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大阪F-1誘致に思うこと

結論から申し上げますと

1990年代からのF-1ファン(一時他界期間あり)でここ2年続けて鈴鹿に行っているライトなF-1である小生の結論=大反対である。そして、大阪観光局、特に会見に出席した溝畑宏氏の態度等に強い怒りを持っている。

既存F-1ファンとしての目線

既存の問題に対する対応

上記に書いたライトなファンですら、溝畑宏氏の会見は長年にわたりF-1を開催し独特の文化を築いてきた鈴鹿サーキットと既存F-1ファンを蔑ろにしていると感じてしまった。インバウンド需要の「駒」にしか見られてないからだ。インバウンド需要を見すぎて、国内のF-1ファンに対するフォローがないのが問題なのだ。溝畑宏氏は大分トリニータの社長時代に年チケ等で下支えしていただける固定客がどれだけありがたいかわかっているはず。そのような「固定客」で長年のF-1開催を支えていただいた方々に一切のリスペクトがなかった。海外からのインバウンド需要の「駒」としてモーターレーシング、その中ではF-1しか知らないからとりあえずF-1の名前出しました、という姿勢がモーターレーシングのファン層に受け入れられていない、と考えるべき。そのような甘い考えは即時捨て去るべき。

将来への懸念

そして、もし鈴鹿からF-1を取り上げたあと大阪が失敗した場合日本でのF-1開催がなくなってしまう可能性が極めて高い。ただでさえ鈴鹿の開催契約は今年(2024年)まで。今後の「F-1日本グランプリ」に強い懸念を持っている。現在のF-1はステファノ・ドメリカリ氏率いるリバティ・グループが興行主体となっているが、彼らは海外におけるF-1のステータスアップに伴い開催権料の値上げを行っている。鈴鹿は1987年から(富士の2年とコロナ禍除き)連続開催を勝ち得ていて、開催権料を抑えられている。
一方で、そして、鈴鹿サーキットはモビリティランドが主催し公的な資金をほとんど用いず、自治体や国家予算に依存しない財政的な健全性を評価されている。アジアの諸国ですらリバティ・グループ(と、MotoGP興行主の$ナ、もといDORNA)のマネーゲームに踊らされている中で、大阪がその仲間にはいってうまくやれるのか、と思う。鈴鹿/モビリティランドが成功したから云々、ではない。

近隣各国の事例

実際にマレーシアは国策でセパンサーキットを建設したが、後に国側の心変わりでカレンダーから消滅した。ベトナムに至っては汚職により開催不能に陥った。現在も招致に向けて作られた施設が負の遺産として残っている。インドも開催にはこぎつけたが「二度目」はなかった。隣の韓国ですらF-1関係者に激烈なダメ出しを喰らい数年でカレンダーから消えた。特に韓国の霊岩サーキットは干拓地に作ったサーキットでトラブル頻発、という歴史を持っている。アジア諸国は日本以外国策でのF-1開催を目指しているが、政府が潤沢な資金を投下しているシンガポール以外成功例がないんだよ。セパンでそこそこ成功、という惨状ですから。

予想する上で最悪の展開

今回の大阪は「民節民営」をお題目のように唱えているが、万博やIR事業に関連していることが安易に想像できる場所での開催であることから、公設民営ととられた場合、開催権料の値上げは避けて通れない。よって
日本での開催権料UPで鈴鹿が撤退

大阪に移転するも失敗

大阪が開催権手放すも鈴鹿が手がでない開催権料になっている

日本でのF-1開催が消滅してしまう
という負の連鎖をF-1ファンが恐れている。こんなずさんな案でドライバーからもファンからも愛されている鈴鹿のグランプリが消えてはならない。

そもそも論

そもそもの「万博跡地のIR事業」だけど、IR事業の付帯施設とか、万博跡地開発とか言っているけど、本気でIR事業を推進するなら「安定した集客による安定した収益」が必要なはず。なのに、万博を含めて「一時的な集客」しか見込めない単発イベントばかり誘致してどうするの???と思う。公営競技でも、継続的(ただし依存しない程度に)に来場するお客様を増やすためにあの手この手のプロモーション打っているのに・・・
単発興行と複数回の興行では考え方、それこそサッカーのスタジアムひとつ考えてもまったく異なるスキームになってくる。なのに、万博やその周辺は単発興行と常設興行で必要なことが支離滅裂になっていて、一貫した柱がないことが一番の問題だと思いますね。


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