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おしゃれとインディペンデントとサステナブルと

昨今、サステナブルという言葉を頻繁に聞くようになった。石油産業に次いで2番目に環境汚染を生み出しているのがアパレル産業だと言われており、とりわけアパレルブランドから発信される機会が急激に増えているように思う。

昨年の秋に発表された今年の春夏コレクションを思い返す。とりわけラクロワと協業し、コレクションを発表したドリス・ヴァン・ノッテンの評判がすこぶる良かったと記憶している。

「私はかなり自由に仕事をしているが、それでも時には価格や商業性、時代に合っているかなどの条件を先に考えてデザインをすることがある。ラクロワはそうしたことを全て忘れさせてくれた。(中略)現在求められている美とは異なるかもしれないが、別に構わないじゃないかというクリエイティブ上の自由が生まれた」。
あくまでブランドにとって過程であり、目的にすべきではない。最もサステナブルなのは、そのブランドが存在せずに物を生み出さないことなのだから。一着一着に重みがあり、意味があり、長く着ることでさらに深みを増していく——筆者にとってそんな衣服こそサステナブルであり、真のラグジュアリーだ。

ファッション業界という急激なうねりの中で、ドリスはいつでも自分らしいビートを刻み続けている数少ないブランドのひとつだと思う。まわりがどんどんコマーシャリズムの加速度を増し変化し続けているゆえに、その存在が際立つ。

たとえ環境負荷を考えた素材を使った服を買ったとしても、それが時の移ろいとともにすぐに愛着をもてなくなるものであっては意味がない。トレンドに流されずにいること。発信する側も受け手側も、自分が愛すべきアイテムを無駄なく管理していく意識がサステナブルの根底にあるべきだと考えている。

服を買う、着るということは、デザイナーのアティチュードに共感し、その思いごとまとい、共有すること。服を買う、そして着るという行為は、決して「自分ごと」なだけでなく、確実に社会とつながっている行為である。

おまけ

数日前に発表された2020秋冬メンズも素晴らしかった!


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