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太陽の匂いをたっぷり含んだ完熟マンゴーを生む宮古島の「へんとな農園」、今届けたい自然の恵みとは。

ーコロナの影響はどういった感じですか。

マンゴーを運ぶ物流の飛行機が減便になっているんです。沖縄の飛行機は78割が観光客の利用なので、観光客がゼロになると飛行機が減便になってしまって…幸い今のところ何とか観光客も少しずつ増えてきたので、 一安心かなって思います。

ー農家 を始めたきっかけは何ですか。

元々はサラリーマンで農協の職員をしていました。先代の父が農業の勤めを終えて、僕が代わりにやらざるを得ないなと。

ー受け継がれたものがあったんですね。 始められて20年余とお聞きしたのですが。

そうですね。マンゴーに限って言えば 20何年前からですね。うちはさとうきびを父がしていて。ただマンゴーに関しては、私が情報を仕入れて、手探りで始めたという感じです。

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ーなぜマンゴーだったというのはあるんですか。

沖縄県内で、宮古島だけがマンゴーがなかったんですよ。石垣島 沖縄本島ではあったんですけれど、宮古島のサンゴ礁がマンゴーに良くないという説があって。 ところが、ひとたびやり始めると宮古島のマンゴーがウケて、それに参戦したという感じですね。

ー宮古島の土地柄がマンゴーに良くないというのは結局のところは…。

ええと、全てが嘘ではなくて…アルカリ土壌にどうやらマンゴーは敏感で、宮古島はアルカリ質なのでダメだろうという推測が。
だけど酸性土壌の部分もあって、客土することによって解決できました。
逆に宮古島は、山ではなく潮風が吹くので、太陽が照っていてマンゴー栽培の条件に良いんです。

ーマンゴーでもたくさんの種類があると耳にしたのですが。

そうですねアップルマンゴーが主流ですけど、うちでは緑のキーツ種も育てていて。通の皆さんにはキーツマンゴーを求めるお客様も多いんです。
他にも玉文マンゴーというアップルマンゴーより3倍大きくて糖度も高いマンゴーがあって。甘いのが好きな人はこちらを好みますね。

ーなるほど。個人の好みで分かれるんですね!

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マンゴー農家さんだからこそ知っているマンゴーの魅力とは。

アップルマンゴーは、日本人の舌に合うように甘く作ったマンゴーなんですけれど、すごく魅力的な香りを放つんですよ。お客さんの手元に届くよちょうどそのタイミングでいい香りを放つ。なので、届いた矢先にお客さんがこの夏の幸せを感じられるんです。そこが魅力なんじゃないかなって思います。

お客さんはよく甘い!と言うのですが。実は、色んな技術で甘くすることはできるんです。

ーえ、そうなんですか?

はい。でも自然の力でできたマンゴーの方がやはり濃厚で。なのでただ単に、甘い!ではなく、うまい!と言ってもらえるようなマンゴーを目指しています。
人工で作ると甘いマンゴーはできるんですけど、自然な香りと味が一番かなと。

ー自然の恵みって大事ですよね

そうですね。人間がコントロールしようという技術も必要ですけど、やっぱり自然の力には敵わないなあと。自然の力を重んじて育てています。

ー大変なこと、苦労したことはありますか。

害虫とかですね。やっぱり無農薬が一番いいんですけど、自然界には害虫もネズミも泥棒も(笑) 彼らと競い合うのが一番大変ですね。

そこで試行錯誤を繰り返されたんですね。

そうですね。農薬を使うっていうのはできるだけ避けたいので、なるべく減農薬で安心なマンゴーを作っていくということですね。

ーやりがいはありますか。

マンゴーファンの方の存在ですね。マンゴーは単価が高いのに、たくさんのファンの方に支えて頂いている。
マンゴーに傷があったりすると、贈答品として販売できないんですけど、傷があってもファンの方が残さず買ってくださる。ありがたいですね。

ー1日のスケジュールは?

まずマンゴーの収穫に行くのが、夜明けの5時から6時前ですかね。ちょっと明るくなったなと思ったらすぐに収穫し始めます。

ー早いですね!

はい。午前中に飛行機に乗せないと、マンゴーが傷んでしまうので、とにかく急ぎです。8時前には出庫を終えて詰めて、10時には郵便局に配達に行って出荷します。午後は、後片付けをという感じですね。朝が肝心です。

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ー今が旬ですよね。

7月15日がマンゴーの日でピークなので。その前後が一番忙しいです。

ーそれ以外の期間はどういったことをされているんですか。

まず、収穫時期が終わったら、いっぱい実を成らしてくれてありがとうとお礼碑をあげて。
いっぱい可愛がるんです(笑)
そして秋になって新芽が出たら、今度は逆に紐で引っ張り上げて、水をやらずに栄養をきって、いじめるんです(笑)

ーえっ!?そうなんですか。

はい。花をつけるための準備をしてもらわなくちゃいけないんです。締め上げるのはそのためで。マンゴーの栽培には、愛情をもっていじめるというのが大事なんです。

ーなるほど。マンゴーには申し訳ないですけど、その過程があってこそ、美味しいマンゴーが出来上がるということですね。

木を伸ばしっぱなしにすると、実の成りが悪いんです。放っておくと30㍍にも成長してしまうので、2㍍くらいで抑えてしまう。誘引によって、低く平たく作っていくんです。木は低く、花がその上につくように。これが、いいマンゴーを作るの一つの基本です。

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ーへんとな農園の強みは何ですか。

湿地ということで、マンゴーの栽培には向いていないと言われていたのですが、逆に土の力があってしっかりとした実を作ってくれるんです。畑を作って頂いた先人の方々に感謝ですね。あとは、うちは完熟マンゴーなので。ハサミを使わず、自然に落果するまで待ちます。そこがこだわりです。

ー消費者の方々との交流はありますか。

観光農園ではないのですが、園を訪れてくれた観光客の方々にヒントを得ることがあって。その一つがうちでやってるオーナー制度です。
オーナーの方々とは、フェイスブックでやり取りをしたり、月に一回うちに来てもらって交流したりしています。

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ー今回旅するチーズケーキでのコラボレーションですが、この企画にかける想いはありますか。

生のマンゴーでお届けすることはずっとしてきたんですけど、チーズケーキに使用したりすることで、マンゴーの新たな可能性を広げられればと思っています。

ー旅するチーズケーキ購入者に届けたい想いは。

マンゴーのチーズケーキを食べながら、私どものような農家と繋がっているんだなと感じてもらえたら嬉しいです。

あとは、完熟したマンゴーの香りを楽しんでもらいたいです。

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ー今後の抱負をお聞かせください。

量を作りすぎても、質が落ちてしてしまうので、実は農園を半分に分けて、一年ごとに切り替えるようにしました。そうすることで、質の良いものを安定供給できるようになるのではないかと。続けていくことが大事だなと思うので、これからも応援して下さる方々の期待を裏切らないように美味しいマンゴーをお届けできるよう頑張りたいです。


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