エンタメは時代の鏡。グラミー賞にみる2020年代
昨日ざっくり予想の記事を書いたが、今年は予想が簡単だった。予想通り、ビリー・アイリッシュの年となった。
ビリー、ビリー、ビリー!
客席で棒付きキャンディーなめてる姿も。「アリアナがとるべきだ! 愛してる」というスピーチも。
曲を作っているお兄ちゃんが「グラミー賞をとるなんて考えてないから、スピーチを考えてない」というところも。四冠達成の瞬間の「まじかよ」みたいな表情も。四冠目のスピーチで「ありがとう」「バーイ」と、もはや言うことなんてないとばかりに照れ臭そうに苦笑いで一瞬で去っていったところも。この快挙を予測するかのように、パフォーマンスで対象シングル曲『bad guy』ではなく『when the party’s over(パーティが終わったら)』を選んでいたところも(彼女のアーティスト人生のパーティはこれからなのだけれども)。
のちに思い出すなら、とにかく「18歳のビリー・アイリッシュの年」だったと思い出すことになるだろう。
ヤングジェネレーションの年
WOWOW放送内ではなかったが、こっそり感動していたのはレゲエ部門でジャマイカの歌姫、20歳のコーフィーが栄冠に輝いたこと。
いやぁ、ヤングジェネレーションの女性アーティストがやってくれた!
今年の授賞式はそんな印象を受けた。性別や年代で区切って考えるのもナンセンスかもしれないが、環境活動家のグレタさん然りで2019-2020年はそういうクラウドフィーリングがあるような気がする。
以下、私の備忘録。
ダイバーシティ
一夜限りのコラボレーションとなったリル・ナズ・X、ビリー・レイ・サイラス、BTS(防弾少年団)、メイソン・ラムジー、ロデオ、ナズ。
”カントリー”と”ラップ”を融合させた『Old Town Road』により、TikTokでカウボーイの恰好をするミームが発生。その楽曲にBTSが参加。アジア勢初‼︎ ジャンルも国境も世代も超えたボーダーレス時代の到来を告げる楽しいパフォーマンスだった。
カテゴライズに意味はあるのか?
そして、タイラー・ザ・クリエーター。パフォーマンスは私の大好物のキレッキレのタイラー。その後のママと一緒の登壇スピーチも良かったが、
受賞式後のインタビューも良かった。
音楽もだんだんジャンルがシームレスになってきている。タイラーが指摘するように、カテゴライズすることがマーケットにハマらなくなる時代が早々に到来しそうな予感。
行政とエンタメ
そして、8部門ノミネートで3部門受賞のlizzo。ビリーがいなければ間違いなくコノ人の年になっていたと思う。オープニングアクトという大役も、「あぁ、愛されてるなぁ」と見ているコチラまで嬉しくなるパフォーマンスだった。そして、パフォーマンス中のフルート演奏。
このジャーナリスト池城さんのツィートを後から読み、とても感慨深くなった。「こういうことなのだよ!」とちょっと熱くなる。
エンタメと性差別
昨年のアリアナの出演キャンセルに続き、今年はテイラーがキャンセル。理由は業界の性差別に抗議の姿勢を示しため、という見方が有力。
おまけ
プリンスを追悼するアッシャーのステージにダンスで華を添えたツィッグス。ダンスはいつも素晴らしいが、次回は歌って欲しい!
レッドカーペットのヘアメイクも好みだった。
H.E.R.のレッドカーペットでの着物ドレス、可愛い。H.E.R.のプリンス愛に満ちたパフォーマンスも印象に残っている。プリンスのフォロワーたちがたくさん活躍しているなぁ。
最後に
そして、2年連続司会を務めたアリシア・キーズ。司会に、歌にと、とにもかくにも八面六臂の活躍。
当日朝の悲劇、NBAプレイヤーのコービーの追悼(ボーイズⅡメンとのアカペラ)も、アリシアだからやりこなせたはず。殊勲賞は間違いなくアリシア! たしか、私は去年もそう言っていた笑。もう、ここしばらくは司会はアリシアで良いような気がしている。
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