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子育てと仕事の両立に悩む前にできること

「やってしまった…」

週末、近くの日帰り温泉へ家族で向かった。が、入る前に後方に緩やかな傾斜のある駐車場で身動きがとれなくなった…。除雪された後のツルツルの路面が車の下だけ溶けて、また凍り、スケートリンクのような駐車場だった。

その瞬間、失敗を許容できない私が顔を出す。
自分たちだけでは抜け出せない。
誰も助けてくれなかったらどうしよう。


「後で押してもらえばいいって~」

夫は、のん気なものだ。


幸い、すぐに温泉の職員二人が長靴でシャベル片手に出てきた。
夫と三人で押したら、すぐに抜け出せた。


秋田の人はさ、ハマった車がいたら助けてくれるって。
そんな車がいたら自分も助けるし。


のん気な夫の言葉に、これって子育てとおんなじだなぁと思った。
私は、人の手を借りるのが苦手だ。
人に迷惑を掛けたらいけないと思い込んでいたんだ。

だけど、


「大丈夫だよ、いつでも助けるよ」
そんな気持ちでいてくれる人が周りにいることが、どれだけ心強いことか。


もし、あなたがいつか子どもが欲しくて、仕事と子育てを両立したい、けど漠然とした不安があるなら、今からでもできることがある。

「保育園から呼び出しが来たので早退させてください」
そういう人にどんな言葉をかけられるだろうか。

周りを見渡して、いつかなりたいお母さん像だけを見つけて、それ以外は「こうなりたくないなぁ」と切り捨てていないだろうか。

例えば、電車で、バスで、行儀の悪い子どもをみて、放っておくお母さんをみて、ジャッジする。

例えば、ショッピングモールで走り回っている子どもをみて、注意しないお母さんをみて、ジャッジする。

例えば、ファミレスでお喋りするお母さんたちの横でスマホをじっと見せられている子どもをみて、ジャッジする。


あなたのジャッジは、いつか自分に返ってくる。
誰にも責められていないのに、母になってから自分で自分を責めるようになる。


もしかしたら、乗り継ぎの前に注意して、次の機会を伺っているのかもしれない。

もしかしたら、もっと小さい子どもに手がかかっていて、それどころじゃないのかもしれない。

もしかしたら、5年ぶりにやっと会えて、話に花を咲かせていたのかもしれない。


そう考えて微笑んでくれる第三者になれるだろうか。



秋田での子育ての最大のメリットはそこだと思う。
そうやって微笑んでくれる『知らない人』がいる。

「あぃ~めんけな!」
と話しかけてくれる人がいる。

危なくないように見守ってくれている第三者がいる。

それは、雪国の助け合いなのかもしれない。


「誰も助けてくれなかったらどうしよう」
の裏には、今までの自分のジャッジが踏み固められた雪のように積み重なっていた。


「大丈夫だよ、いつでも助けるよ」

そういう気持ちでいられたら、きっと自分にも優しくなれる。
そういう親の姿をみて、秋田の子どもたちは大きくなっていくんだろう。



「社会は助けてくれる」
そう思えるお母さんでいられることが、どれだけ幸せなことか。

そんな社会って素晴らしいな、と。

あなたのジャッジは未来を変える。
そんな力があるんだよ。

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