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Q. 毎月100名以上の人に会って人脈づくりをしています。注意点はありますか?

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Q. 毎月100名以上の人に会って人脈づくりをしています。注意点はありますか?

士業の仕事は紹介が多いと聞きました。そこで、毎月100名以上の人に会うことをこころがけています。100名に会うことはなかなか大変ですが、人脈作りで気をつけることはありますでしょうか? ぜひご指導ください。

たくさん会っても、ひとりひとりを大事にしよう
おっしゃるとおり、人に会うことは極めて重要な営業です。インターネットだけの集客も可能ですが(注:地域差あり)、やはり直接人に会うという営業方法は極めて重要です。

もともと士業の仕事は信頼で成り立っている仕事なので、近い人に頼む傾向が強いといえます。そのため、新しく人に会うということは、地道な作業に見えますが、長期的に続けるとそれだけでも食べていけるようになるくらい強力なものなのです。

人に会う、いわゆる「アナログな営業」のメリットは3つあります。ひとつ目は、仕事が入ってくるルートの確保です。仕事の発生源は大きくわけてネット営業や広告などのツールによるものからと人からの紹介があります。前者と後者で決定的に違うのは、ネット営業や広告などは媒体やシステムの影響を受けるものです。そのため、検索エンジンの仕組みが変わったり、あるいは広告なら発行部数の変更があったりすると直接影響を受けてしまいます。そこで、普段からアナログ営業をしておくことで、仕事獲得のための違ったルートを確保できることになるのです。

ふたつ目は人に会うことでコミュニケーション能力が磨かれるというものです。結局のところ、ネット営業をしたとしても商談は外せないものなので、コミュニケーション能力は伸ばしていく必要があります。普段から大勢の人と会うことによって、コミュニケーション能力は確実に磨かれます。結果として、商談の成約率は高まることになるのです。

最後のメリットは普段のモチベーション維持向上の助けになることです。ずっと自宅や事務所にひとりでこもりきりでは、なかなかモチベーションは維持できないものです。ですから、創業期で特にお金がない場合には、積極的に人に会いに出かけることをお勧めします。

どこで、誰に会えばよいか
では、どうしたら仕事につながる人脈をつくれるのでしょうか。まず最低限必要な準備としては名刺です。相手に覚えてもらえるような名刺を作成し、話が広がるよう、そしてあなたのことをもっと好きになってもらえるように準備してください。たかが名刺ですが、1000枚2000枚と配っていくものですから、せっかくであるならば効果がある名刺にしたいものです。

次に考えなければならないのは、「誰に」「どこで」会うかという問題です。「誰に」というのはいうまでもなく、仕事の発生源である「経営者」や「起業家」、そして「他士業」です。特に紹介率ということに関していえば、他士業からの紹介はもっとも多いところですので、ぜひ積極的に人脈をつくりましょう。

そして「どこで」という問題ですが、絶好の人脈作りの場は「経営者向けのセミナー・研修会」です。異業種交流会などでも人脈はつくれますが、基本的に異業種交流会はもちろん素晴らしい会もありますが、「仕事がほしい人」の集まりになってしまう傾向が強いので、交流会選択に時間がかかることが多く、また参加しないとどういった人たちが集まっているのか不明な場合が多く、結果として効率が悪いものです。

これに対してセミナーや研修会は、同じ目的の下に集まっている同じ受講生なので、交流も比較的しやすいといえます。私自身も開業当初からの3年は、30名前後のセミナーや研修会に多数参加し、人脈をつくっていきました。結果として、ネットだけに頼ることなく、今でも紹介で仕事が入り続けています。

待っているだけでは仕事はやってこない
ところで、この人脈づくりの話題になると出る相談が2つあります。ひとつは、毎月100人以上の人に会っているのに、仕事がこないというものです。名刺だけは集まるが、電話はいっさい鳴らないというパターンです。

なぜ仕事がこないかというと、これはあなたから仕事を出していないからです。ただ待っているだけでは仕事は来ません。「あなたから仕事を出すようになって初めてあなたにも紹介がくる」のです。あなたも仕事をいただいた人には、何かお返ししたくなるでしょう。それと同じことになります。

もうひとつの相談が、「セミナーや研修会が地域的にあまり催されないので、交流できる場がない」というものです。あまりにも人口や法人数が少ない地域ではビジネスそのものが難しいといえますので、そういった場合は除外しますが、なければ作ればよいのです。

東京などはセミナーや研修会は非常に多い地域です。しかし、それでも私自身が営業のエリアとしていた東京都調布市という地域では決してセミナーや研修会が多いとはいえませんでした。そこで、「ないならつくってしまおう」ということで、以前から知り合いだった税理士と共同してセミナー事業を立ち上げました。最終的に事情があって1年程度でこの会は終了しましたが、それでも年間で100名以上の人と会うことができました。

私は東京での開催でしたが、成功例は各地にあります。弊社のクライアント士業には10万人、20万人という小さな都市でもこういった会を主催し、年間100名を超える人に会っている人もいます。ですから、まずは自分で動いてみることが大切です。

なにもなくて困ると、ただ不平不満をいうことは誰でもできます。しかし、独立起業を決めた以上、あなたはもう起業家なのです。起業家の仕事は問題解決です。人がいないなら集まる場所をつくる。お金がないならお金をなんとかしてつくる。ただ指をくわえて現状を眺めているだけでは何も変われません。

成功例は、札幌でも近畿圏でも北陸圏でも九州圏でもあります。あとはあなたが真剣に取り組むかどうかなのです。ひいてはそういう積極的な姿勢がほかの営業にも好影響を生むことを最後に付け加えておきましょう。

【POINT】会うべきは経営者、起業家、士業。営業チャネルを増やす意味でも、コミュニケーション能力を磨く意味でも、アナログ営業は取り組んでみよう。会い続けることで必ず紹介は増えていく。そして、コミュニティがなければつくってしまおう。指をくわえて待っているのは起業家の仕事ではない。

※掲載されている内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、書籍販売当時のまま掲載しています。

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