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四角い絵

こんにちは! 陽子絵画制作室です。

皆様いかがお過ごしでしたか?

現在台所でアゲハの幼虫を育てています。

昨日、一頭のアゲハが羽化して感動の屋外デビューを果たしました。

まだもう一匹終齢幼虫がいるのですが、昨夜育てているケースを一旦掃除して、久しぶりに新しい葉っぱをたっぷりあげました。

昨夜から早速新鮮な葉っぱを食べていましたが、今朝も食べて、フンもポロポロ落ちているし、一回り大きくなった気がします。

食欲旺盛で元気そうにしているのでよかったです。

昼から高校の部活動を見に行きました。

美術部員たちが制作している油絵はだいぶ彩色が進んでいました。

一年生達は初めての油絵を試行錯誤しながら描いていて、描き込むほどよい絵になってきています。

夏休も終わりに近くなり、始業式の日には課題考査もあるそうです。

帰宅後、これから10月の日本画グループ展に出品する予定の絵について、何を描くか思案しました。

正方形の画面に、ほぼ単色で描くという共通の条件があり、何を描くか迷いました。

最近スケッチした野菜を描こうかなとも思いましたが、日本画でじっくり単色で描いて絵になるもの、インドの遺跡、家など、石や土の色味がほぼ単色な風景を描くことにしました。

23年前にインドに留学していたときにスケッチした、ウエストベンガル州のサンティニケタンのサンタル族の村の様子です。

土壁には牛のフンとワラを混ぜて作った燃料が貼りつけられ乾かされています。

12年前に訪ねたインドのマディヤ・プラデーシュ州のサーンチーにあるストゥーパ(仏舎利塔)の東門に彫刻されている「ヤクシニー」です。自然の樹木などの精霊の女神様です。

6年前に訪れた、インドのグジャラート州、アーメダバード近郊にある「アダラージ階段井戸」です。

とても有名な井戸で、彫刻が美しいです。建設に関しては、少し悲しい伝説が残っています。

15世紀末、この地はヒンドゥー教国のヴカラ朝の支配下にありました。ヴカラ朝は国土が小さく水資源を雨に大きく依存しており、当時の王ヴァイ・シンは水不足の解消のために井戸の建設を開始していました。しかしこの頃、グジャラートのイスラム系勢力のスルタン、モハメド・ベグム(ムハンマド・シャー1世)によりヴカラ朝は制圧され、ヴァイ・シン王も殺されてしまいます。

このヴァイ・シン王の妻:ルダ王妃は大変美しいことで知られていましたが、夫の死を深く悲しみ、サティ(ヒンドゥー教で伝統的に行われた、未亡人が夫の後を追って自死する風習)を行うことを望みました。占領者であるモハメド・ベグムはそれを阻止し、王妃に結婚を申し入れます。ルダ王妃は、亡き夫の建設していた階段井戸を完成させるという条件で結婚を承諾します。

王妃の美しさに夢中になっていたモハメド・ベグムは、あちこちから集めた大工たちに階段井戸の完成を急がせます。そのために、アダラジ・ヴァヴは途中までヒンドゥー教・ジャイナ教様式で建築され、その後イスラム様式の意匠が追加されるという、他に類を見ないスタイルで建築された貴重な階段井戸となったのでした。
 
アダラジ・ヴァヴが完成すると、モハメド・ベグムは改めてルダ王妃に結婚を申し入れました。井戸の完成という目的を達成したルダ王妃は、聖者たちが清めた井戸の水で沐浴し、その後この井戸に飛び込んで自ら命を絶ったのでした。

アダラジ・ヴァヴは別名「ルダの階段井戸」とも呼ばれ、井戸の最深部にはその建設の概要と共に、ルダ王妃の美しさがサンスクリット語で碑文につづられています。
 
引用:「西遊旅行」インドの階段井戸③「最も美しい階段井戸」アダラジ・ヴァヴより 

スケッチしていると、学校の旅行で来た生徒さんたちに囲まれて一緒に記念写真を撮ってもらったりしました。

こうしてみると、行けるときにどんどんインドに行ってスケッチしておいてよかったなとつくづく思います。

奥深いインドの歴史と文化に心惹かれます。

これらのインドの風景は、そのままほとんど単色のグラデーションで描こうと思います。

読んでいただきありがとうございました。

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