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【映画】きっと、うまくいく

 言わずと知れたインド映画の名作。といいながらも、タイトルしか知らずにずっと敬遠していました。だって長いんだもん。

 エリート工科大学の寮を舞台としたインド映画。
 所在のわからくなったランチョー君の行方を追いながら、十年前の学生時代を回顧するところから物語は始まります。ルームメイトの三人は、それぞれの家庭の事情を抱えながら、男子学生特有の行動力と下品さで独裁学長に反旗を翻しちゃったり、恋しちゃったりします。
 映画のタイトルはランチョー君の口癖「AAL IZ WELL(All is well)」からで、どんな苦境に直面しても「うまーくいーく」と乗り越えちゃうのです。

 結論から言えば、観て良かったです。
 インド映画なのでいつ踊り出すか楽しみに見ていましたが、ぜんぜん踊り出しません。むしろ、自殺や教育、貧困問題に切り込んでいる社会派な一面もあって、コミカルなやり取りの中にも後ろ暗さが潜んでいます。落ち込んだときに観たくなりますね。
 似た雰囲気の作品として真っ先に思いついたのは、学生運動を描いた村上龍著『69 sixty nine』です(映像化もされていて、こちらも大好き)。

 で、あることに気がつきました。ぼくはおバカな学生の青春コメディーが好きなのだと。バカで下品で青春で、でも、掴み所のない焦燥感に苛まれる日々を送る彼らが愛おしいのです。孤独で臆病な学生時代を送ったぼくは、彼らのように突っ走ることができず、鬱屈とした感情を封じ込めて生きてきました。失ってしまった青春を取り戻すように、ぼくは今、おバカに恋い焦がれているのかもしれません。

自分がなりたいものは心が教えてくれる。臆病になった時は胸に手をかざしてこの言葉を言うんだ。“”AAL IZZ WELL(うまーくいーく)”

https://movies.yahoo.co.jp/movie/345047/

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