私は休むときに、絶対謝らない
少し前、小さな両手にも満たない数のメンバーを率いるチームリーダーをしていたことがある。私はマネジメントスキルも低かったし、メンバーのモチベーションをあげるような声掛けができていたかは正直わからない。へっぽこリーダーだったと、自分では思う。
ただ私がひとつだけ絶対に、メンバーに守ってもらっていたことがある。それが「休むときに、絶対謝らないで」だ。
一生懸命仕事をして、きちんと体調管理をしても体調が悪くなるときって絶対にある。他にもどうしてもやる気がわかないとき、1日ゆっくり休むことで心を回復させる日が必要なこともある。
日々の体調不良に加えて、冠婚葬祭や産休など、自分では予期もしないできごとによって、休まなければいけないこともある。誰にでも。
加えて有給をとってしばらくの間旅をするとき、これも仕事を休んでいかなければいけない。(私は旅の間は、仕事をお休みして全身全霊で旅をするべきだと思う)
私たちが仕事を休む理由って、実に様々だ。だからこそ、その理由に優劣はつけないと、私はみんなに宣言した。遊ぶためでも、風邪をひいて休むときでも、同じ1日の休みなのだ。
そこで決めたのが
「休むときに、絶対謝らない」ルール。
前もって休むことが分かっているときは、その間の仕事の割り振りを、みんなでカバーしあう。そのときに「すみませんや、申し訳ないですや、ごめんなさい」は禁句。ただ「ありがとうございます、よろしくお願いします」を休む人は使える。
また急に休みを取らなければならないときでも同じ。朝起きて、調子が悪いなら連絡をしてもらい、今抱えている仕事をシェアしてもらう。そして今日中に絶対にやらなければいいけないことを、またみんなでシェアし合うのだ。休む人は「ありがとうございます、ゆっくり休みます」としか言えない。
こんなルールを作って、徹底した。
休むことを謝らないルールをしばらく続けると、面白い変化があった。それはみんなが前よりもむしろ、チームとして機能していると感じるようになった。そしてどこか不調がでてくるのは、誰しも同じで、互いに気遣いができるようになった。加えて、今仕事で抱えている問題や悩みをシェアしやすい環境になったと思う。
仕事を休まないことが絶対的に正義で、休むのになぜ謝らなければいけないの?こんな私の意見に対して、違和感を感じる人はきっとたくさんいるだろう。実際に誰かの穴をカバーするためには、休まずに仕事を続ける人の負担を増やすしかないのだから。
でもそのとき「ありがとうございます」でいいと思うのよ。謝罪ではなくお礼で、次は私があなたの穴をカバーしますからねって。ずっと元気な人は有給をたっぷり使って旅行にいけるように、私がフォローしますからねって。
休むことをおそれてはいけない。
これは休めなくて、休む勇気がなくて、仕事ばかりして倒れてしまった私から言えること。職場で何か言われてしまうじゃないだろうかという不安から、そして正体不明の罪悪感から、仕事に対する責任感から。休む勇気を持てない人は多い。
でも、止まらずにずっと走り続けるのは無理だから。と、限界を越えて走り続けてしまった私は思う。だからこそ、今はチームでがっつり仕事をすることは減ったけれど、急なスケジュール調整や約束を守れないことがあったとしても、謝らないでというようにしている。
誰かを許して支えることは、きっと巡り巡って自分を助けてくれるものだと信じている。だから、私は休むことを謝らない。
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