無自覚への抗い
昔ならクレームにならなかった。けれど、今は難しいね
ということをよく聞くようになった。
それは、ひとえに「世間が窮屈になっているのではなく、やっと社会が問題点を自覚し、いけないことはいけないと声を上げられるような雰囲気になってきたから」なのだと思う。
「今まで正しいと思ってきたことが、実は違っていたのかもしれない」と自分の考え方をチューニングする必要は絶対にあると思うし、自分の間違いを指摘されたならばしっかり耳を傾けてアンラーニングのキッカケにすべきだと思うし、さらに言うなら、「前は、こう言っていたじゃない!」と誰かのチューニングに横槍を入れない配慮を持ちたいと強く思うようになった。
SNSで予告を見た時から胸騒ぎしかないテレビ番組を録画チェックした。
YouTubeで、メイク動画を上げている方、スキンケア動画を上げている方、2人の投稿、どちらがナシか? ということを20名くらいの多数決で決めていく、というコーナー。
(まず、「誰かが楽しんでやっていて、それを楽しんで見ている人がいて、誰に対しても迷惑をかけていないコンテンツなんだから、第三者が是非をジャッジすべきではない」というツッコミが最初にあるのですが)
上記の投稿者2名が男性の芸人であるということがポイントである。このYouTube投稿が女性だったら成立しない。男性だから美容行為が“笑われ”の対象となっている。もっと言うなら、(アイドルや俳優とは異なり)芸人は”笑われ”の対象としてもよいという不文律に企画が寄りかかりすぎている。※回答者の方の回答(選択理由)は、決して、どちらかを否定したいわけではないという思慮深いものが目立った。これにはかなりホッとした。けれど、この他のコーナーにも疑問だらけ。毎週、こんな調子なのだろうか?
今まで通用していたことが通用しなくなっている。そこに「昔は良かった」と言いながら踏みとどまるのか。「なぜ、通用しなくなっているのか」という根本を見つめ、アップデートをかけていくのか。
とにもかくにも、自分はいつでも、無自覚に偏見や差別を助長する加害者になりうる。無自覚を言い訳にしないために、より繊細に。メディアに携わる以上、その心構えをより強く、いつでも胸に。
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