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2021.7.2 まぞめな仕事

 一日前の記憶が消え失せてしまう前に、全速力でここに言葉として残します。不満と狼狽で頭がいっぱいです。密度高めです。具体的に何がどのような経緯でそうなったのか書けないですが、「もっとぼくを過大評価して使い倒してください」と思った一日でした。「マジシャンの能力はみなさんが思っている以上にすごいんですよ」と声を大にして言いたい今日この頃です。大袈裟に言えば、身ぐるみ剥がしてその辺に捨てても何となくで生きていける、メンタル強めで逆境を楽しんでしまう変態、それがマジシャンです。前にも書きましたが、会社だと役割分担されている企画、営業、プレゼンをすべて一人でやっているのがマジシャンなのです。意外とすごいことだと思いませんか。ぼくに限って言えば社会経験もしっかりあって、事務や接客もそれなりにできます。無個性な誠実さを求められる場所に出しても一般的なサラリーマンに擬態できます。だからも、もっと、こう、「おいおい、ぼくにこれを頼んでしまうとは、クレイジーな奴もいたもんだな……やってやんよ!」くらい際どい仕事を投げてくれた方が興奮します。周りにマジシャンがいたら試しに、「これできる?」と聞いてみてください。意外と「できます!」と返事が返ってくるはずです。この「できます!」には、本当にできる場合とハッタリの場合の二種類があります。ぼくは「防犯マジックセミナーを一週間で作って実演してほしい」と言われた時も、「ビジネスマン向けのセミナーをやってほしい」と言われた時も、二つ返事で「できます!」と答え、答えた後に焦りと不安に襲われ、激しく苦しみました。もちろんハッタリです。しかし、そうやって自分を追い込むことでしか生まれないものがたくさんあり、結果としてクライアントの満足のできるものが出来上がりました。当然、最初から100点が取れるわけもなく、後から修正修正でなんとか及第点に持っていくのですが、「できることばかりやっていたら自分のためにならない」とわかっているのは、他ならぬマジシャン本人なのです。表現を生業としている人々は成長に飢えています。生温い環境でぬくぬくと生きていくつもりは毛頭なく、常に小さな失敗による学びを求めています。デカい失敗は話のタネになるのでもっと喜びます(厄介なことになってしまったら素直に謝ります)。天性のマゾヒストであるマジシャンを、社会はもっと使い倒すべきなのです。ということで、あなたのお役に立ちたい蓬生なのでした。しーゆーあげん。

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