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告白雨雲(毎週ショートショートnote)

にわか雨というものは、いつ、どこで、どのくらいの雨脚で降るかわからないから、とても厄介な代物。
しかも、県の中央に県の面積の六分の一を占める湖と、それを取り囲むような山々に囲まれた滋賀は、にわか雨が降りやすい。
雨雲接近を告げるアプリも、当てにならない事が多々ありで、朝の情報番組でにわか雨と告げられたその日は、
晴れだろうか。
曇だろうか。
雨だろうか。
三つの廊下が空に現れる。
子供たちに雨具持って出るように言ったのに案の定忘れてる。しかも、この傘、先日の下校時間に降り出した雨で、学校から借りてきたものじゃ?
明日、忘れずに学校に持って行かさないと。
秋の空はコロコロ変わる。まるで猫の瞳のように。
とろけるような日差しと、日陰に入るとひんやりとした空気。
温かいココアを入れて、一息つこうとして、気づく。
わっ雨! いつの間に!
降っているかいないか、ちょっと窓の外を見るだけではわからない雨。これが一番厄介だけど、時たま虹を呼んでくるから憎めない。

お話のお題はこちらから。
告げる+白雲(にわか雨)+雨で考えたけど、ほぼほぼリアルな日常のお話に。
……さて、裏お題、どうしましょう。

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