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お義母さんとの話 ③

いつの間にそんな話に?!

彼の帰省に同行して名古屋に戻ってからも、順調に交際は続き、
数か月経ったある日のこと。

突然、お義母さんから電話があった。
「あ、まむちゃん?元気?
 あのね、来年の5月になるんだけど、式場おさえたからね。」

・・・・え? 
彼からプロポーズとかされていないんですけど。
結婚できたらいいね~って感じの話すら一切してませんけど。

いつの間にそんな話になったんだろう???
もう驚きすぎて訳がわからなくて、そのあとどんな話をして
電話を切ったのかも覚えていない。

しかし、当時の自分はなんとも情けない(涙)
お義母さんに「プロポーズもされていないんですけど。」とか
「勝手に決めないでくださいよ!」みたいなことが一切言えなかった。
後日、彼と会った時にもこの話をまったく切り出せないままでいた。

なんというか、まだ結婚なんて考えてもいない歳で、
真剣に向き合うことそのものが怖かったのかもしれない。
その後の人生を左右する大事なことなのに。。。

そこからまた数か月後のこと、
お義母さんは、超多忙なお義父さんと共に名古屋にやってきて
私の実家にわざわざ挨拶にきてくれたのだった。
ここまできてようやく「私は嫁ぐのか」と実感を得る。

ちなみに私の家は母子家庭で、当時こ狭い団地に住んでいて
母親は今でいう「毒親」で、自分自身に関しても高卒だし、
彼や彼の家と釣り合うところなんてひとつもなくて
それがどうして結婚なんて・・・ほんとに私でいいんですか?

結婚と言われても、必要な準備資金なんて全くないし、
どうすればいいんだろう・・・

あれこれ考えて戸惑っている自分に
お義母さんが優しい笑顔で言ってくれたのが

「何も要りませんからね。
 身ひとつで来てくれたらいいんですよ。」

という温かい言葉。
いまだにこの時のことを思い出すと有難くて泣けてくる。


そして5月、
ウェディングドレスだけは!と自分で働いたお金で買わせてもらって
それ以外の費用はすべてお言葉に甘える形になって結婚式を終えた。
身の丈に合わない本当に素晴らしい式だった。

知らないうちに式場を押さえられたと知った時は本当に驚いたけど、
お義母さんの世話好きなところだったり、行動力がなければ
私は彼とは結婚していないかも、とも思ったりする。


ありがとう、お義母さん。
お義母さんのお陰で今も幸せな毎日を送れています。







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