【公共施設における女性専用スペースについて】川上あさえ芦屋市議12月定例会質問


「公共施設における女性専用スペースについて」質問してくださった、川上あさえ議員に感謝いたします。
芦屋市公式議事録はこちら会議録表示 (kaigiroku.net)
※芦屋市議会議事録から、私的に抜粋を行ったものであり、文中太字なども筆者によるものです。

「公共施設における女性専用スペースについて」令和5年12月定例会(12月11日)

◆5番(川上あさえ君) 
 そして、3つ目ですが、公共施設における女性専用スペースについて、お尋ねいたします。
 今年6月、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律--通称「LGBT理解増進法」が成立・施行され、性の多様な在り方を互いに受け入れる共生社会の実現を目指す取組が進められつつあります。
 性的マイノリティの方々が生きづらさを抱えてしまうことはあってはなりませんし、同時に、それ以外の方々も暮らしていけるような共生社会の実現を図っていく必要があると認識しております。
 さて、性同一性障がいの方が、国籍上の性別を変更する際に、生殖能力をなくす手術を必要とする性同一性障害特例法の規定について、最高裁が違憲とする決定などを経て、全国の女児を抱える保護者や多くの女性から様々な声が届いております。従来、生物学的な区分、身体的特徴で男女区分を判断されてきたものが変わってしまうのではないかとの声です。
 私は、防犯上の観点から、特に女性用の公衆トイレや浴場などは、これまでどおり使用できる環境づくりを維持することが肝要と考えております。国会審議の場でも、与党案提出の際に、女性用施設の利用の在り方を変えるものではないと説明。参院本会議で岸田文雄首相は、女性の安全・安心を守ることは重要と答弁しています。
 女性の安全と安心が損なわれかねないとの指摘を受け、同法では第12条が追加、本条文の「全ての国民が安心して生活することができる」の意味合いを芦屋市としてはどのように捉え実践していくお考えなのか、市の見解をお尋ねいたします。全ての生物学的女性と子どもを持つ親などに向けて御答弁いただきたく、よろしくお願いいたします。


◎市長(高島崚輔君)
 3つ目のテーマ、公共施設における女性専用スペースについてにお答えします。
 性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律第12条は、あらゆるジェンダーの方が安心して生活できるようにという意味であると捉えています。法の趣旨にのっとって、あらゆる方の人権を守ることができるよう取り組んでいきます。


◆5番(川上あさえ君) 
 続けて、女性専用スペースについて追加質問させていただきます。
 女性専用スペースというのが多様性の名の下に、一部で姿を消しつつあるというのも事実かと思います。
 これは都内の例ですけど、東京都渋谷区に新設された区立公衆トイレの4つのうち2つが男性用トイレ、残り2つが性別を問わず使用できるトイレ、つまり女性専用トイレがないという状態で、男女問わず防犯上の観点から、利用者から不安の声が上がっていると聞いています。
 歌舞伎町にジェンダーレストイレというのが今春、設置されましたが、たった4か月で廃止されました。犯罪心理学者の第一人者で、立正大学の小宮信夫教授という方がいらっしゃいますけど、女性専用スペースは防犯上、大変意義があるというふうにおっしゃっております。
 また、海外の事例ですけど、多様な性に対応するべく、公共施設におけるジェンダーフリートイレを推進してきたイギリスでは、設置後、様々な課題が浮き彫りとなり、政府が方向転換を決断。2022年に原則、男女別のトイレの設置を義務づけました。
 そこで質問させていただきます。こうした他の自治体や他国におけるジェンダーレストイレの失敗事例や課題を、市は把握していらっしゃいますか。その辺を確認させてください。
 そして、これらに対する市の見解もお聞きします。芦屋市では今後、公共施設における女性専用トイレをなくす考えはないということが確認できたらなと思います。市の考えをお尋ねいたします。
 そして、市内の公共施設や公園では、和式トイレが見られるところもありますが、男女別になっていないトイレというのもあります。一般市民が使うことができる市庁舎や公園などで、現在、男女別になっていないトイレは何か所あって、整備する際は男女別とするのかどうかも確認させてください。
 その点、お願いできますでしょうか。


◎市民生活部長(大上勉君)
 では、まず私のほうからは、議員に御指摘、御紹介いただきました他自治体ですとか、他国における、今回はトイレに関する事例や課題については承知しております。
 考え方といたしましては、やはり性的マイノリティの方々の環境の整備に向けた取組が全国的に進む中ですけれども、全ての人に完璧に適用できる解決策というのは、なかなか一朝一夕には難しいであろうなと。
 もう一つ教訓といたしましては、一旦施した、決断した解決策について、常にその後も見直していく、そういう視点が必要なのかなという認識でございます。
 社会全体で議論されてコンセンサスが形成されるためにも、本市としましては、市長の答弁でもお伝えしましたが、女性、男性、性的マイノリティの方々を含めましたあらゆるジェンダーの方の人権に配慮する必要があると、そういう見解でございます。

◎総務部長(森田昭弘君) では、私から庁舎のトイレについてのお尋ねにお答えをさせていただきます。
 トイレという具体的な施設のありようにつきましては、例えば国からガイドラインが示されてるとかいうような状況でもございません。現在、市の庁舎において、男女共用のトイレというのはございません。男女別プラス、バリアフリートイレという形になってございます。
 今後、この男女別になっているトイレを廃止するという考え方は持ち合わせてございません。

◎都市基盤担当部長(足立覚君) 私のほうから公園のトイレについて、お答えをいたします。
 男女別になっていない公園のトイレというのは現在6か所ございます。今後トイレを改修して建て替える場合は、男女別々とするのは基本なんですが、ただ公園のスペースの関係で、どうしても多目的になってしまうようなところは、地元と話をしながら、どういったところがいいのかというのは、そこで決めていきたいというふうに思っております。
 以上です。


◆5番(川上あさえ君)
 ありがとうございます。
 スペースの問題というお話もありました。確かに今、都市公園における建造物に関しては建蔽率2%です。私もいろいろ調べましたけど、2%程度ということで、これから国会のほうでいろいろ議論があるかも分かりませんけど、緩和する方向だということもお聞きしていますので、これは情報収集に努めていただいて、在り方をいろいろお考えいただきたいなと思います。
 別々になっていない公園のトイレが6か所あって、今後の在り方というのは従前の形を踏襲するということで、男女別プラス、バリアフリートイレ、そういう形をお考えというお答えだったかと思います。ちょっと確認させてください。


◎都市基盤担当部長(足立覚君)
 基本的には男女別々という形にしております。
 先ほど申しましたように、建物のスペース的な問題というのはどうしてもございますので、そういった場合には、また多目的にするとか、そういった形で地元とも話をしていかないといけないかなというふうに思っていますが、基本的には男女別々とする考えでございます。


◆5番(川上あさえ君)
 ありがとうございます。
 あと、これは指摘させていただきますけれど、先ほど立正大学の先生のコメントを御紹介させていただきましたが、公衆トイレにおいて安全を確保するために大事なことというのがございまして、男子トイレを手前にして、女性トイレを奥に設置するというのが、不審者侵入を防止する意味でも大変重要だというふうに聞いてます。
 市内の公衆トイレにおいては、残念ながら犯罪リスクが高い配置になっている事例が複数あります。
 これは私、実際に何個か見つけましたんで、その点は改善できるんだったら改善してほしいですけれど、新たに設置する際には気をつけていただきたいなというふうに思います。
 それから、芦屋市には公共温浴施設であるあしや温泉がございますけれど、市民の方々の憩いの場になっています。
 厚生労働省は、LGBT理解増進法の施行を受け、男女の取扱いについて通知を行っております。内容は、性別は男性だが性自認は女性というトランスジェンダーの方が、女性浴場の利用を求めても、身体的特徴をもって男女を判断し、断ることを容認するという内容です。
 この通知は当該施設にちゃんと伝わっているのかどうかも確認させてください。また、ケースによってどのような対応ができるのかもお答えいただきたいと思います。


◎市民生活部長(大上勉君)
 御紹介いただいた通知は当然、把握しておりまして、指定管理者、運営事業者のほうにも周知、そして徹底されております。
 運用といたしましては、今回の事案に向けてということではないんですが、性別が別な方でも、障がいをお持ちとかいう御事情で付添いが必要な方とか向けに、個浴という個室の浴室を1つ設置しておりますので、もし御相談等がありましたら、そういう施設も利用しながら柔軟に対応していけたらと考えております。
 以上です。


◆5番(川上あさえ君)
 分かりました。通知がちゃんと行き届いてるということを確認させていただきました。
 テレビ等で報道もあるかと思いますけど、公衆浴場で様々なトラブルがあるように聞いています。現場となるのは自治体、もしくはその施設管理者の方々が多いかと思いますが、今後、様々なトラブルというのはちょっと表現があれかも分かりませんけど、いろんなトランスジェンダーの問題を抱えた方々の入浴というものも当然、出てくるかと思いますので、その辺は通知を基にして、適切に対応していただきたいなというふうに思っています。
 これで皆さんが、様々なジェンダーの方が、気持ちよく入浴サービスを受けることができればなというふうに思いますので、ましてや、あしや温泉なら受付の方々がそのたびごとに迷うことなく、こういった指示というか通知があるということを、さらにアルバイトの方とか様々いらっしゃるかと思いますんで、ぜひともその方々にも丁寧に通知いただいて、対応いただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。

資料等

法令等

LGBT理解増進法(性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律)性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進|政策統括官(政策調整担当) - 内閣府 (cao.go.jp)
厚生労働省通知「公衆浴場や旅館業の施設の共同浴場における男女の取り扱いについて」PDF 001112499.pdf (mhlw.go.jp)

一般質問内容が事前にSNSに流出していた

産経新聞記事 女性専用スペース巡る一般質問内容がSNSに流出 兵庫県芦屋市議「妨害されかねない」 - 産経ニュース (sankei.com)

川上あさえ議員本人のX(旧Twitter)投稿

川上あさえ新聞 vol.16 掲載 | 芦屋市議会議員 川上あさえ オフィシャルサイト | 市政にジャーナリストの視点を!! (kawakami-asae.com)

公式

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