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水滴

今日はわたしの大好きな曲の考察をしていこうと思う。めいちゃん作詞作曲の『水滴』という曲である。
聞いたことない人はつべこべ言わずまず聞いてほしい。

モチーフは「雪」。溶けて消えてしまう儚さ、溶けた後は涙を連想させる「水滴」になる。あああ切ない。めいちゃんの優しい包み込むような繊細な歌声がもうバチバチにはまって好きという言葉以外ででこないですわ。

ということで、そんな大好きな曲を歌詞解釈していってみんなに共有したい!なんなら語り合いたいわ、ということで長くなるとは思いますがお付き合いください。



まずこの歌の登場人物は「私」と「貴方」の二人。そして「私」の一人称視点で描かれているということも確認しておくね。

「貴方」の情報
①(私は)貴方の愛を知って
②貴方のその大きな手で優しくつつんで
このあたりから男性だと推測。根拠は甘いが仕方がないね。

「私」の情報(イメージ含む)
①自分に自信がなさそう→1番Aメロより
②潔白な身(汚れのない、真っ白な)
③私=雪
そして「貴方」と「私」は付き合っているのではないかなーと思っている。

妄想(読まなくてよいです)
「私」は中高と女子校育ち。女子校の中でもワイワイ友達と騒ぐ、というよりも数人の中の良い友達とのんびり過ごしているタイプ。休日は本や漫画を読んだり家で買っているワンコの散歩をしたりして過ごしている。勉強はそこそこできるけど抜群にできるわけではない。何か特段と秀でた才能があるわけではない。文系。多分文学部とか心理学とかそういう系統の大学に進学。大学生になって大学のリズムにも男の子のいる環境にも少しづつ慣れてきた今日この頃、最近よく目が合う男の子といい感じになって、、、みたいな笑。歌詞解釈に関係ありませぬ。

以下歌詞解釈


凍えた瞳に夢を焼べて 
この一瞬だけ私を照らしてよ
水滴

凍えた瞳の持ち主は貴方。つまり私を見る貴方の瞳は凍えていることになる。その凍えた貴方の瞳に、夢を焼べることで一瞬だけ私が照らされる。そして私はそれを望んでいるのである。

私の願望①私を照らしてほしい

めいちゃんの推しポイント☆
「凍えた」の歌の入り方が大好き。「はっ」って吸う息が入っているのもよい。もうそれだけで心掴まれちゃう。「凍えた」ってすごい切なく歌うんだよね。「こごえた」の「ご」がもうほぼ息なんだよ。それがまた切なさを加速させるー!!!
んで、「瞳に」の「に」が泣きそうなの。あああああああ。「夢を焼べて」の「て」から覚悟したように力強く「わたしを照らしてよ」に入るんだよ。
後で出てくるけど、「夢」は私にとって大事なものだから「焼べる」のには覚悟がいるんだよね。そんな大事なものを「焼べて」も「私を照らしてほしいの」。

鼓動が始まってから貴方の愛を知って
体が溶け出してしまわぬ様に
下を向いて顔を隠した
水滴

(私の)鼓動が始まってから貴方の愛を知った。
貴方の愛を知ったことで、(私の)体が溶け出してしまう。だから溶け出さないように下を向いて顔を隠す。

この時、貴方の瞳はおそらく凍えていない。むしろ私が溶け出してしまうくらいの熱い瞳で私をみているはず。だから私は貴方の瞳が見られないんだよね。(目が合わせられない)その結果下を向いて顔を隠すことになる。
この時点では貴方は私を愛している。その状態から瞳が凍える→貴方の私への愛がなくなってしまうに変化していくことがこの曲のポイントの一つだと思う。

ここから読み取れる「私」の性格
・愛になれてない。(初恋?初彼?)→潔白なこの身につながるのかな?
・自分に自信がない。
→「貴方の愛を知って」いるのに、うきうき感とか浮かれた感じがまるでない。むしろなんで私なんかのことを?とかって思ってそう。愛を上手に受け止められず、愛を返すこともできず。いま彼女にできる精一杯が「下を向いて顔を隠す」という自己防衛のみである。自己防衛という言葉を使ったのは、あなた愛を知った結果自分が変わっていくのが怖い、変わりたくない、という気持ちも含めている。

推しポイント☆
「鼓動が始まってから」の後の息遣い、「愛を」のエッジボイスがよい、、、、!!そこからの「知って」の後ため息みたいな音の切り方好き。「体が」の「ら」「が」「あ」のまったりした音の繋ぎおしゃれ。「下を向いて顔隠した」の「た」もエッジ聞いてて本当に後悔しているみたい。あーあの時下むかなきゃ今でも貴方と続いてたのかな?の後悔が滲み出ているよお。

というか、男の人からの「愛」が怖いっていう感覚めちゃくちゃわかる。中高生までの可愛らしい「恋愛(ごっこ)」から肉体的関係も伴ってくる生々しい「愛」にビビる気持ちわかるわー。
もちろん愛される感覚は嬉しいんだけど、その結果私の中の価値観とかが変わったり、、、。その人に愛された後その人なしで生きられなくなったちゃったらどうしよう、、、とか。いつかこの人と別れなきゃいけない日が来るならずっと友達でいたい、、、とか。ね。

お願い!まだ夢から醒めないで
迫る瞳が眩しくて
水滴

(貴方の)「迫る瞳が眩しい」について
瞳が眩しいと感じるのは、貴方が私を愛を込めた瞳で見ているから。Aメロで考えた私の性格上眩しく感じるのは仕方ない。
「迫る瞳が眩しくて」のあとは(貴方のことを直視できないけれど)とかかな?
→貴方のことを直視出来ないってことはまだ貴方の愛を受け止める勇気がないと言うこと。私は貴方に好意を持っているのだけど、恋愛に踏み込む勇気がない、と解釈してる。

問題なのは「お願い」から始まるこの一文。これは誰に対してのお願いなのだろうか。
2パターン考えられる。
①私から私へ
私がみている夢から私は醒めたくない。
②私から貴方へ
貴方は夢から醒めないでほしい。

①②ともに夢とは「貴方が私を好きだと言うこと」だと考えている。

①だと
貴方が私を好きだという夢から醒めたくない。貴方の迫る瞳が眩しくて(直視できないけれど)
②だと
貴方が私を好きだという夢から醒めないでほしい。貴方の迫る瞳が眩しくて(直視できないけれど)
になる。

私の願い②(貴方がわたしを好きだという)夢から醒めないで

私迷ってしまったの 貴方を見つける隙に
此処で待って居たら良かった
むしろこのまま目を閉じてしまって
水滴

貴方を見つける隙に、私迷ってしまったの。
貴方の何を見つける隙に、私は迷ってしまったのか。
何→貴方への愛、が妥当かな?
「隙」と「好き」にでかかってるし。

貴方への愛を私自身が見つける際に私は迷ってしまった。
本当に貴方の愛を受け取ってよいのだろうか。

この迷いがここまで繰り返し描かれていることから大きなポイントになっていると考えられるよね。
ここで迷ってしまったことで貴方からの愛を受け取れなくなり、貴方の瞳が「凍えて」しまったのかなと。

ここまでは私視点で見ているから、貴方への好きはなんとなく伝わるし、恥ずかしいのかな、自信ないのかなと思うけれど、貴方視点で考えると
①私のことが好きで見つめても、私は目を逸らし見つめ返してくれない。
②何だかわからないけれど私から自分と付き合うこと(もしくは恋愛関係を発展させていくこと)に迷いを感じる
①②より私に自分の愛を受け取ってもらえない!!!と感じている

という状況にあるから段々貴方の心が離れてしまっても仕方がないのかなと。

サビの後半は私の後悔の内容が描かれる。
①ここで待っていたらよかった。
②むしろこのまま目を閉じてしまって

①ここで待つのは貴方を待つということだよね。私も貴方も心を動かしてしまったがゆえにすれ違ってしまったのかな。それとも私の心が成長するのを待つ、ということかな。
②待つ、というよりむしろこのまま目を閉じてしまって(貴方からの愛を受け入れてしまえばよかった)
「目を閉じる」もいろいろ考えられて、自分の迷いから目を逸らすとか、貴方の目を直視できないなら自分の目(もしくは貴方の目)を閉じて受け入れちゃえとか?

どちらにせよここでの後悔が貴方からの愛を受け取ってよいのか迷ってしまったことにあるわけなので、閉じてしまっての後は「受け止めればよかった」が妥当なのでは?

推しポイント☆
「お願い!まだ夢から醒めないで」の優しい歌い方から「迫る光が眩しくて」の「え」がエッジボイスで落として、サビへどーん!と入る。
このサビの「私」が一段と力強くて音も上がっててちょっと気持ちが昂ってる感じ。からの「貴方」の言い方が優しいんだあ。愛おしさが込められてるというか、ね。んで、「あなたを見つける隙に」の後の「ah、ah、ah」の音の落下具合が、主人公のやりきれなさを演出しててよい。「むしろ」の「ろ」だけ綺麗な裏声でそこも切ないし、「目を閉じてしまって」の後の「eh、eh、eh」もいろんな感情が混ざった声にならない声で歌詞がないからこそめいちゃんの歌声とニュアンスで訴えてきてて、もう言葉にならないんですわ。


あの日の話を聞いた 鵜呑みにしていられないよ
水滴

ここから話の展開が変わり「貴方」が「私」からどんどん離れていく。
あの日の話ってなんだろう。鵜呑みにできない、じゃなくて「していられない」って余裕のない表現だよね。鵜呑みは「人の言葉の真偽などをよく考えず、そのまま受け入れる」こと。

貴方から「あの日の話」を聞いた私はその言葉を受けれいれられない。

ここは情報少ないけど何を受け入れられないのかって考えたときに、「貴方の心が離れてしまったこと」なのではないかな。

というか「あの日の話」てなんなんだろう。妄想膨らんじゃう。でもあんまり妄想過多になると本筋からずれちゃいそうだからやめとくね。

もう私の全てを渡すから
そのランプに火を灯して
水滴

貴方の心は離れてしまった、でも私はやっとここで貴方からの愛を受とる覚悟ができた。というより失ったからこそ貴方への愛を引き止めたい一心で決心がついたのかもね。

貴方に私の身も心をすべてあげるから、「そのランプに火を灯して」

「そのランプに火を灯す」という表現は「凍えた瞳に夢を焼べる」と対応してしていると考えられる。
そのランプ(凍えた瞳)に火を灯すことでもう一度私を照らしてほしい。
つまり、「もう一度私を愛してほしい」という願いをこういう表現しているんだと思う。

私の願い③そのランプに火を灯してほしい(=私の願い①)

めいちゃんの推しポイント☆
「あの日の〜」の一文はちょっとトーン落とし気味で寂しそう。「鵜呑みにしていられないよ」の「ないよ」の低音がちょっと余裕ない感じでいい。からの「もおおおう」で「もう」のボルテージが上がって今までの迷いとか取っ払い、「私の全てを渡す」に賭けるわけだよ!!だからもう一回私のこと見てよ!!て。でも多分貴方は私のことをもう一度見てくれないんだろうなっていうちょっとした諦めが「火を灯して」の「て」に現れていて本当にこの子(めいちゃん)はなんでそんなに言葉に意味を込めるのがうまいの?天才なの?

過ぎ去ってしまった時も雨で流せたのなら
そして潔白なこの身をその大きな手で優しく包んで
私を見て
水滴

「過ぎ去ってしまった時」は貴方が私を愛してくれていた時のこと。歌詞で言うと1番の部分。この時私は貴方からの愛を受け取ることを躊躇ってしまった。
そんな後悔を「雨で流せたら」(いいのにな)っていうこと。なかったことにしたいな、と思っている。
雨で流してなかったことにして、そして私の潔白なこの身を(貴方の)大きな手で優しく包んでほしい。(私と付き合ってほしい、付き合い続けて欲しい、恋愛関係を発展させてほしい)

けど、もうそんなことは叶わないから最後にもう一度「私を見て」

私の願い④私を見て(願い①②の比喩的表現に比べ、ストレートな言い方)

推しポイント☆
1サビと同様他の部分より力強め。「時」のうたいかたなんだかわかんないけどめいちゃんみが強い。「雨で流せたのなら」の「雨」の歌い方優しくて好き。その後の「ah、ah、ah」は1サビのよりちょい強めに聞こえる。特に1番最初の「ah」の言い方。なんか「いいのにな」ていう願望と「でもそんなの無理よね」でいう諦めを感じる。
「この身」の歌い方が「こんのみいを」って鼻にかかってる感じ、ちょっと自嘲気味?というかすごい強調されてる感じする。
「その大きな手」の「その」が裏声で「大きな手」を思い出してる感あるし「優しく包んで」ですっごい歌い方優しくて切なくてからの決死の「私を見て」が最高。本当もう水滴は最高傑作なんですよ。


触れた雪が溶けて消えていく
なんて儚いのだろう
水滴

「雪」暗示するものはなんだろう。ここを考えるためにもラストまで歌詞を一気に読み進めたい。

全て分かってしまったの 貴方を見つけることは
故に私は雪だ
どうかこのまま、貴方の体温で
水滴

全て分かってしまったの 貴方を見つけることは(できないことに)

私はずっと貴方への愛を探し続けている。
1番サビでは「私迷ってしまったの 貴方を見つける隙に」と書かれており、貴方への愛を私自身が見つける隙に迷ってしまったと考察した。そして2番では私自身貴方への気持ちがわからなくて迷っているうちに貴方は私の元から離れてしまった。

2人の気持ちが重ならないと愛せないし愛されないもの。恋愛って難しいね。私が貴方への愛を見つけた頃には貴方は私を愛していない。だから私は「分かってしまった。」
貴方と一緒にこれからの人生を歩むことはできないって。

故に(だから、そういうわけで)私は雪だ。に繋がるんだけど、「私は」だと大枠すぎるので言葉を補いたい。
1番しっくりくるのは、私の愛は雪だ。かなと考えている。

答えは、雪=愛

ここでもう一度Cメロに戻りたい。
「触れた雪が溶けて消えていく」雪=愛だとしたら、触れた愛が溶けて消えていく、となる。
解釈は二つできて
①あんなに愛してくれていた貴方の愛が溶けて消えていってしまった。
②やっと見つけた私の愛は溶けて消えてしまった。
愛ってなんて儚いんだろう。

2番までの私の願いは一貫して「私を見てほしい」ということだった。ここでの「見る」とは「もう一度愛してほしい」という意味である。

ちょっと妄想はいるけど、Cメロ前で貴方は私のことを見たじゃないかな。で私の念願は叶ったと思いきや、その貴方の瞳は前のような愛のこもった目じゃなかったのかもね。そして私は貴方との関係は修復不可能だと悟り、Cメロの「分かってしまった。」に続くのかなと考えている。

私の愛は雪だから、「どうかこのまま貴方の体温で」(溶かしてほしい)

1番では「溶けてしまわないように」と考えていた私はラストには「溶かしてほしい」と心情が変化している。
ここでもう一度何を「溶かす」のか考えると、これは「私の愛」であるから、1番の時点の私は「貴方への愛が溶けてしまわないように」と考えていたんだろうね。ちゃんと貴方のことを愛してたんだよね。
でもそれは曲を全部聞かなきゃわかんない。つまり私が昔の私を振り返ってやっと知ることができる感情なんだよね。

どうか貴方の体温で私の貴方への愛を溶かしてほしい

雪は解けると水になる。愛は解けると涙になる。

推しポイント☆
「触れた雪が溶けて消えていく なんて儚いんだろう」がもう爆発的に好きなんです!!!この悲しそうな寂しそうな切ないない歌い方。もう泣いちゃいそうな感じに歌うんだよね。「溶けて」「儚い」の歌い方が最強。本当に儚いんだよ!!ちゃめちゃん消えちゃうんですか?ねえ?ていうレベルね。で「だろう」の「う」のエッジボイス。これが短めなのも良い。
「全て分かって分かってしまったの」ララサビだし派手にくるかと思いきや、ドラムが消えて空白の音の中にめいちゃんの歌声だけ残るのね。
なんか気付きたくないことに気づいた瞬間て音消えるじゃん。まんまそれ。
で「貴方」の言い方がこの曲1。ナンバーワン「貴方」本当すっごい愛おしい感じに歌うのね。「た」がちょっとウィスパーボイスで本当いい。
その後の「ah、ah、ah」の最初の「ah」がもう悲鳴なの。
んで「私は雪だ」の「雪」が本当もう語彙力の限界。この「雪」で水滴が大好きになった。そこからの「どうか貴方の体温で」の「どうか」がちょっと音程あがって緊張感と気持ちの高ぶり、「eh、eh、eh」は泣いてるみたい。最後までめいちゃんの歌声で途切れず後ろ髪を引かれるようにフェードアウト。最高でした。


いやー書いた書いた。今6600字です。長かったー久々にこんなにたくさんの文章を書いたわ。読んでくださったかたがもしいたらありがとうございました。

この曲についてめいちゃんは「僕を含め、『後悔』することは今まで生きてきて数えきれない程あると思うのですが、その一つ一つがどこかで報われていてくれたらいいな、そんな孤独な女性を描いた歌に仕上げました。」とコメントしている。
音楽ナタリー

失恋ソングではあると思うけれど、私はもう誰かからの愛を受け取ることを迷ったりしないと思う。そう考えると私にとって必要な経験だったし、この後もっと上手に人を愛せるようになるんだと思う。

大好きなこの曲とじっくり向き合えて何度も聴いて考えて最高に幸せな時間でした。自己満でしかないけれどここまで書ききれてよかった。ありがとうございました。

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