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母という概念を横に置いて眺める


母の日

でした。
お母さんとどう向き合いましたか??

私は

実母には

なんの連絡もできず放置😅
そういうわけでLINEでこんなメッセージを届けた。

お母さんいつもありがとう💖
あなたの娘でかなりファンタスティック✨に生きてきました。
女性の生き方として新しい風を社会に送ってきたと思います!
そして母の背中を見ながら、今の私があります。
感謝しかありません。
お母さんが「遅いなんてことはない!いつからでも始めたらいい」
子育て真っ只中の憤懣期間にさらりと言ってくれた言葉はいつも私の支えになっています。
長生きするだろうという勝手な言い訳でいつも放置でごめん。順番に大事にしていきますので、それまで元気でいないと恩恵が届きませぬので
お体を重々労るために、薄味で、野菜中心のご飯お酒はほどほどの腹八分でお願いします。

義理の母には

時間が取れたので会いに行く。
手っ取り早さが心情の薄情な私なので、
道中でケーキを2つ買っていき、一緒に食べようと目論んで。

ケーキ屋さんから、今から5分後に行くよと電話する。

ドアを開けるといつものようにニコニコ。

義理の父のお仏壇に手を合わせ、食卓の椅子に勝手に座る。
ケーキ買ってきたよ、っと言いながら。

母は、久しぶりに来た嫁をかわいい子を愛でるように包み込んでくれる。
いつもこんなひどい嫁なのにありがとうございます。ー陳謝ー


そして、母の話が始まる。

我が子3人の近況を順番に濃密に詮索、心配、安堵、会いたいなぁ。。

そしてお母さんの最近の出来事、
今日は毎年恒例の素敵な男性が開催する写真展に行ってきた話。

その写真展の様子、素敵な男性の日々の暮らし、道案内が昔ながらの地図でわかりにくいっていう話、、とはいえGoogleマップは使ったことがない母。

昨夜の電話の相手、以前の近所のおばちゃんが大衆演劇にハマっていて高松までタクシーで見に行って、おひねりをたんまり配ってる話。

昨日の車の運転中、信号待ちで飲んだお茶が気管に入りむせて、その後の運転に集中できず怖かったこと。

先日遊びに来た妹さん夫婦の様子。

ふと、私と夫の結婚式の写真(もう25年前のもの)を飾りたくなって、出してきて飾ってる、、と見せてくれて驚愕、赤面したり。

やがて、義母のお母さんの話に。
お見合いで結婚したものの、酒乱癖がありかなり辛い思いをしたお母さん。
お父さんが亡くなったと思いきや、唯一の息子に翻弄させられていたように見える話。
実際、趣味の日本舞踊を踊ることが許されなくなり
嫁いで行った娘(義母)が立ち寄った際に、襖を閉めて着物に着替えこっそりレコードをかけて踊る、息子(義母にとっては兄)が帰ってくると急いでレコード片付け着物を脱ぐという切ない姿
部屋から出ることを許されず、食べるものも十分に与えてもらえず、食べた後の食器がお椀ひとつ、お汁がかかっていたのか?まるで洗ったかのように綺麗に食べ尽くしていたお膳、
台所にそのお膳を片付けに持っていくと、家人たちはスイカを食べた後を見てしまい直前に「あぁ冷たい甘いもの食べたいなぁ」と呟くお母さんの言葉がキリキリと胸を鷲掴みにした話。
老人ホームが空くと、さっさと入居させられ施設側からも十分な介助が受けられず、骨が見えるほどの床ずれに耐えていた姿..

私が結婚してすぐに亡くなったので面識はないままだったが
娘から見た母の凄惨な様子を語るお母さんは
ごめんね、、という思いに包まれて、見ているだけでも切なかった。

義母は、亡くなったお父さんとは駆け落ち同然で結ばれたと聞いている。
大反対を押し切り結婚した。

毎日朝起きたら着物に着替え、旦那さんが起きる前にお化粧をして
朝ご飯を作った話。

大きなお屋敷で生まれ育ったお義母さんは
結婚前に働いた経験はなく、お茶やお花に通い1男4女の次女、
とってもおてんばでしゃかりきのお嬢様だった話。
ところが、若くしてまだ幼稚園だった2人の子供を残して最愛の旦那さんが他界。

お母さんなりのポリシーや踏ん張り、子供に対する愛情のかけ方
必死で迷い、悩み、足掻き、踏ん張り生きてきた話。

結婚した頃は「人生は苦労しかない」なんて下向きな表情で言っていたけれど
昨日は「お母さんの分の幸せに生きて母さんに分けてあげたらいいと思うよ。あなたのおかげでこんなに幸せな毎日だよって。」
そんな私の合いの手に、うんうん!そう思ってるっと目を輝かせていた。

色々いつも話してくれるお母さん。

私が結婚した頃からいつもずっとこんな感じのお義母さん。

孫が増えるたびに、目を細めて大事に大事に包んでくれる。
孫が大きくなると、交代で泊まりに行くようになったが、
あの子はどんなご飯が好きか??
あの子は私の作る「麻婆茄子が好きだ好きだ」と言ってくれて嬉しい。
あの子はなんでも食べるなぁ、野菜しかないお鍋も美味しい美味しいって。

1人の女性として真っ直ぐに立ち、懸命に生きてきた義母。

私の2人の母は本当に偉大です。

子供という色眼鏡は叩き潰ししっかり目を開け耳を澄ます


面白いほどに価値観や世界観が真逆な2人の女性が私のお手本。

でも共通はそれぞれが自分の人生を両手いっぱい広げて生きている。
指先にちゃんと神経や感覚を行き渡らせて。

世にいう「おしゅうとめさん」
世にいう「おかあさん」

という色眼鏡を外して、同じ人間として
小説を読むのと同じような心持ちで耳を傾けると
本当にこの人たち凄い。
人生という旅路を存分に自分で生きている。

そして、また娘という立場に戻って巡らすと
たくさんの感動やたくさんの感謝が溢れてくる。

今日は母の日。

あなたのお母さんはどんな毎日を送っていますか??
あなたのお母さんは今日何に感動して何に怖くなって何に喜びましたか??



追記:
義理の母から家に帰り着いた頃にLINEが届く。
ケーキ持ってきてくれたのに、おしゃべりが楽しくてケーキも開けずお茶も出さずにごめんね。

はい、ケーキは食べずに置いてきました。
帰り際にお義姉さん呼んで一緒に食べてね、、っと言い残してきたから
この続きはお義姉さんが引き継いでくれるであろう。。

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