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政治、教育、公共施設……いつだって目的は遠くに

三寒四温。桜が一気に咲き誇りそうな陽気が続いたかと思えば、昨日は東京にまさかの雪。あまりの寒さに、家に閉じこもり、読書をしていたが、なんだかサワサワ。

気になったニュースやつぶやきをサーフィンしてしまう。※ヘッダーは記事中のハリル氏のTwitterより。

各国の哲学

イギリスは新型コロナウィルスを封じ込めるのではなく、免疫を持つ人が一定割合まで増え、感染を防ぐようになる「集団免疫」を国民が獲得するまでやりすごす作戦に出るらしい。

イギリスは「封じ込め」フェーズから感染のピークを遅らせて山を低くする「遅延」フェーズに移行します。ピークは10~14週間後にやってくるとみています。 (中略)来シーズンにはワクチンが開発されている可能性があるため、感染して自分で免疫を獲得した人とワクチン接種を受けた人の割合をコントロールしながら60%に持っていく戦略と筆者はみています。

つまり、イギリスは、ゆっくり感染させて(目安は国民の60%)、ピークを来冬ではなく、今夏にもっていくための作戦に出ると宣言。現時点ではワクチンが開発されていない状況。もちろん、これが吉と出るか、凶と出るか、結果が出るのはもう少し先のこととなる。

トランプ氏は、「national emergency(国家、非常事態)」を「2つのとても大きい言葉」と呼び、最大500億ドル(約5兆4000億円)の連邦政府予算を検査や治療の拡充に充てると発表した。

一方、アメリカのトランプ大統領。国だけではなく、グーグルや大手ドラッグストアチェーンなどの企業も巻き込んで総掛かりで対応していく姿勢。税金の引き下げも。良くも悪くもビジネスマン。経済の冷え込みへの対応は迅速だ。もちろん、見据えているのは大統領選挙なのだろう。

各国の哲学が露になるので、欧州の動きは興味深い。


アフター東京五輪

安倍首相は昨日の会見で東京五輪開催を強調した。

個人的には、「五輪を中止すると新国立競技場が無駄になる」という意見が散見したことが気になった。

新国立競技場の年間維持費は24億円。五輪施設が負の遺産にならないための運営ヴィジョンが、私にはいまだ見えてこない。どうするのだろう? 「結局、最終的には税金で補填するしかない」という考え方(それは考えていないに等しい)だけは勘弁してほしい。五輪開催もさることながら、その視点を五輪後にも向けるべきだ(もちろん建築家のプランを選ぶ前から、という話なのだが…)。


フランスの通信教育機関

フランスでは6歳から16歳の子どもの義務教育が定められています。この義務教育は通学だけではなくホームスクーリングも対象にしています。地域的な事情によって学校へ通うことが難しい子どもや、障害を持つ子ども、また家庭の方針として学校へ通わないことにした子どもは、ホームスクーリングを選択することができ、国民教育省によって認められています。

記事では、家庭負担が指摘され、社交性を妨げるのではないかという意見もあるようだが、その人数は近年増加傾向にあり、学級崩壊やいじめという社会問題がフランスでも注目されている結果だとしている。

国家規模のインフラは先の先、その可能な限りの汎用性を議論すべきなのだろう。


美術館のバーチャル訪問

世界各国にある有名美術館がオンラインで公開しているバーチャルツアー。

世界中の文化遺産をオンラインで紹介することを目的にした 1200 以上の代表的な施設やアーカイブのコンテンツをオンラインで閲覧することができるGoogle Arts & Culture

いつでも、どこでも、だれでも。公園などの公共空間に設置される作品は「パブリック・アート」と言われているが、オンラインサービスがこの「公共」の意味を押し広げている。その意義を今回多くの人がバーチャルで体感するのではないだろうか。


目的は遠くにある方がいい

目的を目先に設定しすぎると、いつしか手段と目的が入れ替わってしまうことがある。手段が目的化してしまい、何のために何のことをやっているか分からなくなってしまう。

目的を遠くに、高くもつと、すぐに実現できることは少ないかもしれないが、多くの人の道標になり、「今、どこにいるのか」にとらわれづらくなる。目的は、足元を照らす光ではなく、航海の先に見える灯台の光。週末のニュースをサーフィンしながら、そんなことを考える。

世界的ベストセラー『サピエンス全史』の作家ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、

流行を打ち負かすためには、科学を信頼する必要があり、各国は互いに信頼する必要があります。無責任な政治家は、この信頼関係を傷つけました。取り戻す必要があります。プロパガンダと隔離でパンデミックに打ち勝つことはできません。本当の解毒剤は科学的知識と世界的協力です。

とつぶやいた。

江戸時代、明治時代の人々は、芝居を通し、どのように疱瘡(天然痘)や、瘧(熱病・マラリヤ)などの疫病を乗り越えてきたのか。演劇評論家の犬丸治氏の記事。最後の一文、「今必要なのは、この遊び心の“強靭さ”かも知れません」は、心に留めたい。

昨日の曇天(時々、霙→雪)より一転、今朝東京は晴れた。気温も暖かく感じる。

何事もすぐに到達できる目先のことではなく、目線を上げて未来を見据えることの大切さを思う。そして、冷静に、日常をつつがなく。今楽しめることを、楽しんで。

今日の一冊

初めて読んだ時から10年くらい経った本。いよいよ書かれている未来予測の内容が現実味を帯びてきた。今、読むと、さらにおもしろい。

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