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「こどものワクチン接種」 マレーシアでこどもたちが直面していること

noteマガジンBefore Too Late/現代編では、今マレーシアで起きていることを、筆者が現地で暮らしながら見聞きした事実に基づく情報を、できるだけシンプルに書いて行こうと思います。

筆者はマレーシア在住12年の40代子持ちのワーキングママです。フリーの日英通訳という仕事柄、異文化コミュニケーションに興味関心が高い、外向的な性格、長年のアメリカとマレーシア暮らしで自然と議論好きになった、という背景もあり、日本人に限らず現地人や外国人と日々直接またはメッセージのやりとりで交流しています。またライフコーチとして活動してきたこともあり、人の心理に興味があり、老若男女人種問わず誰とでも初対面でも会話ができるという性格のため、話題には事欠きません。

余談ですが、noteマガジンは、この現代編の他に、「東南アジア日本占領時代編」もあります。
日本人が意外と知らない東南アジアの戦時中の歴史。
お時間が許せばぜひご一読くださいませ。


日々の会話の中で感じとったこと、メディアやSNSでは知る由もない耳を疑うようなこと、自分だけに留めておくのではなくその情報が必要な誰か人のために発信した方がいいかも、と常々考えて来ました。

今後はいろいろ考え過ぎず、見聞きしたことをとにかく書いて、その拙い文章でも誰かに届けばいいなぁ、という姿勢で発信して行きますね。

皆様からの感想は励みになります。モチベーションを保つためにも、ぜひ応援よろしくお願いいたします。(記事の最後にメールアドレスあります^^)

今日のテーマは「こどものワクチン接種」です。

「任意」のはずのこどもへのワクチン接種の実情


マレーシアでは2022年2月3日から、5歳〜11歳の子供へのワクチン接種が開始されました。ただ、これはあくまで「任意」とされています。

ある日本人の友人の話によれば(中華系マレーシア人との国際結婚家庭)、すでに2月2週目には中華学校での集団接種があり、親の同意を求める書類が配られたのだそうです。

彼女は常に健康に留意しヨガが習慣でオーガニック食品にもこだわる人。読むことが大好きで常に情報をアップデートしています。積極的に「最近の状況はどう?」とわたしにも聞いてくれたり、情報収集にも余念がありません。

彼女は2回の接種は仕方なく(受けないと自由が制限されるため)済ませたけれど、その後に調べれば調べるほどいろいろ疑念が湧き、慎重派となり3回目の接種は躊躇していると話していました。

こどもへの接種は「任意」なのだから、当然慎重になります。

そんな中、ワクチン接種を進める学校に通う、まだ低学年の彼女の娘さん(7歳)は、学校で先生が発した言葉をお母さんに教えてくれたそうです。

「接種を受ける予定の人は手を上げて。」

教室の中で、手を上げることが出来なかった娘さんは不安を感じたとお母さんに教えてくれたそうです。

今後、どのように家庭で話をすればいいのか。接種に慎重になる理由をこどもにわかりやすく伝える方法を母親同士話し合いました。

このケースはまだいいです。娘さんは不安をお母さんに話してくれた。親子関係が円滑なご家庭ならフォローもできます。

ただわたしの身近には、不安に思っても親に話さないこどもたちが一定数いることをお伝えしておきます。

そしてこれは、全く逆のケース。
あるオーストラリア国籍を持つ友人は、接種に非常に前向き。自分自身も配偶者である夫もレジスターできるようになってまもなく接種に行くほど、なんの疑いも持っていない様子でした。

2月に入り、年頃のこどもにどう説明したのかと尋ねると
「オーストラリア政府のHPをこどもに見せた。」
とのこと。

※このリンクを開くとこども向けの短い動画が出てきます。

内容は、可愛いイラスト共に
「接種は安全で怖くない。感染症の危険からこどもを守ってくれる。無料で受けられます。」
という内容です。(ご存知の通りオーストラリアは接種義務化を推進ています)。

わたしは、一方だけの情報をシェアするのではなく、いろいろな意見があることを伝えるのは親の責務だと感じているので、彼女に質問しました。

接種義務化を推し進めるオーストラリアの国々で起きている抗議活動や接種後の後遺症を訴える医師のグループなどについて関心があるかどうか

こどもにそういうことがオーストラリアで起きていることを話したことがあるか

と尋ねても、彼女からはその日は返事がありませんでした。

その翌日の午後、何事もなかったように、接種会場にあるフォトブース(写真撮影用のエリア)で、誇らしげに腕を見せながら微笑む彼女の娘さんの写真が、なぜか私宛に送られて来ました。

そのフォトブースには、可愛らしい子供が喜ぶ動物のイラスト共に
I am strong. I chose to be vaxxed*!
(*vaccinatedの略語)
(訳)わたしは強いんだ!だって接種するって決めたんだから。
と書かれてありました。 

接種する子は勇気があって強い子で、接種しない子は注射が怖くて勇気がない弱い子と言わんばかりのそのタグラインに、強い違和感を感じたのはきっと私だけではないでしょう。

その後、その娘さんにばったり会いました。
誇らしげに先週接種したことをわたしに話してくれました。


「よかったね!」
とか
「すごいね!」
と、母親や接種会場のスタッフにかけられた褒め言葉を身近な大人であるわたしからも期待していたであろうその子の目が、若干曇ったことにも気付きましたが、わたしは何も言うことができませんでした。

不安に思っても親に話さないこどもたち

わたしの息子(10歳)のイギリス人のお友達の話。

昨年、マレーシアでは、フロントライナーと言われる医療従事者、学校関係者、ロジスティックに関わる仕事をしている従事者は、優先的に接種が受けられるということで多くの人が任意にも関わらず接種に応じました。多くの教育関係の機関は「私たちのスタッフは全員接種済みです」という謳い文句でPRしていました。

二回接種すれば感染数が抑えられ元どおりの暮らしに戻れると信じて疑わなかった頃2021年半ば頃の話です。

そういったセクターにいる親のこどもたちは、接種できる年齢(12歳以上)になると親から接種を促されるようになったと、あちこちから聞くようになりました。

当時、我が家によく遊びにきていたわたしの息子のお友達は、接種ができるようになる12歳の誕生日を迎える数ヶ月前から、その接種のプレッシャーに対する不安を、友達の母であるわたしに訴えるようになりました。

「自分の親には言えない。だって理解してもらえないから。打つことが当たり前だと言われるから。」

ご両親はインターナショナルスクールの先生。
彼ら自身も接種することが当たり前のように扱われたフロントライナーとして戦って来た人たちなわけです。

ただ、現代を生きるこどもたちは
「デジタルネイティブ」。
生まれた時からインターネット環境があり、インターネットから情報を収集することにも大人のわたしたちより長けています。(インターナショナルスクールでは小学生3、4年生の年齢になるとiPad持参で授業を受けるようになります)。

自分なりにいろいろ調べて本当は疑問を感じているようでした。

話をじっくり聞いてみると
「仕事や行動の自由を制限されるから”妥協して”接種する」
という親の姿勢に、どうも反発を隠せないでいるようでした。

こどもたちは素直です。
妥協だとか、我慢だとか、おとなの事情は理解できません。

「僕は嫌なんだ。」
目に涙を浮かべて、それを悟られないように俯き、なんとか言葉を絞り出したその男の子に、わたしにはかける言葉が見つかりませんでした。

見送る時にかけた言葉は
「おうちに帰って今の正直な気持ちをパパとママに話してみたら。」

その後、その子がどうなったかは、わたしはわかりません。
もしかしたら、その子はわたしが代わりに親を説得してくれることを期待していたのかもしれない。そう思うと、胸が痛いですが、わたしにはそれは出来ません。どの家庭にもその家庭のルールがあり、他人が境界線を越えてどうこう言うことは良くないと思うからです。

息子に聞きましたが、その後そのお友達からの連絡は減り、今はほとんどないそうです。

親の私たちができること。 Pay Attention. 

このような出来事を通して、わたしも散々考えました。
どうすれば、こどもの心を守れるだろうか。

まず、こどもの話を聞くこと。
様々な視点から情報を集め共有すること。
こどもの素直でまっすぐな質問をはぐらかさずに一緒に考えること。
どんなに忙しくても手を止めて目を見ながら話を聞くこと。
不安をまっすぐに受け止めること。
必要なら学校の先生と対話を持つこと。
(※言語の問題で難しい場合はご相談ください。わたしは日英通訳です。日馬、日中、の通訳さんとつなぐことも可能です)

この現状を知り、こどもに寄り添い、親子の大切な絆をしっかりと守って行きましょう。

こどもたちは、この2年のパンデミックで、わたしたち大人が想像する以上に傷ついています。しっかりと目を向けて見なければ、状況に順応することがとても得意なこどもたちから、その悲壮感は感じられないと思います。でもふとした時に発する何気ない言葉から、本当に心を開いた時に見せる表情から、わたしは日々感じ取っているんです。(HSPだからかもしれませんが)

この記事を読んで、何か感じることがあったら、明日から身近なこどもたちへのアンテナを張って、Pay Attention (周囲に目を向ける、注目する)してみて欲しいです。気付きがあれば、ぜひシェアしてください。

協力し合いながら、こどもたちを守って行きましょう。^^

Before Too Late. 手遅れになる前に。

お問い合わせ
note.matahari.malaysia@gmail.com



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