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海の外に行きたい人には、2種類あって

私はどちらかという、ご縁が重なりうっかり海外に住んでいる人である。でも偶然によりはじまった海外生活も今年ではや5年を過ぎた。

普段からSNSなどで海外生活について発信をしていると、私の周りには(オンライン上は特に)実際に海外で生活をしている人、そしてそれを願う人が増えた。そしていろんなご相談を受けるようになった。

海外生活に期待を持っている人、不安を持っている人、いただく質問は多種多様。でも海外生活に向けて動き出す前にひとつだけ考えてほしいことがある。

あなたは土の人?風の人?


海の外にいる人を、これ以上大きくできないくくりで分けろと言われたら、私は土の人と風の人に分けるだろう。

ちなみに私は土の人である。

まずは旅が下手で苦手だ。いろんなところに行って、刺激をもらうことは大歓迎なんだけれど、それを消化するのに時間がかかる。刺激疲れをしてしまうのだ。いつもと違う匂い、いつもと違う言語、いつもと違う肌触り。最初は新鮮に感じていても、いつの間にか受け取れなくなってくる。

だからこそある程度時間をかけて滞在したい。同じ宿で、身体が土地に馴染むまで過ごすタイプ。

一つの場所でゆっくりと根を張っていきたい。それは何も街なんていう大きなものだけではなく、対人もそう。ゆっくりと自分のペースで「新しい」に馴染んでいくのだ。



一方、刺激を短期間で消化していける人、消化せずに取り入れられる人もいる。このような人のことを、私は風の人と呼んでいる。

降り立った初日から、街をうろうろして、積極的にローカルフードを食べ歩き、友達を作っていく人。旅人であれば、点々と様々な土地を渡り歩き、いろんな物を見てくる人。世界一周旅行に出る人は、間違いなく風の人だ。


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土と風。

これはただの性質であるのだから、優劣のつけようがない。しみしみと味わうか、ワクワクと駆け巡るか。ただそれだけの違いだ。

ただ、自分がどっちの人と分かっていると海外にいることはずっと楽になる。滞在したり、学んだり、働いたりする場所を、自分の性質に合わせていけるからだ。

土の人の私で言えば、都市のど真ん中よりも少し郊外の方が調子がいい。人が多い場所にいけばいくほど、孤独を感じてしまうので、それならばいっそ人がいないところで一人でいる方がよっぱど良いのだ。ただ、街の刺激も時には味わいたいから、そうだなメジャーな交通機関で1時間以内の距離に住めたらなおさらいい。

食事や一息つける場所も、ここぞと言う場所を早く見つけてしまおう。自宅はもちろんのこと、逃避場所を確保していくことも、土の人がまず取り組みたいこと。


風の人なら。人の往来が盛んな場所で、刺激をいっぱい集めたほうがいい。もしかすると、その分生活費もかかってしまうかもしれない。でも現地で働いたりお金を十分に準備したりして、それに備えたほうがいい。風の人が、土の人の場所で暮らしてしまうと、とたんに呼吸が苦しくなってしまう。刺激が足りなくて毎日がぼんやりしてくるのだ。

現地でもいろんな人に声かけて、どんどん仲間を増やして行くのがいい。その人脈や情報を使って、また新しくやってくる日本からの同胞たちを助けられるのが風の人のすごいところ。

いつもとは違う環境で生きていくときこそ、はじめは自分の性質に合う居場所を確保した方がいい。

そしてお互いの性質の人におすすめしたいのが、自分とは違う性質の人と仲良く助け合うこと。土と風は水と油ではない。狭く深くの人と浅く広くの人が一緒にいれば、不慣れな海の外での生活が回り始める。

どうですか?

普段の生活を振り返って、ちょっと考えてみて。
海の外に飛び出す前に。あなたは土ですか?風ですか?



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