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DJI FPV Air Unit(V1)とDJI FPV Combo(V2)の大きな違い

2021年3月に新製品としてリリースされた「DJI FPV Combo」は、オールインワンで箱出しで飛行ができるセットで15万円ほどから購入が可能です。

これまでFPVやドローンレースなどをしてこなかった人でも、気軽に始めることができ、扱い方のハードルも大きく下がったため、このDJI FPV ComboをきっかけにFPVを知った人も少なくないと思います。

DJI FPV Comboが素晴らしい点:
・FPVの知識がなくても誰でも飛ばせる
・オールインワンで追加購入するものは不要
・安全機能が秀逸で衝突回避やGoHome機能がある
・高品質なアクションカム相当の空撮映像が誰でも撮れる
などなど

一方、上記のDJI FPV Comboが発売されるまでは、DJI FPVと言えば、Air Unitを指すことが普通でした。DJI FPV Air Unitとは、以下のカメラと無線送信機がつながった単体のパーツのことを指しています。ここでは、ComboをV2、Air UnitをV1と分けて表記します。

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このAir Unitとセットで使えるDJI FPV Goggle(V1、V2どちらのGoggleでも利用可能)とバインド接続することで映像通信することができます。Air Unitは単体パーツであるため、DJI FPV Comboのようにコントローラーや機体すべてがセットになっていません。そのため、

DJI FPV Air Unitを使う場合:
・自分でドローンを組み立て
・カメラとVTX(映像無線送信機)にAir Unitを用いて
・チューニングして設定してドローンを飛ばす

必要があります。
なぜ、単体のAir Unitを用いてまで自作ドローンを作るのかといえば、用途に合わせた機体のチョイスをするためです。ちなみに、DJI FPV ComboはOsmo Actionと同等レベルのカメラ性能です。

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例えば最近流行りのRED komodoなどのシネマカメラ、SONY α1などのミラーレスカメラで撮影したい場合など、当然ながらDJI FPV Comboでは撮影することができません。また、10cm前後の狭い隙間を通す必要がある場合や、軽快でアクロバティックな動きがよりほしい場合は、DJI FPV Comboでは限界が出てきます。つまり、DJI FPV Air Unitは使う人の目的や用途に合わせたカスタマイズがなされる前提であるということです。

Air Unitが使用している電波は要免許の5.7GHz

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Air UnitタイプのカメラとVTXを使用する場合、DJI FPV Combo(日本仕様)の2.4GHz帯とは違って5.8GHzの電波を利用します。これにより、高速な映像通信をすることができるので、とてもスピーディでクイックなドローンの操作をすることが可能です。

しかし、日本国内でこれを使用するには無線免許が必要な点が注意。反対にいえば、業務用無線として申請することで業務にフル活用できるので、僕はTV企画や撮影現場などではすべてこのDJI FPV Air Unitを用いてお仕事してます。

DJI FPVのデジタル映像通信のイノベーション

すでにFPVをしていた人は、デジタルでリアルタイムに高画質な映像を見ることがどれほど難しいことか、それがとてもありがたいことかわかると思います。このDJI FPV(V1)のデジタル映像伝送が出る前まではアナログ映像伝送をしていました。昔のアナログTVと同様にノイズ混じりの解像度の小さい映像です。アナログはデータ量は少ない代わりに素早くデータ通信させることができるのがメリットですが画質がとても悪いのが特徴です。

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今でもドローンレース機のようにアナログの映像伝送が使われることがありますが、撮影などのお仕事現場ではもはや化石になりつつあります。どう考えてもアナログよりもデジタル伝送を使うほうがメリットが大きいためです。超低遅延で超高画質になったことで、FPVの操縦のしやすさは数倍に増えています。例えば同じサイズのアナログVer、デジタルVerのドローンがあったらデジタルVerのドローンのほうが狭い隙間を簡単に通り抜けることができます。よく見えることは正義でコントロールの正確性が飛躍的にアップするのです。

DJI FPV Comboで多くのFPVを知らないカメラマンの見える世界が広がったように、小型マイクロドローンや大型シネマカメラを搭載したドローンでも同じような高画質なFPVができると大きく世界が変わります。

って、ここまで書いておいて、Air Unit変えるところめちゃめちゃ少ないんだけどね!

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