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服を着ること/スタイルライクユー(グッラフィック社)に学ぶ自己表現としてのファッション

「服を着る」、そのことについて初めて向き合ったのは25歳の時でした。

それまでの私はファッションの流行を追いかけて、とても疲れていました。服を着ること=自己顕示(流行りものを着こなしているか/高価なものを持っているか)と思っていたので、あまりお金もないのに服やアクセサリーを集めることに必死でした。だけど、流行っているからという理由で購入した服たちは増えても増えても心を満たすことはなく、欲しい気持ちが増え続ける不思議な現象に陥っていました。あるあるですが、服はあるのに何故か着るものがない状態というのが常でした。

そんな私でしたが、25歳の時に初めて訪れたNYで受けた衝撃によってファッションに対する考えが180°変わりました。

「流行が分からない!」

世界屈指のファッションの街NYなのに、という言い方は変かもしれませんが面白いくらいに流行が分からなかったのです。その代わりに感じたのは「それぞれの人が好きなもの」でした。一見するだけで「あの人めっちゃオレンジ好きなんだなあ」とか「あっちの人はデニム愛してるなあ」とか、その人が何が好きで何を表現したいのかを自然と感じ取ったのです。NYで見かけた人たちのおかげで「服を着ること」と向き合い始め、流行を追うだけでない表現としてのファッションの存在に気付いたのです。そんな時、その考えの背中を押してくれたこの本に出会ったのでした。

スタイルライクユー(グッラフィック社)

ファッションを自分なりの表現として少しずつ楽しめるようになっていた時、福岡の国体通りにあったTSUTAYAさん(今は天神北のショッパーズに移転)で出会った1冊です。
タイトルにもなっている通り、この写真集に載っている人たちは「自分を表現する」ために服を着ています。さまざまな個性、人種、性別の人たちが表現する”自分”の姿そのものとクローゼット。そして言葉。その全ては私たちに勇気を与えてくれます。
もちろん最初から上手くは出来ないのですが、失敗しながらも好きや似合う、どういう自分でありたいかを表現する方法を試していく過程が楽しくなってきます。

そしてだんだんと本質的な自分の好きなものや似合うものを知っていくと、流行はスパイスとして取り入れる余裕も出てくるようになりました。焦りながらしていたオシャレとさよならして、心から満足出来る表現へ。

衣替えの時期にそんなことを思い、綴ってみました。お読み頂きありがとうございました!それではまた来週。

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