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で、白髪どうする?

ショートカットで多毛。しかも、髪が伸びるのが早いので、基本的には1ヶ月〜1.5ヶ月に1回のペースで美容院に足を運んでいた。けれど、この自粛生活で、まる3ヶ月美容院に行っていない。タイトでミニマルなショートカットだったはずなのだが、なんとなく『傷だらけのローラ』あたりの西城秀樹さんのようなムードの髪型になってきた。

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さらに、白髪がかなり目立ってきた。右脳側おでこの生え際に群生している。このまま白髪染めをしなかったら、幅広の白メッシュになるのかもしれない。たとえば、『ブラックジャック』のような! と思って、ブラックジャックの画像検索をしてみたら、彼はメッシュではなく、白と黒とのきっちりハーフ&ハーフだった。あんなに読み込んだ漫画なのに、記憶のたよりなさ、よ。

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家ごもりで気分を変えるために、髪を思いっきり明るくしたり、毛先をピンクにしてみたり……などと考えて、長年お世話になっている美容師さんにラインで相談したら、「大森さんは白髪染めをしているから、覚悟がいりますよ」と。白髪染めが入った色素を抜くことは髪にかなり負担がかかるとのこと。「気分転換で飽きたら戻そうくらいの気持ちならやめたほうがいい」と釘を刺された。

白髪・白髪染めはこんなところでも私を拘束するのか!

群生している白髪が伸びてきたので、グレイヘアになった自分が想像しやくなった。始めは、「やっぱりすごい老けて見えるな」と悩ましく思っていたものの、「いつかはグレイヘア派」なので、最近は「だいたいこういう感じの見映えになるのか」と冷静に見つめ、薄目で自分を見て想像している。

まわりの男性は白髪染めをしないケースが増えてきたので、「私だってそれでいいじゃないか」とも思いつつ、この自粛期間が落ち着いたら、きっといのいちばんに美容院に行って髪を切り、白髪を染めるのだと思う。

自分のちょい白髪ヘアは見慣れてきた。けれど、久しぶりに会う人たちが私のちょい白髪ヘアを見慣れてはくれない。白髪があると視線を向けられるような気がするし、あるいは、あえて目を向けないように配慮されているような気もしてしまう。

40代半ばの年齢での白髪解禁は「あえて感」というか、「きっと強い意志があるに違いない」と感じさせるだろう。そこまでの強い意志があるわけでもないので、そう感じさせてしまうことへの勇気もない。勘繰られることも本意でない。

いずれにせよ、勝手にそれらを警戒する自意識により、私は白髪を染めるのだと思う。

白髪という存在は、それだけで、「エイジズム」「ルッキズム」「セクシズム」問題を自分に突きつけてくる。どこ吹く風、とやり過ごせる強さが自分にないことも。

肌のシワやくすみもエイジングのサインと言われているが、それには「寝不足だから」「スキンケアさぼっちゃって」という言い訳が自分の中で成立する。白髪はそこに対して問答無用。言い訳を許さない強さで、自分にエイジングサインを突きつけてくる。生活習慣も大いに関係しているが、やはり遺伝による個人差が大きい白髪という問題に、なぜ、こんなにも縛られねばならぬのか。肌のシワは「仕方ないや」とやりすごせるのに、なぜ白髪はそんなわけにはいかぬのか。

揺れる中年期。白髪へのスタンスは本当に悩ましい。

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