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FPVドローンのアナログVSデジタル対決/SKY04X購入しました/世界最速MCKレース動画/Reverse Split-S/求めるアシスタント/横田 淳『週刊ドローンリアルビュー』 Vol. 33

今週は群馬の高崎に来ています。12月の関東は本当に天気がよく撮影日和が続きますね。今回はMV撮影だったのですが、自分のスキルの足らなさ大きく露呈しました…。

限られた時間の中で高得点を出すことは当然なのですが、FPV撮影の場合は認知度や経験者が圧倒的に少ないので、ちょっとしたことでも”すごい”と思われます。ありふれた”カメラ”やDJI空撮はライバルが多いので一般には差をつけづらいです。つまりFPV撮影は期待値コントロールがしやすいということです。

それゆえ、その場における「80点」を撮ることはほとんどの人ができるはずですが、自分的には40点の出来なわけです。ここの点数感覚はおそらくディレクター陣はもう少しシビアで僕らと近いものを感じていて、はその中間くらいの点数感で捉えているのだろうと思います。しかし時間・編集・クオリティ・優先度など色んなものが考慮されて次へ進む。それがわかるだけに悔しい。

レースのリアルでもそうですが、凡人の僕は練習の6割〜8割しか力を発揮できないので、練習時の自分のスキルの絶対値の拡張が不可欠です。精進します。

○今週のとんかつ〜ぽん多本家(上野)〜
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13003587/

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NHKプロフェッショナル仕事の流儀にも出た銘店「ぽん多本家」に久しぶりに再訪しました。ここのメニューには”とんかつ”という表記はなく”カツレツ”と記載されています。今回は2人で行ったので、カツレツとカキフライとご飯セットをオーダーしました。しめて7000円ほど。日曜のお昼時でしたが、30分ほど待っている間にオーダーし、着席してから10分ほどで料理が到着。料理が来るまでに隣に運ばれてきたカキフライをみて思わず「美味しそう…」と声が漏れてしまうほど。

ここは”とんかつ屋”ではなく、キスフライやポークソテーなどがある老舗の高級な定食屋でして、内装も含めて他のとんかつ屋とは一線を画します。脂身の少ない部位を使っているので、カツレツのお味はかなりさっぱり系です。ソースもさらっとしているので脂っこいものが苦手な方でもぺろりと食べられると思います。カキフライも絶品です。2,3個入っているのかな?とてもボリューミーで歯ごたえがしっかりと残った牡蠣がたまりません。価格帯は高いですが、とんかつ以外のお料理も満足して楽しめる素敵なお店です。

それでは今週のメルマガです。

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                         2020/12/23
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横田 淳『週刊ドローンリアルビュー』 Vol.33


毎週水曜日発行
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今週の目次─────────────────────────────

1.今週のトピック
2.横田のドローンガジェットレビュー
3.世界のおすすめ動画解説
4.連載:FPVドローン入門〜エアートリック〜
5.Q&A(何でも質問回答)

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1.今週のトピック

日本中・世界中でドローンを持ってコンテンツ企画、イベント運営、撮影している著者が毎週違ったトピックで旬な話題を提供します。

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『FPVドローンのアナログVSデジタル』

冒頭のMV撮影やTVCM、企業のWEB広告などFPV動画が広告用途で使われるシーンが増えてきています。5インチくらいの機体はスピード感のあるダイナミックな動きが特徴ですが、静止している人に寄ることは出来ても、動く人にはなかなか難しいですよね。というか危険。そうなるとガード付きになったり、3インチやさらに小さなサイズになったりして、重たいカメラを積むと更にもっさりとした動きになり、本来のスピード感が失われるというジレンマです。

まぁだいたいのケースにおいて5インチほどの動きの必須性は存在しない(知らない)のですが…。

”デジタルFPV”は、まさにそうしたジレンマを打ち壊す余地があるアイテムだと思っています。というのも、デジタルにするがゆえに、”よく見える”ために木の枝のギリギリまで寄ったり、これまでマイクロドローンでしか通れないと思っていたところでも5インチでも難なく通れたりするんですよね。これは新しい発見です。今日はアナログとデジタルの特徴やそれぞれの利点などを具体的に見てみたいと思います。


アナログ VS デジタル①映像品質と安全マージン

ドローンにFPVカメラを搭載し、ゴーグルで映像を受信し、それをもとにドローンを操縦するのがFPVドローンです。このゴーグルに映り込む映像が

・SD画質(480p)でノイズ混じりになるのがアナログ
・HD画質(1080p)でクリアになるのがデジタル

です。この映像品質が一番の違いであり、スイッチしたくなる最大のきっかけです。
まずは、実際の映像を見てみましょう。アナログとデジタルの映像の違いです。


まずはアナログのSD画質

スクリーンショット 2020-12-23 18.06.02

次に近距離のDJI FPVで実際にゴーグルで見える映像

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遠くで電波が少し悪い状況(端から悪くなる)

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見た目の違いは圧倒的です。ただ、キレイになったからと行って、別に操縦時に景色を楽しむわけではないですし

「アナログの品質でも十分飛ばせるよ!」

なんて声があがってきそうですが、デジタルを試してみれば”ただキレイなだけではない”のが体感できます。よく見えるというのは以下のような置き換えができます。


”よく見える”≒”物体を認識しやすい”≒”距離感を掴みやすい”


真っ暗闇の中でわずかな光を頼りに飛行したら誰だってスムースに飛ばすことができません。反対に”よく見える”ということは被写体や物体をより正確な位置関係で捉えることができ、より安全マージンを除去した飛行をすることができます。木の枝まだ見えればわずかな隙間でも通り抜けできます。

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この安全マージンとはドローンを飛行させる時に、周囲のオブジェクトや人などに対する離れた距離を指しています。湖上を低空飛行する時に、5インチなら1m、75Xなら30cmくらいの間隔があきますが、使う機体性能やサイズによってその時の角速度は大きく異なり、その差を無意識のうちに安全マージンとして飛行させていると考えています。

安全マージンが大きくなる要因には、機体のサイズや性能だけでなく、映像の視認性も大きく左右するとアナログもデジタルも実際に使用して理解しました。


アナログVSデジタル②電波到達距離と電波の途切れ方

FPVカメラの映像をゴーグルに送信するために、VTXという機器から電波を出力します。
この時の出力度合い(10mW〜1W)が大きければ大きいほど電波の到達距離は相対的に長くなります。その他にも適切なアンテナをつけることや向きなどは重要ですが、ここではそれらはほとんど同じ条件として考えます。実際に付けられるアンテナも出力も大して変わらないです。

アナログFPVとデジタルFPVにおいて構造的な部分における大きな違いが

・利用する周波数帯が固定しなくてはいけないのがアナログ
・利用する周波数帯を状況的に可変させられるのがデジタル

です。
アナログVTXでは「F1(5705MHz)使いまーす!」とか周波数を指定して利用しますが、デジタルVTXでは「CH1を使いまーす!」というように表記的にも周波数を限定していません。現在国内で使う場合は決め打ちする必要もあるのですが、本来的には、100MHz使える周波数帯があるなら「空いているところをホッピングしながら自動的に選択して映像送受信を行う」ことができるのがデジタルです。

データを暗号化することができるのでセキュリティレベルも上げられるし、デジタル信号にするがゆえに、映像にプラスアルファの機能を追加することもできます。(TVのアンケート機能のように)

これらを考慮すると、本来ならばアナログよりもデジタルのほうが周辺の電波干渉への対応力が高く電波の到達距離もデジタルの方が高いし、今後発展的に増えていくのは間違いないと思います。

しかし、ここで現時点におけるデジタルの最大の欠点が出てきます。
電波が到達できる距離が最大値に達して「途切れる瞬間」どうなるかというと、デジタルの場合は「フリーズ」してしまいます。アナログの場合は、徐々にノイズが増えていき、最終的に砂嵐の映像になるため”段階”があるのですが、デジタルの場合は、まだ見えているのにいきなり映像が止まってしまうことがあるのです。

少し見えないくらいだったら別に良いのですが、完全に止まってしまったらFPV飛行はどんなプロフェッショナルでも飛行することができなくなります。これは2020年のTVのデジタル放送でも同じような問題が起きているため、しばらく解決しないのではと考えています。

こうしたことから長距離飛行や電波干渉や遮蔽されすぎるような「電波ロストが考えられるケース」においてはデジタルFPVを避けて、なるべく電波の見通しが良い場所や近距離での飛行に限定します。


アナログVSデジタル③バリエーションと価格

これまでの話は、TV業界における「アナログ放送からデジタル放送への切り替わり」と全く同じ内容です。昔はTVにダイアルがあり、ガリガリとチャンネルを回して周波数を合わせることをしていました。現在はデジタル放送となり、チャンネルをリモコンをポチポチ押して選択します。

アナログ放送の画質は当然いまよりも格段に悪く、雨風が強い日はノイズが交じり放題でした。面白いのは、2008年ごろアナログからデジタルに移行しようかどうしようかと悩んでいるユーザーが多い時期は「ニュースやバラエティ番組が高画質でもそれほどメリットとは思いません。」(価格コムより)なんて声があったんですよね。なんか現在のデジタルFPVに否定的な人の意見に似ていません??

FPVにおいては、アナログからデジタルに移行しているユーザがまだまだ少ないので、どうしても需要が少なく、供給価格が高くなってしまっている現状があります。しかし、今後デジタル化するのは時間の問題なので、時間とともに安くなっていくのも間違いないと思います。

具体的な価格差を比べると、

・品質の良いアナログVTX&カメラ=1万円
・DJI FPVのデジタルVTX&カメラ=1.5万円

ゴーグルの値段もあまり変わらないことを考えると、コスト的な面ではあまり大差はなくなっています。ただし、製品のバリエーションは全く異なります。

現在世界でもデジタルFPVができるのは、Amimon ConnexかDJI FPVくらいですがアナログFPVができるパーツの数は数百以上の組み合わせがあります。技術が汎用化しているので、新興メーカーでも作れるため低価格なVTX&カメラが溢れてきています。

安く済まそうとするなら、2000円で揃えることもできるので、エントリーを考えるとアナログにはまだまだ軍配があがるのです。


アナログVSデジタル④法律と申請

日本国内においては、アナログからデジタルにスイッチしたり、デジタルFPVを始めようとする人が懸念するのが「法律面」だと思います。結論から言えば、僕は大して気にしないでいいと思っていてアナログの場合と同様に申請許可をすればいいだけだと思います。ただ、アマチュアよりも業務のほうが申請などにかかるコストが高いという問題だけあります。

DJI FPVを国内合法で利用するには、
業務用無線(3級陸特)を取得して、業務用の開局申請を総務省にします。
”業務”という言葉が紛らわしいですが、趣味が本来の目的だとしても、こじつけでいくらでも解釈できます。あまり深く考えずに、適切なルールに沿って処理すればいいと思います。


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2.横田のドローンガジェットレビュー

毎月のように新しいドローンが中国を中心に世界で開発販売されています。
横田が実際に使っているものを中心にレビュー・解説していきます。

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『Skyzone sky04x』
http://bit.ly/3aciQji

NEWゴーグルを買ってしまいました…。
これまで利用していたゴーグルはFatshark HDO+Rapidfireだったのですが、飛行時に映像の乱れが大きく、ファンも動作しなくなったので、他のゴーグルだったら起きないかと思い、新しいゴーグルに踏み切りました!

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