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なぜわざわざ自分でドローンを組み立てるのか?ドッキリで創ったドローン紹介/1週間で1億円Kolder Creative/NISSAN KICK15秒TVCM/コロナ禍の撮影現場/ナイフエッジ/ミドルレンジFPVゴーグル横田 淳『週刊ドローンリアルビュー』 Vol. 32

今週は福岡から帰ってほぼ東京にいました。
これから相模湖のほうへ練習&テストで移動です。

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この折りたたみペラ使えなかった〜笑

さて、先日3DプリンタのプレゼントをTwitterで行ったのですが、無事着弾されたようで何よりです。今回こういう企画をやったのは、単に「僕が使っていない3Dプリンタ使いたい人がいたら使ってほしいな」というのみでして、サイズも大きいし、利用方法も複雑なものなのでメルカリで売るにしても面倒なところがあるんですよね。

これでフォロワーがほしいわけでも無いので条件にはそうした記載はしていないです。仮に「フォロー&RTした中からプレゼント」企画をしたとすると、「質の悪いフォロワー」が増えるだけで何もいいことはないなと思います。そうした条件をつけずに「なんか画像か動画をください」とハードルの低いネタ的な条件をつけたことで、「3Dプリンタ使ってみたかった!」という方にきっかけを作ることができたし、穿った見方をしないでストレートにほしいと思う人だけに応募してもらえたなと思います。

まぁ3Dプリンタだけで何か生活が劇的に変わったり良いことが増えるわけではないですが、このきっかけが少しでもエンタメやドローンの面白さの伝搬に繋がっていればいいなと思います。

○今週のとんかつ〜とんかつ三(SUN)神田〜
https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13184955/


今週は週3とんかつでして上顎の皮がずるりと剥けまくっています。「カツラー」になるとはこういうものなのだと皮の剥けた痛みがなんだか誇らしいです。
過去のメルマガQAでも紹介したのですが、僕のとんかつBEST3に入るのがこの神田のとんかつ三でして、数ヶ月で何度も行っております。ランチにやっている「ヒレカツ重」を最近頼んだのですがこれがまた絶品で1500円と頼みやすくますますファンになりました。独自のタレで味付けされていてこれまでのとんかつ定食やカツ丼とは一線を画します。柔らかさ・お肉の味・ご飯とタレが絶妙です。
僕の尊敬するかつらーの先輩は「とんかつが美味しいところは決まってご飯と味噌汁もうまい」とおっしゃっていますが、ここはご飯もうまく、なめこ汁も大変美味で、箸休めにもずく酢を出すあたりお客様への奥深い配慮が伺えます。まずはこのヒレカツ重をきっかけに、甘くジューシーでかつ爽やかな脂を味わえる上ロースを食べてほしいです。

それでは今週のメルマガです。

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                         2020/12/16
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横田 淳『週刊ドローンリアルビュー』 Vol.32


毎週水曜日発行
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今週の目次─────────────────────────────

1.今週のトピック
2.横田のドローンガジェットレビュー
3.世界のおすすめ動画解説
4.連載:FPVドローン入門〜エアートリック〜
5.Q&A(何でも質問回答)

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1.今週のトピック

日本中・世界中でドローンを持ってコンテンツ企画、イベント運営、撮影している著者が毎週違ったトピックで旬な話題を提供します。

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『なぜわざわざ自分でドローンを組み立てるのか?』

僕はドローンを自分でパーツを買い集め、ドライバーなどの工具を利用して組み立て、電子部品をはんだ付けしてドローンを作っております。自分で作るからこそ、時速100kmを超えるスピードを出せたり、椅子の下を通り抜けるような狭い場所でも飛行することのできるという魅力があります。FPVドローンを行うひとであれば”普通”かもしれませんが、ちょっと界隈を離れると全然”普通ではない”です。

”自作”に関するハードルで言えば、自作PCと完成品のPCとの関係性に似ています。自作PCは、複数のパーツのスペックを考慮した上で”適合するパーツ”を見つけることができれば組み立てる事自体は難しくないです。自作PCを行う人口もかなりの数になっているため、いくらでも凡例をWEBで見つけることもできます。

なぜ完成品やBTOで組み立てる必要のないPCを買わないのか?なぜパソコンを自作するのか?自作PCに関していえば「コスパの良いハイスペックPCを使える」というのがでかいと思います。例えばCPUはそこそこでGPUは豪華にしたいとか、細かいところだと内蔵オーディオやWi-Fiモジュールはいらないとか自由に選べるので不要なパーツや機能を削ったりできますし、過去に使っていたメモリを再利用するということも可能です。

では、我々がドローンを自作する理由は何なのでしょうか。

理由1:完成品が存在しない

まず、出来合いの完成品ドローンがない、というのが一番の大きな理由です。シェアNo.1のDJI製品があるじゃないか?と思いますが、FPVドローンというFPVゴーグルを装着してドローンのカメラ映像をもとに飛行させるドローンは完成品がありません。

RTF(Ready To Fly)やBTF(Bind To Fly)といったように予め販売サイトやメーカーが組み立て済のFPVドローンも最近多く出てきていますが、完成品というのとは少し異なり、あくまで組み立ててあるFPVドローンが売っているのみです。FPVドローンを始めようという人(予め自作することの前提の理解がある人)にはとても良い商品タイプですが、まったく自作ドローンを知らない人にはハードルが高いです。

理由2:非常に壊れやすい

次にドローンを自作する大きな理由が、非常に壊れやすく常にメンテナンスや修理が必要になるということです。自社メーカーのパーツですべてを作っているところもないため、壊れたらメーカーにおくりかえすということもできず、自分で治す必要があります。RTFのFPVドローンも様々なメーカーのパーツを使っていることもあり、とても複雑です。

ちなみにドローンを自作する場合は以下のパーツとギアが必要です。
*フレーム
*モーター
*プロペラ
*ESC(Speed Controller)
*FC(Flight Controller)
*VTX(Video Transmitter)
*CCD Camera
*バッテリー
*コントローラー(プロポ)
*FPVゴーグル

FPVドローンは比較的スピードが出やすく、安定的に飛行するにはセンサーに頼らずマニュアル操縦でコントロールする必要がありますが、それゆえスキル不足からクラッシュが耐えません。これを書いている今日もドローンフィールド相模湖でカメラの各種実験テストを行っておりますが、モーター1個、プロペラ4セットを交換することになりました。

ある意味壊れることが前提のように”攻める”ためコストを鑑みても自分で作って自分で修理できる状態が望ましいという背景があります。

理由3:用途に応じて制作することができる

ハード的な部分からいったん離れてみると、用途に応じてドローンを作ることができるという大きなメリットがあります。

例えば、過去にフジテレビのドッキリGPという番組で「ドローンを使ったドッキリ」を数回企画監修しました。大本の依頼は「番組内でドローンに紅茶のティーバッグを乗っけてドッキリを仕掛けたいんだけど…」というところから始まりました。

製作スタッフは、予めDJI製品のドローンを使ってそこにティーバッグをぶら下げ実験していましたが、センサーがご反応をお越し、また室内でやるにしてはドローンが大きすぎて、またプロペラガードをつけても危険であるということでボツになるところまでいきました。

ドローンを自作することができればこれらの問題はいかようにも解決することができます。
まず、搭載するティーバッグの重量や搭載する位置関係と重心を考慮しドローンのフレームを作ります。ドローンのフレームには3Dプリンタを用いてティーバッグが吊るしやすいように切れ目を入れたり、ティーバッグが絡みにくいように横一直線に搭載するように設計しました。

熱湯につけたティーバッグは重くなるので、それが浮かせることができる最小限のモーターをチョイスします。モーターの大きさで最適なプロペラを洗い出します。そして安全面に配慮するために、万が一ドッキリ対象者にぶつかったとしても大丈夫なように、ドローン全体を覆うようなガードを3Dプリンタで製作します。

FCやESCなどはすでに使ったことのあるパーツを流用することができますのでそれで組みあげました。

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ティーバックを吊るすためにフレームにこういった切込みを入れて取れにくくします。

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実際にティーバッグを吊るした実験の一コマがこちら

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実際に飛行実験をしてみると、ティーバッグが濡れていない状態(軽い)からつけて飛び立つ瞬間に重力が一気に増えます。そのためフライトコントローラーが誤作動して高く上昇しすぎるなどの問題が出てきます。

こうしたことを回避するためにFCの設定をBetaflightを用いてチューニングします。この時はPID設定やフィルター設定をチューニングする時にご作動が起こりにくいようにすることができました。

この他にも過去のメルマガでも記載したように、剥きプロ(GoProのカバーをすべて分解し超軽量化する)で小型で高画質な映像を撮ったり、LEDをビカビカにして光る玉ドローンをつくるなどこれまでやってきましたが、すべて既製品のドローンでは実現できなかったことが自作ドローンではできます。

理由4:単純に楽しい、創る喜びがある

このドローンをぜひ見てほしいです!!!

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もはや芸術!
友人の小林さんが毎月作るドローンアートでして、実際に飛行します…!
自作PCユーザーも、ゲーミング用GPUや特別なファンを搭載して自分だけのオリジナルのかっこいいPC環境を作る人がいるように、自作ドローンユーザーにも自分だけのオリジナルドローンを作る人が少なくないです。

過去にイベントで「おしゃれドローンコンテスト」を開催したことがありますが、全パーツシルバーで塗装したりして近未来感を出したり(これは飛ばなかったw)、小林さんのように季節や流行にあわせたおもしろドローンを作る人もいます。

ドローンの面白いところは、ただ飛ばすだけでなく、映像を組み合わせることで、アニメのオマージュのようなこともできます。これとか最高です。

○筋斗雲に乗る悟空
http://bit.ly/2KujJc2

飛べるからこそ、これまでと違った表現ができるという面白い側面があるのです。

DJIから完成品のFPVドローンが登場か?(リーク)


先日、DJIのFPV Combo=FPVドローンの完成品が出るというリークが流れました。

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いよいよDJIから出ます。
おそらくパーツ含めてすべてDJI製品であり、これまでのFPVドローンとは一線を画した完成度合いです。コントローラー・FPVゴーグル・FPVドローンがすべてセットであり、使い方やサポート体制もある程度見込めると思います。上に上げた壊れやすさや自由度はある程度制限されますが、「映像の撮影」に特化したFPVドローンとして今後世界中で話題になっていき、ユーザーも増えていくと思います。

用途に合わせた完成品が増えれば増えるほど、それを扱えるユーザーは増えていくはずです。今後もますます楽しみな分野ですね。


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2.横田のドローンガジェットレビュー

毎月のように新しいドローンが中国を中心に世界で開発販売されています。
横田が実際に使っているものを中心にレビュー・解説していきます。

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『Kolder Creative』
https://koldercreative.com/waitlist

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