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クビの配達引き受けます あとがき&設定集

■あとがき

まずは第二回逆噴射小説大賞お疲れさまでした。
拙作「クビの配達引き受けます」は最終選考落選となってしまいましたが、コメンタリーと拙作を照らし合わせてみれば確かに問題点が多かったなあ。

書店に置くことを前提に考えるなら、確かにこのタイトルは禍々しすぎるからなあ・・・。
要精進。

まあ2019年の10~12月は酷い事が重なりすぎて、そんな状況でもどうにか筆を止めずにいられたのは逆噴射小説大賞のお陰なので、それだけでも既にめっけもんですね。


以下、使わなかったりボツにしたりした設定のたぐいを並べていきます。


■設定集

■雷雲天蓋都市タストラ

作中の舞台となる町の名称。イメージモチーフは忍殺のネオサイタマ、銃夢のザレム、バイオショックインフィニットのコロンビアなどから。
下から順に超高層ビル群が立ち並ぶ下層、雷雲が障壁となる中層、雲上人と呼ばれる支配者層が暮らす上層となっている。

もともとの名前はゼタ・ストラクチャ・シティ。酒場のマスターが言っていた先の戦争の折、完成することなく終戦を迎えてしまった地上軍の決戦兵器、コードネーム「ゼタ・ストラクチャ」

その建造拠点を宇宙軍が接収、エネルギー調達兼地上人の抑圧拠点として改造したのがこの町である。

なお作中のこの世界では地球も宇宙もかつての戦争で疲弊しきっており、特に地上は人の住める場所が非常に限られてしまっている。

地下で建造されていたゼタ・ストラクチャは現在大部分のパーツが解体されており、唯一動力炉だけがタストラ全域のエネルギーを賄っている・・・という事に、表向きはなっている。


■雷雲
タストラの全域を覆っている黒い雲。時期によって多少濃淡の差は生ずるが、基本的に晴れる事はない。

その正体はゼタ・ストラクチャから特定のビルを通して散布されたナノマシン群。
タストラ全域へ電力を行き渡らせるエネルギーラインであり、情報通信を仲介するネットワーク網であり、下層と上層の交流を制限する防壁でもある。

その性質上内部中枢は超高電圧となっている上、深く入り込んだ者があれば立ちどころに電圧を集中させて焼き殺す機能が備わっている。

その機能を逆に利用し、肉、野菜、タレなどを詰め込んだコンテナを放り投げて一瞬で焼き上げる「カミナリ焼き」のデリバリーを得意とするアーマード・パルクールも少なからずいる。というか初期案ではザジがそれをやる予定だった。


■アーマード・パルクール

かつての戦争の折に活躍した強化戦闘服、アンリミテッド・アーマー。単にアーマーとも呼ばれる。その汎用性は非常に高く、陸海空宇宙全ての戦域で両軍が投入した。そのため現在では相当数の中古品、ジャンク品、海賊品が出回っており、それらを用いて商売を行う者達も数多くいる。
そのうちの業種の一つが荷物などの配送を行うアーマード・パルクールである。


■ザジ
本編主人公。そこそこ名の知れたアーマード・パルクール。同業者達と比較しても所持するアンリミテッド・アーマーの性能は図抜けており、配送能力、戦闘能力、ともに非常に高い水準で纏まっている。

特に戦闘能力は凄まじく、荷物と配送地点以外の場所で瓦礫山が生じる事がしょっちゅうある。

名前は偽名。本名は未設定。配送組合への登録フルネームはザジ・ズゼゾ。

バカの一等賞のような名前の通り当初はバカの一等賞めいた性格で書き直す予定だったのだが、酒場のマスターへの配達が終わる前に2000字近くに膨れ上がったため予定を変更して投稿文からそのまま繋げる事にした。

第二話以降が三人称になっているのはそのためですスンマセン。

■サンジュ
ザジの相棒。アンリミテッド・アーマーとしては破格の演算能力とジェネレーター出力を備えた超高性能機。対外的にはタストラの地下遺棄区画で発掘された試作機、という事になっている。

その正体はゼタ・ストラクチャのコントロールユニット候補の一つ。№-30の名前通り、少なくとも三十機は同型が建造されている。サンジュは作中時点で唯一十全の機能を発揮、活動している機体である。

タストラの地下最奥では現在でもゼタ・ストラクチャの建造が緩やかではあるが全自動で続けられており、宇宙軍へ反撃する機会を着々と伺っている。またゼタ・ストラクチャ本体と無線接続しているため、雷雲から電力を引き出し出力を増強する事が可能。(対外的にはクラッキングという事にしている)

本来超巨大兵器ゼタ・ストラクチャを運用するはずだったサンジュのAIは常に演算能力を持て余しているため、カムフラージュも兼ねてバカの仮想人格を演じるようにしている。

作中で一番割を食ったキャラ。「バカの装着者と優秀なAIが漫才しながらなんかする」が最初のコンセプトだったのに仕様変更したせいで相棒のバカ成分を引き受ける事になってしまった。
上記のカムフラージュうんぬんをウッカリ思いついてしまったためまあいけるだろとGOサインを出してしまったのだ。


■モリス・ラティナ
雲上人と俗称される上層の少年。モリスはランダムネームジェネレータから出てきたものを、ラティナは貴金属の一つプラチナをゆがめたものをそれぞれ採用した。

多分きっと苦労性。ラティナの証なる遺伝疾患が発病したため、望んでもいない当主に仕立て上げられてしまった。

なお何故そんな風習があるのかは作者自身考えてません。いやあその辺のボロが出る前に話を畳めて本当に良かった。よくない。


■デミヒューマン
いわゆる合成人間。普通の人間とは違い、体液は白い。調整に応じて単純労働から戦闘行為までこなす人造生命体。

言ってしまえばクローンヤクザ。体液の設定に関しては攻殻機動隊をオマージュしています。

■ヘカトンケイルmk-Ⅵ
ラティナ家が開発している自立兵器最新バージョンの試作型。いわゆるボスキャラ。「せっかくだしでかいヤツを出そう、ロックマンでもよくやってるし」と軽率に出したら動かすのに四苦八苦したキャラ。

最終的にはビルごとブッた斬ってやろうと思ったのだが、ゼタ・ストラクチャのコアであるサンジュが体を傷つけるわけにはいかんだろ、という事に気付いてあんなトドメになった。


次回参加する事があるとすれば、こんな山盛りの設定を作らない事をまず肝に銘じたいですね。

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