見出し画像

町の一角に息づく温かい美容室

今日、久しぶりに美容院に行きました。
ここは40年来の行きつけの、同級生の美容師さんのお店です。
私は、ここに来ると、お客さんや美容師さんを、ついウオッチングしてしまいます。

実に、お客さんとの会話が素敵なのです。
お客さんのペースに合わせて、いっぱい話したいお客さんはずっと話され、美容師さんは「うん うん」と相づちを返されます。
話さない人には、適度に、その人に合った声掛けをされます。
若者には、今どきの音楽の話など、楽しい話をされています。

今日は、途中、一人暮らしの初老の方が来られました。
「ひまだから早く来ました」「勝手に来たんだから、ほっといてもらていいですよ」と言われたが、さっそくシャンプーしてもらわれ、「悪いねえ・・」と言いながら、次々といっぱいお話をされ始めました。
「一人でいるから、ここに来るといっぱい話したくなるんです・・・」と。
そういいながら、髪も素敵になっていくのです。

私は、そこにいて、居心地の良さを感じます。
ここは、髪を整えるだけではない、お客様の心もホッとできる場だと。
どんな人も来られます。そこに合わせて行かれる会話に、その人がここなら認めてもらえる、自分の思いを聴いてもらえる場になっているのだと。
特に高齢のお客さんは、話を聴いてもらえるうれしい場になっているのだなあと感じました。私も、今まで、義母の介護の心配ごとなどを聴いてもらったりしてきました。

長年のプロの技だと思いますが、若い美容師さんも、上手にお話を受けられて、その空間が、優しい温かい空間になるのです。

美容師さんも人間で、体調を崩されたり、入院されることもありました。
その時には、お客さん同士が、心配されているのです。

この町の地域上、美容師さんにすれば当然だと言われるかもしれませんが、私は、カウンセリング機能が生きているなあと感心します。

私も、困った時は行ってこようと思ってくださる、町の相談室の存在になっていきたいなあと思います。お話を聴くことの相談室で、髪がきれいになるわけでも、肩コリがほぐれるわけでもありません。でも、行って良かったと思ってもらえる信頼される町のカウンセラーになっていきたいです。

今日は、「私は4月から相談室を始めたんです」と言うと、同級生のその美容師さんは、「80歳までお互いに頑張ろう」と言ってくださいました。
髪も軽くなり、自分を支えてくださる応援を受けて帰ることができました。
改めて、この美容室の大切さ・豊かさを感じました。ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?