番外編:愛しのアイリッシュ・ブレックファースト
2009年3月11日~21日 アイルランド紀行 番外編
アイリッシュ・ブレックファースト、
それはアイルランドの楽しみの一つだ。
ベーコン、ソーセージ、プディング、卵料理、焼きトマト、炒めたマッシュルーム……それから薄い食パンを焼いたもの複数枚に好きなジャムを付けて食べる。そして忘れてはならないのは、ポットにたっぷり入った紅茶。ときには気分を変えてコーヒーを。そのほか、バイキング形式で置いてあるシリアルやジュースの中で好みのものを添える。これをしっかり食べると、おやつどきくらいまでまったくお腹が減らない。
なかでも一番のお気に入りはソーセージだ。
薄い皮にペースト状の肉を詰めたもので、日本で食べるのよりもやわらかい。あのカリカリに焼けたのを食べるとたまらない。
幼少時にイギリスに住んでいたときに、学校給食でこのソーセージがしょっちゅう出てきていたので、私にとっては食べつけた懐かしい味でもある。許せされるものなら、何本でも皿に盛って食べたいものだ。
ベーコンはちょっと厚め。すっごくおいしいものから、しょっぱいものまでいろいろなので、最初は少なめに盛って、気に入ったらおかわりをすることにしている。
卵料理は基本は目玉焼きらしい。しかし調理方法を聞かれるときはスクランブルエッグにしている。
プディングはソーセージの一種で、ブラックプティングとホワイトプディングとある。ブラックプティングは豚の血が入っているため黒く、血の味がするようで苦手なのだが、貧血気味の私の身体にはよかろうと、なるべく食べるよう夫に勧められる。
野菜系は焼きトマトしかない。(しいていえばマッシュルームもか。)
しかしビタミンを取るには少なすぎる。フルーツが置いてあるホテルでは、せっせとそれを食べてビタミンを補ったりするが、ホウレンソウなどの緑色野菜が無償に食べたくなるときがある。
ところでイギリス訪問時の楽しみもイングリッシュ・ブレックファーストだったが、はて、アイリッシュ・ブレックファーストとの違いはなんだろう??
メニューは同じように思われるのだが……単に地域によって、呼び名が違うだけなのだろうか。発祥はイギリスで、アイルランドにその食事スタイルが流れ込んだのだろうか??なんとなくイングリッシュはビーンズ(豆を煮た料理)がより多く付いてる感じがするが……。
もし決定的違いがあるならば知りたいものだ。
ひとくちにアイリッシュ・ブレックファーストといっても、ホテルやB&Bによって、味付けや盛り付けが違う。それぞれを比べたくて、旅行期間中はずっとこの朝食スタイルを食べ続けた。
さすがに後半は胃にもたれて食傷気味になり、たまに別の軽めのものを食べようと思ったが、いやいや旅行記に書くのだと、結局毎日食べ続けた。我ながら粘着質である。
さて、そのこだわりのアイリッシュ・ブレックファーストの総特集は下記の通り。
ダブリン、アーリントンホテル
Dublin, The Arlington O'Connell Bridge
コーヒーや紅茶、パン以外に、さらにCookしたもの(ベーコン、ソーセージ、卵料理)を追加する場合は、さらに別途料金を支払う必要があった。
アイルランド到着後、初のアイリッシュ・ブレックファースト!!久々のソーセージの 味に涙がちょちょぎれる。うまし!
このレストランで、毎夜アイリッシュ・ダンスショーが行われる。
ドロヘダ、 ディー ホテル
Drogheda, The D Hotel
お米入りの2種類のプディングはほどよくスパイシーで、プディングが苦手な私もとても食べやすかった。焼きトマトの下の黒い物体は巨大なしいたけ。マッシュルームの代わりだ。
目玉焼き2つに分厚いベーコンとボリューミーな朝食を、川を眺めながらゆっくりと食べる。至福のひとときだ。
ドネゴール、 セントラル ホテル
Donegal, The Central Hotel
狂騒の一夜のあと、寝不足状態で食べたので、あまり印象がないのだが……、
定番のアイリッシュ・ブレックファーストといった感じだ。
コング、ライドンズ ロッジ
Cong, Lydon's Lodge
夕食が素晴らしくおいしかったお宿の朝食にしてはやや平板に感じたが、ベーコンがとってもおいしかった。塩気や肉のうまみが抜群。
「ベーコン、うま~い。」と驚嘆の声をあげた。
食堂は生け花がいっぱいで、素敵だった。
ゴールウェイ、 ウェストウッド ハウス ホテル
Galway, Westwood House Hotel
四つ星ホテルだけあって、豪華で盛り付けの美しいアイリッシュ・ブレックファースト。トマトの赤、卵の黄色、そして緑のかいわれをそえることで、一段と視角の食欲をそそる。
しかしこのころから、この朝食スタイルを食べ続けるのが、ちょっとしんどくなってきた。何しろベーコンやソーセージなどの肉類てんこ盛りなので、お腹にもたれるのだ。
キラーニー、フェアビュー・ハウス
Killarney, Fairview House
2泊したので、朝食を2回食べる機会があったが、どちらもアイリッシュ・ブレックファーストを注文。塔のように象られたスクランブルエッグを中心にソーセージやベーコンをおしゃれに配置。彩りもベリービューティフル♪
夫は2日目はひらめの料理を注文。朝から手のこんだムニエルのようなものが出てきた。
ダブリン、 ザ クラレンス
Dublin, The Clarence
五つ星ホテル、ザ クラレンスのアイリッシュ・ブレックファースト。
上記二つのホテルに比べると、盛り付けはあまり工夫されてはいない。
既に胃が動かなくなっていたので、味も覚えておらず、お腹に詰め込んだ記憶しかない。結構高かったので、もったいない……。
しかし食堂は素晴らしくおしゃれで、その雰囲気を味わえただけでもよかった。
ダブリン、 ザ クラレンス
Dublin, The Clarence
夫の注文した、レディースセット。
妻が根性でアイリッシュ・ブレックファーストを平らげている横で、彼は優雅にこれを食していた。しかし、その選択は正しかったと思う。
自分が食べていないので、皿に盛られたものがなんだかよくわからないのだが、真ん中はパンケーキであることは間違いない。お盆左上のヨーグルトを少しもらったが、素晴らしくおいしかった。
日本に帰ってある朝、むしょうにアイリッシュ・ブレックファーストを食べたくなった。特にあのカリカリのソーセージ。
東京でアイリッシュ・ブレックファースト(またはイングリッシュ・ブレックファースト)を提供してくれる店をネッで検索したがまったくひっかかってこない。私のように忽然と食べたくなる人はいないのだろうか。
やむ無く、マクドナルドのソーセージ・マフィンが、大好きなソーセージに近い味を感じるので、ときどきアイルランド気分を味わいに朝マックを食べにいくようにしている。
※この旅行記は以前に閉じたブログの記事に加筆して、2023年春にnoteに書き写してます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?