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桜の息吹きに触れて🌸

桜満開の今日、舞鶴の与保呂川沿いの桜並木の下を歩き、春を感じてきました。こうして、今年も美しい桜を見られることのありがたさを感じました。
桜を見るといつも桜の命、生命力を感じます。
桜並木の下を通るとその息吹を浴びて元気をいただける気がします。

何年か前に、不登校の生徒さんと勉強をしていた時に、中3の教科書に、大岡信さんの「言葉の力」という文があり、一緒に読みました。その中で、染色家の志村ふみさんに教えていただいた桜の花の色の話を書いておられました。桜で染色された素晴らしいピンクの布は、花びらからではなく、樹皮から染められるのですが、この美しいピンクの色は、花が咲く直前に基の樹が、美しい花の色を出す準備をするそうです。1年でその時期だけ、樹皮が樹液が、ピンクの美しい色を出すそうです。桜の花は花の先端が色をつけているのではなく、樹全体が美しい色を出そうと懸命になって出しているのだということでした。しかし、私達には花の先端のピンク色しか見えないのだと。大岡さんは志村さんからその桜の話を聞いて、言葉も同じだと思われました。美しい言葉がみんな同じではなく、口先だけの語彙ではなく、その人が発して、初めて美しい言葉になる。言葉は、その人を背負って、その人全体から出て、ささやかな言葉一つひとつに、人間全体が反映するのだと、そして美しい言葉になるのだと書いておられました。1語1語の花びらのように、自分の願いや思いを言葉で表す我々と同じではないかと。1語1語のささやかな言葉の大きな意味が実感されると。そして、美しい言葉、正しい言葉が身近なものになると言われていました。
その文が、心に残りました。

私は、桜を見ながらそのことを思い出しました。
カウンセリングの仕事をして、言葉というものの重み、難しさ、そして素晴らしさも感じます。
相手の心からの1語、1語を大切に聴いていきたい。そして、柔らかい言葉で受け止めていきたいと思います。
又、桜のように、一生懸命生きていきたいと感じました。

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