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『コロナの時代の僕ら』にできる届け方

今月25日に、早川書房からイタリアを代表する小説家パオロ・ジョルダーノのエッセー集が緊急出版される。

世界初のコロナ文学

2月末から3月末に書かれたもので、現状では感染被害が最も大きいとされるイタリアの急転ぶりが手にとるようにわかるらしい。筆者は物理学の博士号をもっているということで、科学者視点の冷静な視点でも書かれているようだ。

すぐに、amazonで予約。

都市部で感染者が急増している日本でも学ぶべき内容が多いと判断され、刊行前に期間限定でウェブ上で全文が無料公開されている。これは是非多くの人に読んで欲しい。10日夜には全文を24時間限定で公開される予定のよう。

もちろんSNSでの拡散効果も狙ってのことだと思うが、「ひとりでも多くの方に存在を知ってもらい、できるだけ多くの方に読んで欲しい」という出版社の熱を感じる。

紙の本を売る前に、デジタルでできることを。

日本がイタリアのようにならないためにも。

雑誌のあり方、考え方

『広告 vol.414』が届く。特集は、オリジナリティや作家性、著作物の保護や利用のあり方など様々な視点を集めた「著作」。

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問題提起としてオリジナル版とコピー版の2冊を同時発売。ぼんやりしていたらオリジナル版がamazonで完売してしまい、コピー版のみを購入。まるで、海賊版の様相。2冊並べないと意味が半減するなと思いつつ。充実の読み応えに感嘆。書店で並んでいるところを見たかったとも思いつつ。

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ちなみに、記事ごとにクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(以下CCライセンス)の付与/非付与がされている。

CCライセンスは、インターネット時代のための新しい著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません」という意思表示をするためのツールです。

『広告』はvol.413(前号)の定価は1円だった。テーマは「価値」。

すぐに完売してしまったが、その後、メルカリなどの取引で5000円くらいの値段がついていたと記憶。「値段ってなんだ?」「価値ってなんだ?」の問いかけ。

細かい内容をつめる前に、あり方、届け方自体の構造を設計することの意味を問う。ゼロからの作業。

「著作号」も「価値号」も、そのあり方自体が問題提起。広告代理店の博報堂からの出版ということで、雑誌発売にあたっての採算分岐点などを綿密に計算せずとも(おそらく)済むのだろうと思いつつ、「なぜ、これを出版社は実現できないのか」という思いにかられてしまう。

個人の時代の私たち

YouTuberであり、マルチタレントのケミオは、この1週間、毎夜、instgram で生配信をしている。なんとも軽妙! 配信するためのツールはたくさんある。タレントさんも事務所がうるさく言うケースがどんどん少なくなってきている(安全に自走してくれるなら、手もかからないわけで、それにこしたことはないのだと思う)。

たとえばこんな問いだ。すべてが終わった時、本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか。〜『コロナの時代の僕ら』あとがきより〜

リモートワークが増えた出版社勤めとして、この時代の「届け方」というものを、このところはずっと考えている。

【追記】

今日の朝令暮改…‼︎


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