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推し仏像の"阿修羅"に会いに行った息子の話

前回の土偶のnoteに沢山の反応を頂き有難うございます!ネタ記事のようなつもりで書いたのですが、小さい頃のお子さんの事を思い出したお父様やお母様からのコメントやリプライを頂き嬉しい気持ちになりました。

私もいつかそうして思い返す日が来るんでしょう。

▶3歳児の推し仏像は阿修羅

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そして土偶からの仏像の話で恐縮なのですが、3歳息子は仏像にも興味を示しました。きっかけは三十三間堂に行ったからかなぁと思うのですが、特に興味を持ったのは義両親から頂いた興福寺の仏像クリアファイル

奈良の興福寺といえば、阿修羅です。仏像界のイケメンといえばこの方です。八部衆の一人で戦いの神様です。本来は朱色の肌で超カラフルな上に口元にちょろりんとしたお髭があったそうなのですが、スッピンの状態が殊の外アンニュイな少年顔で現代のイケメン像とマッチングしたんですね。

3歳になり数字をなんとなくフワッと数えられるようになった息子。阿修羅にハマってからは腕の数をしっかり6本数えられるようになりました。有難う、阿修羅。

私も2009年に東京に来たときに見た記憶がありますが思ったよりも小柄でなんともアイドル仏像だな~と思った記憶があります。三十三間堂で仏像を見た時は売店で曼荼羅のポスターを手に「買って帰る!」と言い、京の国宝展ではミュージアムショップにあった小さな仏像(4000円)を

「じゃあ、これ家に飾ろうか!」

と言って実母にねだっていました。好きなのはいいことだけど、家に飾るのはNOだよ。(代わりに国宝の本と銅鐸のポストカードを買いました。銅鐸のポストカード??

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▶いざ奈良へ~仏像三昧ツアー~

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幸いにして車で行ける範囲だったので、夏休みの間に家族で興福寺に行ってみました。せっかくなので興福寺→奈良国立博物館→東大寺大仏殿のルートで奈良の仏像を堪能しようということになりました。

当日の朝、息子に行き先を告げてみました。

私「今日はね、仏像を見に行きます」

息子「えっ、阿修羅??!?!??」

秒でバレましたね。その後は浮かれて身支度を済ませ、カバンにお菓子を詰め込み、そそくさと車に乗り込んでいました。よかったね。

車の中でそろそろ奈良につくよ、というと息子は

「もうすぐ見える?阿修羅」

と言ったところで大きな誤解が生じていることに気がついたので「思っているよりもサイズは小さい」と説明しました。ヒアリングの結果、どうやら太陽の塔ぐらいのサイズだと思っていたみたいです。見てみたいな~。

▶阿修羅とご対面

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興福寺の駐車場が何時間停めても1日1000円ということでそこに停めると国宝館へ。未就学児は無料、館内は撮影禁止でした。受付の方に元気よく

「阿修羅はありますか?!」

と尋ねる息子。「最後の方に、ありますよ」と優しく対応していただきました。自分の意志で阿修羅を見に来る幼児参拝者は珍しいでしょうね…。

想像よりもこぢんまりとした建物で、所蔵の仏像がわかりやすく並べられていました。入った時点ですでに息子は大興奮だったので手を引きながら小声で話しつつ鑑賞。

出口付近、八部衆の真ん中あたりに阿修羅が配置されていました。八部衆がずらりと並んだ光景は圧巻でした。

あれが阿修羅だよと、というと

「おお~、これはすごいな!!!」

とニコニコしながらのコメント。実物が見れてよかったね。

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お土産は阿修羅のマグネットと小さなクリアファイル。これから行く展示などのチケットを挟むのに使おうと思います。

そういえばみうらじゅんさんが会長を務める【阿修羅ファンクラブ】なるものがあるんですね。しかもアルフィーの高見沢俊彦さんが作曲した公式ソングもあるそうです。阿修羅、推されてる~。

https://www.kohfukuji.com/ashura-fanclub/


▶奈良国立博物館でまさかの伏線回収

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ちょうど「奈良博三昧-至高の仏教美術コレクション-」が開催中でした。

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食事の時間だったので地下のレストランで食事を済ませてから後半戦スタート。Twitterで流れてきたこの「伽藍神立像」がこちらで見れると知ってテンションがあがりました。こういった展示に珍しく、写真OKなのがいいですね。

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息子はこの像が気に入ったようで、博物館にいる間はずっとこのポーズをしていました。

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仏像から曼荼羅、写経、密教の道具など多岐にわたり見ごたえのある展示でした。

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そして…出口付近に来ると所蔵品コーナーのようなものがあり。埴輪、銅鐸、銅鏡と来て…ついにここで満を持して土偶が登場!!!伏線回収かな?これにて実物を見るという実績解除です。息子全身で喜びを表現。よかったね。

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保存状態の良い遮光器土偶で近くで見ると耳にとお腹に穴が空いているのがわかり私も大興奮。喜びひとしおですね。

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▶東大寺大仏殿

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先日、子供の頃によく行った海遊館に遊びに行ったら「こんなに狭かったっけ?」と首を傾げるほどに私が大きくなっていたのですが、奈良の大仏は記憶の中のそれよりも2.5倍ぐらい大きかったので今度は私が縮んだのかもしれません。

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毘盧遮那仏は天然痘の平癒祈願として建立されたそうなので、コロナが流行っている今だからこそ新しく巨大な大仏を作りましょう!!…と思いましてよく調べたら疫病の流行に個人的な責任を感じた天皇が国の財政を破綻させる勢いで作ったそうなのでやっぱりやめたほうがいいですね…。聖武天皇、なんてことするんだ…。

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大仏にも大喜びの息子でしたが興福寺からだいぶ歩いたからか少し疲れた様子。鹿を眺めつつ、かき氷を食べてから帰りました。時間がいつもよりゆっくりと流れたような、そんな仏像三昧の一日でした。

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▶あおによし げに恐ろしき 鹿の群れ

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出身が関西なので小学校のときに奈良に遠足に行った時のことを思い返してみたのですが、ノートラブルでのほほんと帰路についた記憶しかありません。そこから約20年の時を経ての感想は鹿、めちゃくちゃ凶暴ですね?

鹿と言えばYoutubeに有名な動画があるじゃないですか?

息子は全然怖がる雰囲気もなかったので鹿せんべいをあげてもらおうと思って買ったんですよ。鹿せんべい売り場でお金を渡した瞬間、鹿がワッッッとやってきて息子に渡そうにも鹿の波でたどり着けず。モタモタしていたら鹿に頭突からのお尻をガブッッッと噛まれてめっちゃくちゃ落ち込みました。

観光客も減っている昨今、お腹が空いていたんでしょうね。加えて発情期でもあったようなので角を切たてのデカいオスは気が立っていたんでしょう。目の前で鹿せんべいを持ってモタモタするやつは何なんだ、尻でも噛んでやれと…。実家で飼っていた犬にも噛まれたことがなかったのでショックでした。げに恐ろしき、鹿の群れ。

されど鹿せんべいの露天のおばさま達は強し。大きな火バサミをかき鳴らし、群れを散らしていました。次行くときはカスタネットでも持っていこうかな。


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