【古物検証 vol.1】神戸新聞 号外(大正12年/1923)
神田の古本屋で入手した古新聞。
今から100年前の大正12年(1923年)9月1日に発生した「関東大震災」の惨状を伝える神戸新聞の号外です。
その見出しから、当時の混乱した様子が伝わります。
「山つなみ、海つなみ、相次ぎ惨害測るべからず」
「大東京は終に全滅せん」
「東京全市火の海と化す」
死者・行方不明 10万5千余人を出したのですから相当の惨状だったことでしょう。
この号外、表面はびっしりと文字で埋め尽くされてますが、裏面をみると神戸新聞も災害援助の為の船を準備しているという内容と、ある一文で大きく締めくくられていました。
「我が神戸新聞社は、この振古未曾有の大災害に際し茲に本号外を以って読者に見ゆると同時に、更に今後全力を傾注して惨害報道の迅速を期するものである」
裏にも情報を伝えるスペースがあるのに、敢えてこの一文を大きく掲載するところに、「伝える」ことへの使命と信念を感じたのでした。
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