”なにか”を抱えた若者たちの一ヶ月間の青い春「深呼吸の必要」
今回は 篠原哲雄監督作品「深呼吸の必要」について。
サントラは全編 小林武史さん。
主題歌は My Little Lover 「深呼吸の必要」
良すぎる・・・!!!
ので、予告編だけでも観てほしい。
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あらすじ
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誰にも話したくない「なにか」を抱えた若者たちの一生ものの青春
ひとりひとり「なにか」を抱えた若者たちが、夏の一ヶ月間、住み込みで沖縄の田舎にサトウキビ狩りのアルバイト「キビ狩隊」として集められる。
誰かがトゲのある事を言ったときの空気のピリつきとか、ちょっと鼻につくことを言われたときの、心の距離がさ~っと引いてく感じとか・・・
人間同士の距離感がリアルで観てられないっ・・・!(良いっ・・!!)
毎年サトウキビ狩りを手伝っている、大森南朋さん演じる どこかちょっと鼻につく先輩が「恒例だから」と初日のみんなの顔を撮る。言わずもがな、怪訝な顔のみんな。
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そして翌日早朝からサトウキビ狩りへ。
重・・労・・働・・・。
だだっ広いサトウキビ畑に戦意喪失。
でも最初は全員が、本土から逃げてきた。
そんな自分たちでも 目標を持つと、生きがいを見つけられる。
後半はみんなが なんともキラキラしていて。
サトウキビ狩り、してみたくなりました。
(先日、ある案件で"初めてやることで、やってみたいこと"を聞かれた際、まんまと「サトウキビ狩り」を入れた わたし)
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「話したくないことは、話さなくて良い」という平良家のルール
みんなが住み込みをしている、おじいとおばあの家のルール
「話したくないことは、話さなくて良い」
おじい、おばあは 突き放しているわけでは無くて。どんなことが起きても「なんくるないさ」と、どっしり受け入れてくれる。
手持無沙汰でお家をうろうろしてると、当然のように座布団を用意して、居間に招いてくれる。
そんな優しさに
なんでもない日常シーンでも泣ける・・・(じわじわ)
この一ヶ月間に、ひとりひとりの心の闇がすべて解明されていくわけじゃない。でもそこはこの映画にとってどうでもいい。
平良家のルールにのっとって「話したくないことは、話さなくて良い」んだから。
色々なことがあった夏が終わり、翌夏新しいグループに先輩が「恒例なので、初日の顔を一枚ずつ撮っていきます」と説明をしているところで、最終日にみんなで撮った集合写真が映る。
初日と最終日の表情が、驚くほど違くて。最終日のみんなは、心からの笑顔でキラキラしていて。
グッッときました。
友情、努力、勝利(少年ジャンプか・・・?最高)
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まとめ
沖縄での一か月の青春もの、なのに、若者の心の闇が明確になるわけでもなく、恋愛に発展するわけでもない。
ただ働いて、食べて、眠るだけ。
大自然の中でくたくたになるまで体を動かせば、自然と眠れて夜がやってくる。一見簡単なようだけど、心が疲れているとそれが簡単にできない。
そんな、「深呼吸の必要」を教えてくれる、大切な映画です。
なにも考えずに、ぼーっと観ることができる映画。是非機会があったら観てみてほしい作品でした。