見出し画像

オリンピック開会式だったはずの日に渋谷パルコで『WAVES』を観る

本来なら、オリンピックの開会式だったんだな〜。

昨日はそんなことをぼんやり考えながら、楽しみにしていた『WAVES』を観に渋谷パルコへ。昨年の11月にオープンした時に足を踏み入れた以来、二度目まして。その8階にあるホワイトシネクイントへ向かった。

画像4

この映画はプレイリストムービーと言われているくらい、劇中でかかる楽曲に興奮できると言われている。「もしかしたら、壮大なるミュージックビデオみたいなものかも知れないけれど、ならば、音響が良い劇場を選ぼう!」と言うことで、選んだ劇場だったが、大正解だった。

ポスターを見ると恋愛映画のように感じてしまうかもしれないが、明らかに『WAVES』は家族の物語で、内省、愛、再生の物語だ。

トレイラーも見ず、前情報をほとんど入れなかった私は目的地がわからないまま乗り物に乗せられたような不確実な時間を。音楽と映像を楽しむことに徹する以上の時間を私は存分に楽しんだ。

気鋭の映画会社A24の制作。私もnoteで何本も紹介しているが、このスタジオの作品と、私は本当に相性が良い。今作は、映画『ムーンライト』、ドラマ『ユーフォリア』あたりにハマれた人にはオススメしたい。

映画が終わって、エスカレーターでワンフロア上がると、大きな窓から渋谷の街を見渡すことができる。

天気が悪かったこともあるのだろうが、老朽化が進んだビル群の屋上はなんだかとても物悲しい。下から見上げる街と上から見下ろす街。東京は、とりわけ渋谷はそのギャップが大きい気がする。オリンピックで、この街に世界各国から人が集まっていたという並行世界を、もう私には上手く想像することができない。

画像1

地下の甘味処で抹茶ソフトクリームを食べた。地下1階には飲食店が集っている。外出自粛要請や時間帯などの影響で、人気が少ない。いわゆるインスタ映えするであろう店舗群が連なっているので、人の気配がないだけで、裏寂しさが増幅している。

画像2

「食」と「ゲーム」に力を入れたパルコのフロア構成に、オープン時、「日本の活路はこの2カテゴリーなのかな」とぼんやり考えていたことを思い出す。

世界から見た東京。そのエンターテインメントの核は「ゲーム」と「食」なのだな……と。

そういえば、前回のオリンピックの閉幕式、ブラジルの地で安倍首相はスーパーマリオに扮していたっけ。スーパーマリオが世界的コンテンツなのは理解できるが、ファミコン時代の35年前に生まれたキャラクターだよな、とも。

観光客にあたりをつけすぎていた商業施設は、この時期、かなり辛いだろうな、と思う。来週には、駅まわり、パルコに続き、宮下公園跡地に渋谷再開発の最後の象徴になるのであろうMIYASHITA PARKができるけれど、どうなのだろうか?

31曲の楽曲が使用されている『WAVES』の中で、テーム・インパラの『Be Adove It』はアレンジ違いで2度使われる。

コロナがなければ、テーム・インパラは、今年のフジロックのヘッドライナーであった(泣)。

4連休なのに、なぜか心は沈むばかり。

===============




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?