興奮です。個人と社会、デジタルとアナログ、新しいものと古いものが緩やかに繋がりフラクタルな構造になっているところなど、構造的な美しさを感じます。また、この作品の土台となっている「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」を映画館で鑑賞していた身としては、懐かしさとか本作との類似点とか、様々な感情が渦巻いて冷静ではいられません(アニメ「デジモンアドベンチャー」も名作です。「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」は世代人ゲロ泣きです)。
 何度観ても泣きます。ヒロインのおばあちゃんが昔の馴染みに電話をかけまくるシーンや、打つ手がなくなったところでの「まだ負けてない!」で視界ゼロ、世界中の人々が力を貸してくれるシーンで脱水症状です。いま、思い出して泣いています。オロオロ。
 細田守監督最新作、「竜とそばかすの姫」も観に行かなければ!

 何度も言います。誕生日です。方々からお祝いのメッセージをいただいて、自分が歳をとったことを実感させられます。35歳になりました(誕生日プレゼントは年中受け付けております)。
 誕生日なんて、生きていれば誰にでも訪れるのだから、頭を痛めて生み出したマジックや文章、諸々のコンテンツに比べれてば価値のないもの……そう思い込んでいました。30年生きてやっと気づきました。生きていること自体がハッピーだったのですね。コロナ禍になってますます実感します。毎日元気に生きていること、お腹いっぱい食べられること、それだけは絶対的な正義なのです。
 だからといって〝生きているだけで満足〟できるほど達観していませんし、〝人間の生きる意味〟を捏造するほど暇ではありません。34歳は毎日急かされるように生きていました。35歳はもっと焦って、苦しんで、泣きべそかきながら理想の自分にコミットしていきます。
 当面の目標は「マジック×文学(国語)」です。9月に図書館でマジックと小説の物語をミックスしたショーを行います。本を読まない子供たちにも小説の面白さを知ってもらい、少しでも活字離れを食い止めたいと考えています。「読書は楽しいもの。勉強は遊び」と子供たちに(できれば大人にも)気づかせたいです。

 ということで、35歳なりたての蓬生でした。それではまた。

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