竹田 陽子(中央大学ビジネススクール教授)

創造的な企業の戦略と組織を研究しています。

竹田 陽子(中央大学ビジネススクール教授)

創造的な企業の戦略と組織を研究しています。

最近の記事

『共観創造: 多元的視点取得が組織にもたらすダイナミズム』白桃書房(2023年5月1日に刊行予定) 目次

竹田陽子『共観創造: 多元的視点取得が組織にもたらすダイナミズム』白桃書房(2023年5月1日に刊行予定)の目次です。 プロローグ  「0(ゼロ)から1」の難しさはどこにあるのか   共感ではなく、共観 ― 多元的視点取得 ― 本書の構成と読み方 この本ができるまで プロローグの部分は朗読もあります。 1. 共観創造の概念  ― 多元的視点取得と創造的成果 ― 1.1 多元的視点取得 心の理論 2つの共感、もしくは、

    • 多元的視点取得とは

      「0(ゼロ)から1」の難しさはどこにあるのか 共観ではなく、共観。 の続きです。 2023年*月に刊行予定『共観創造: 多元的視点取得が組織にもたらすダイナミズム』は、共観(認知的共感)の核心にある心の働きである、「視点取得」に注目しています。視点取得とは、他者の視点から世界をイメージしたり、他者の立場で自分自身をイメージするプロセス (Galinsky et al., 2005)です。 心理学や認知科学分野の研究では、主に実験室で、他者の視点取得が創造的成果を向上させる

      • 共感ではなく、共観。

        「0(ゼロ)から1」の難しさはどこにあるのか の続きです。 2023年5月1日刊行予定の拙著『共観創造: 多元的視点取得が組織にもたらすダイナミズム』のタイトルの話をしたいと思います。 共観創造というタイトルを、「共観」ではなく、「共感」と見間違えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。チームで創造的成果を生み出そうとする実践では、ユーザーとの共感や、メンバー間の共感が大事ということがしばしば言われるので、それは無理もないことです。スタンフォード大学のデザイン思考のプロセ

        • 「0(ゼロ)から1」の難しさはどこにあるのか

          企業が独創性のある製品、サービス、ビジネスの形を創造することは、今日の社会ではますます大切になっています。どの業界においても、既にあるものを上手に作り、発展させる企業は数多く存在していても、唯一無二の製品、サービス、ビジネスモデルを生む企業は少数であることから、「0から1」が簡単ではないことは明らかです。問題はなぜ難しいかです。 われわれが「0から1」は難しいと考える時、有名な天才的な人物を思い浮かべて、とてもそのような発想は常人にはできないとイメージするのではないでしょう

        『共観創造: 多元的視点取得が組織にもたらすダイナミズム』白桃書房(2023年5月1日に刊行予定) 目次