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ちきりん『自分の時間を取り戻そう』

 図書館を巡っていたら知った名前を見つけたので手に取った。学生の頃に友人が教えてくれたChikirinの日記の著者である、人気ブロガーちきりんさんの書籍だ。

 本書の主題は「生産性の向上」である。忙しすぎる4人の登場人物を例に、いかに繁忙から脱却するかをテーマに話が進む。世の中はどんどん効率化し、第四次産業革命により非効率的な仕事は淘汰されていくだろうと著者は語る。全くその通りだと思う。

 時代は加速度的に変化しており、自分では停滞しているつもりでも、相対的には後退していると同然である。変化に対応できなければ生きてはいけない世の中になってきたのだ。

 読み終えて早速取り入れたのは「時間の家計簿をつける」だ。自分がどのような働き方をし、なににどれだけ時間を割いているかを視覚化することで問題が見えてくるという。とりあえず、時間管理アプリをダウンロードしてみた。いまこうしてブログを書いている間も、アプリに内蔵されたストップウォッチが私の行動を監視している。そう思うと仕事への熱の入り方も変わってきて、本来の用途とは異なりながらも、効率化には成功しているようだ。

「仕事の生産性をギリギリまで上げてみた結果、今の仕事が本当にやりたいことではないと気づいて転職を決意した」という記述も印象的だった。たしかに、世の中には、「システム更新のたびに研修と称して読めば一時間程度で理解できる薄っぺらいテキストのために社員を他県の研修所まで呼び出して半日拘束する非効率的な大手企業」が存在していて、そんなところは売り上げが低迷するに決まっているし、社員に辞められても文句は言えないだろう。

 ただ一点、全体を通して著者の主張は受け入れられるが、接客業のように拘束時間が決まっている職業や現場での自由度が低い職種においては「辞める」以外の選択肢が見出せないようにも思えた。しかし、たしかに、これを機に考え直すのもアリかな。

 その他、備忘のために箇条書き。

・人工知能ワトソンの成果。

・ベーシックインカムによって社会全体の生産性は向上する。

・貴重なリソース。意識しているつもりでも忘れがちな「時間>お金」

・「ほんとうに大切なものはなんだ?」と常に問いかけるようにする。

・仕事が忙しくなる前に休暇を設定する。

・完璧を求めない。

自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方

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