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【カオリ】おぼれる

振り返れば ぼくは

あなたの気配と言葉に

いつもいつも

おぼれていた

その音が聴こえてくるような響きの文に

嫉妬もおぼえて

おぼれて

揺蕩たゆたうの

夕陽が雲と風に揺蕩いながら

ゆらめくようで

さざなみのような

優しい音色を奏でるような

その文が

これほど愛おしいなんて

きみに伝えたいのに

伝える文才なさすぎて

しょんぼりしながら

画面に浮かぶハートにどぎまぎ触れたこと

きみはきっと知らないな

きみにいいねが

いっぱい

いっぱい

届きますように

時間が許す限り

いっぱい押したぼくの指は未来に

ほんの少し光を見つけ

常に流れる涙を

やさしく受け止めてくれてたの

ふと何故かきみが

この世で一番悲しんでいるように思えて

ハートを画面から離さずに

“大丈夫”と

聞こえもしない声を出す

見たことも

想像しているきみとは

真逆のきみかも知れない

それでも

ぼくは

ぼくは

いいえ

わたしは

「私はあなたを愛しています」

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