第2話 鉄槌の雨に花は咲く
月の始めよりも随分と暖かくなりあちこちに生い茂る若木の枝には柔らかな緑の葉が優しい風に吹かれてそよいでいる。草原にも町の路肩の鉢にも白や黄などの可愛らしい花が顔を出し本格的に春の訪れを感じられる。白亜城の麓の町でも人々は春の訪れを祝うための迎春祭に向けていそいそと準備を始めていた-
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「迎春祭も間近で君もキングの傍で色々とすることはあるだろう、こんなところで私とのんびりお茶をしていていいのかな。」城下の賑わいからは少し遠くにある店のテラス席で2人が優雅に紅茶を嗜んでいる。「