【包括的性教育】村松ひろみ甲府市議12月定例会質問/文字起こし

「包括的性教育」について質問してくださった、村松ひろみ議員に感謝いたします。
動画はこちらでご覧いただけます。甲府市議会インターネット中継-録画中継 (jfit.co.jp) 村松ひろみ議員ニコニコ動画(包括的性教育部分のみ)https://www.nicovideo.jp/watch/sm43168030
※この文字起こしは筆者が私的に行ったものであり、文中太字なども筆者によるものです。



包括的性教育について

村松ひろみ議員質問

 本年6月に性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律が非常に不自然な形で採択され、その法律の中で、学校においても教育又は啓発を行うこと等が盛り込まれております。
 それに伴い、性の多様性・早期性教育を含む包括的性教育が子供達に進んでくることに対して心配する声が多数上がっております。包括的性教育の元となっている国際セクシュアリティ教育ガイダンスや、WHOの出しているガイダンス、またはそれを元にして民間で用いられている絵本等を見ると、非常に過激な内容となっております。一部紹介しますと、セルフプレジャーという名のもとに自慰行為について詳細に描かれ、最近ではNHKでもセルフプレジャーをすすめるような放送をしています。また絵本の中で公の場で発言するのが憚られるような細かな性行為の手順がイラストとともに描かれていたり、低年齢から自分の体に触れ気持ちがいいことを知る、様々な性行為の方法、コンドーム・ピルなどの具体的な避妊方法を教えていたりと、理性による抑制が十分でない年齢に対し、性への目覚めを加速しかねない内容になっていることを懸念します。

 情報が氾濫していることによる不安などから、保護者の間から性教育を学校教育で行ってほしいという声が出されていることは承知しております。しかしながら、早期に性行為等について、また中学生の段階で性行為を行う前提で具体的な避妊方法を全員に教えることが性犯罪や性行為の低年齢化を防ぐことに繋がるのか、ということには見解が分かれるところだと思います。

 文部科学省では現在歯止め規定を設けており、学校では性行為については扱わず、性暴力に対する教育として生命の安全教育を設け進めているところであります。しかしながら、先日も京都市の公立中学で男女が向かい合ってコンドームを実際に手に取り、プラスチック容器にはめる授業の様子が放映されました。
 また包括的性教育を中心となって進めている産婦人科の先生が講師となり、講演を行っている学校もあります。この先生の考えをみますと、自慰行為の推奨、性行為の気持ちよさを教えること、不特定多数との性行為を容認し、避妊方法を教えるなど、文部科学省の歯止め規定を超えた内容となることが危惧されます。近隣市町村では養護教員や保護者向けに産婦人科医が中心となって性教育講座が開かれており、学校教育または学校外で積極的な性教育が普及してきているように感じます。

 また、性の多様性に関する教育についても心配の声があがっています。LGBT教育を先進的に行っている埼玉県の内容を見ますと、まだ性を意識していない段階の子供たちに性の物差しとして、性は二つではなく多様であると教え、生物学的な性とジェンダーとしての性や自認する性との違いが分かりにくい内容となっており、子供たちへの性的認知に混乱を招きかねない内容となっております。また、人を好きになるのは自然な感情の状態であるにも関わらず、恋愛対象を異性愛者・同性愛者・両性愛者・無性愛者などと小学生段階で具体的に教える内容に疑問を感じます。現在LGBT教育に問題を提起する声を挙げにくい風潮にまでなっています。先日も海外の性転換の事実を日本に伝えようと出版予定されていた書籍が出版中止になりました。しかしながら、沢山の当事者の方々も心配の声を挙げています。

 性の多様性に関わらず、どんな人にも差別があってはならない事は当然であり、差別があるなら解消していくことは大切ですが、まだ性の意識が薄い子供たちや、思春期でホルモンを伴う体の変化に不安を感じる年頃の子供達に、性は多様で選べるような内容を教えることには不安を感じます。積極的に包括的性教育を行ってきた欧米では、過激な早期性教育・LGBT教育に対して反対の声が多数挙がり、LGBT教育の推進による低年齢での性転換やホルモン剤の投与も問題になり、社会が分断され混乱しております。

 本市では小中学校において今後性教育やLGBT教育を扱っていく計画があるか、当局のお考えをお聞かせください。また、小中学校以外における包括的性教育の取り組みについてもお聞かせください。

担当当局答弁

 この記事下部に掲載します。

村松ひろみ議員、担当当局答弁を受けて。結びに。

 教育長、市民部長双方からのご答弁ありがとうございます。
 教育委員会の方では、教科書に沿った内容を教えていくということでよろしいでしょうか。そのようにとりました。過激な、いきすぎた教育にならないことを期待します。そして男女共同のほうでは先ほどもパネル展とかサポートブック配布とかいうことをお聞きしましたが、当事者からはそっとしておいてほしいという声もたくさんでております。逆に分断を生じさせることがないよう、また情報過多により子供の認知に揺らぎが起こらないようご配慮を願います。またサポートブックですが、女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会も冊子を作りましたので、ぜひそちらも無料配布しておりますので職員の皆様に配って知っていただきたいと思います。

 生き方や価値観は多様であり、尊重すべきですが、性は多様ではないと思います。宗教などにより同性愛や体の性と異なる性を表現することを厳しく罰せられてきた欧米と違い、日本は昔から同性愛やトランスジェンダーに関して寛容な文化がありました。多様な生き方に関する寛容な精神を育てていくことはとても大切ですが、有性生殖する私たちが命を繋いでこられたのは男女という生物学的な違いがあるからこそです。体の作りの特性により男女それぞれの特性が異なることも、社会において役割を分担しながら人類を存続させてきた大切な特徴であり、それらは差別ではなく尊い違いだと思います。

 政治学者岩田温氏の言葉を借りますと、トランスジェンダー問題は科学的にも未介入であり、性は選択可能であるとは人類の未知の領域に足を踏み入れることでもあり、やわらかな子供達に教えることには慎重な対応が求められます。性犯罪や差別を防ぐには、道徳が最も大切な教育であると感じます。

 命の尊さや大切さ、相手を思いやる気持ち、互いが安心して暮らしていける方法を考える心を育てること、情報モラルを高める教育を大切にしながら、問題の多い欧米からの性教育については慎重に扱っていただけるよう要望いたします。(終)

担当当局(教育長・市民部長)答弁部分

教育長

 学校における性教育とLGBTにおける教育についてお答えいたします。
 令和4年12月に文部科学省によって改訂された生徒指導提要において学校における性教育については、児童生徒が性に関して正しく理解し、適切に行動をとれるようにすることを。
 LGBTにかかる教育については性的指向や性自認にかかる児童生徒に対する偏見や差別を防止することを目的に行われることを示されております。

 こうした中、市内各学校における性教育につきましては、小学校の理科の授業では、精子と卵子が受精に至る過程は扱わず、母胎内で成長して人が生まれることなどを。中学校の保健体育の授業では性交や避妊方法等は扱わず、受精や妊娠の内容などを児童生徒の発達段階に応じて指導しております。
 LGBTにかかる教育につきましては、小学校においては、来年度から使用される保険の教科書に性についての心の多様性が。道徳の教科書に差別をされてきた同性同士の結婚を認める裁判事例が記載されており、中学校においては公民の教科書に共生社会における性の多様性への理解が、保健体育の教科書に性的マイノリティが記載されており、これらの教科書を活用しながらLGBTについて学んでいくこととしております。

 さらに本市の学校教育指導重点では思いやる心の育成を重点目標としており、今後におきましても各学校において日常の教育活動の中で児童生徒に対して、人権意識の醸成や個性を尊重する教育に努めてまいります。以上でございます。

市民部長

 小中学校以外の包括的性教育の取り組みについてお答えをいたします。
 本市では令和3年度に開催した日本女性会議で挙げられた課題に対して、解決策を議論するまちづくりラウンジにおいて、人権やセクシュアリティ、デートDVなどをテーマとした包括的性教育を幅広い年代にたいして行う必要があるとの提言をいただいたところであります。このことは本市の男女共同参画社会の実現において、人権啓発やジェンダー平等の推進に向けて大変重要なものであると捉えたことから、第四次甲府男女共同参画プランの重点目標の一つとして、ジェンダー平等教育と学習の充実、また第二次甲府市DV防止基本計画においては若年層への教育の充実を位置づけ各種の事業に取り組むこととしております。本年度においては、事業の一つに掲げた若年層へのDV,デートDV等をテーマとした学習機会の提供についてこれらの被害が想定される年齢層の高校生・大学生を対象として、甲府商業高等学校および市内四つの大学の理解と協力をいただき、デートDV予防講座を開催したところでございます。以上でございます。

資料

LGBT理解増進法(性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律)性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進|政策統括官(政策調整担当) - 内閣府 (cao.go.jp)
文部科学省生徒指導提要(改訂版):文部科学省 (mext.go.jp)
甲府市/市民情報トップページ (city.kofu.yamanashi.jp)
甲府市/議会 (city.kofu.yamanashi.jp)
甲府市議会令和5年12月定例会中継・録画配信(村松ひろみ議員部分)甲府市議会インターネット中継-録画中継 (jfit.co.jp)

村松ひろみ議員
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