ガサツと呼ばないで
ガサツである。
実にガサツである。
もちろん、自分のことである。
「ガサツ」を辞書で調べてみると「動作・態度などに落着きがなく、荒っぽくぞんざいなさま」ですって。
…やだなぁ…でも、やっぱり私はガサツなんだよなぁ…
「ていねいな暮らし」とか「美しい所作」とか、そういうものに昔から憧れて、それこそ「美しい」と言われるものにも沢山触れてきたつもり。
なのに身につかない。
以前、職場でお餅を焼いて食べたんだけど。
プクーーーーっ!と膨らんだお餅を、醤油を張ったお皿に乗せてギュギュッと潰して裏表。
海苔をペタリとくっつけて「いただきまーす」。
周りカリカリ、膨らんだところはモチモチ。
あー。美味しい。
しかし。
後日、完璧なまでにキチンとした、かなり料理上手な年上の女性が焼いたお餅はあまりにも美しかった。
四角い形を留めたまま全体がふっくらと焼き上がり、均一に醤油をまとってクルリと海苔を巻かれたお餅は、私が焼いたものとはまるで別のもの。
えっ。
もしかして、今まで私が焼いたお餅を食べた人たちって、「ガサツだなぁ!笑」と思いながら食べてた?
ねえ!正直に言って!!!
私の焼く焼き菓子だってそうだ。
マフィンもスコーンも、あっち向いたりこっち向いたりしている。
ていねいに作ってるつもりなのに、お行儀よくしてくれない。
「わざとラフに焼いている」なんて言ってるけど、実はそうなってしまうだけである。
それを「可愛い!」とお買い上げくださるお客さま。本当にありがとうございます。
「これが私なんだから、これでいいのだ!」
と思えたらそれでいいのだろうけど、断固として私は憧れているのだ。
美しくていねいな暮らしに。
だから毎日のように自己嫌悪に陥る。
でも、根がガサツだからすぐに同じことをやってしまう。
…ふぅ…
まだまだ、日々精進。
がんばるからさぁ…
みんな、私が死んだら「ガサツな人だったよねぇーー笑」って言わないでね。
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