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パリのヘボカメラマンが行く


今回理由あって9日間程パリから姿を消した。
なんと日本に来てしまったのである。
仕事ではなく私用なのだけれど残念なのはいつもお世話になっている皆さんにご挨拶回りが出来なかった事。

それでもほんの一部の方達を勝手に選ばせてもらってこっそり秘密に覗き見をしに行く事に決めた。今回日本行きチケットを入手したのは出発10日前で全く日程に余裕もなかったので果たして会いたい人皆が都合よいかもわからなかったけれど。

せめていつもtwitter等で❤️をつけながら写真をみて夢を見ているものを実際に味わってみたいと思ったのだ。

とにかく期間が短い故に弟のいる静岡以外には東京でなくてはおさまりきれない事と、少なくとも1年以上私が<♥️マーク>を送り続けた方…、さらに今回は飲食関係の店にしぼってみた。

突然訪問は実にワクワクする。
私はまるでミシュランの審査員のようではないか。
でも大きな違いは、私の場合は点数をつけるのではなくて自己満足の一言に過ぎないのであるが。

その為には幾つかの困難をも私なりに乗り越えた。
それでも水際対策はここのところ日に日に軽減されている。

あとは航空運賃や円安などの問題が依然として困ったものだが、これは改善されるまでもう少々時間が必要といったところか。

コロナ問題にしても私がフランスに戻った日には感染者数ゼロだったのに翌々日には10万人を超えていたのでまだ油断は出来ない。

全く心配なしで旅行するのはもう少し先なのかもしれない。
私だって用事がなければ来年にゆっくり
と思っていたのだから。


日本に到着してからは人形町に滞在。
私は子供の時は下北沢に住んでいたが、フランスとの往復をするようになってからは何故か人形町がお気に入りになった。
空港からの便利さも勿論のこと、やはり町の雰囲気かと思う。

そこで早速写真を撮るのだから、たとえ少々冷たい視線を浴びようと人形町のナイスショットにチャレンジしようではないかと自分を勇気づけた。

最初の写真は真ん中の白い部分がやけに目立ってしまったのが気になる。
もっと左に寄ればよかったな。

次の写真はまぁまぁだと思うのだが、ちょいとありきたりな感じに終わってしまった。

ところで3枚目の写真だが、これも人形町なのにもかかわらず、まるでパリの今流行りの私いわく<もじゃもじゃの花飾り>にそっくりではないか。
これはここには一体いつからあったのだろう。
最近パリの街のあちこちにあり過ぎてウンザリしかけているところだが、まさか人形町にもあったとは。

しかしこの町は昔から変わらない。
と言いながら甘酒横丁に行くのを忘れた自分に気がついた。
やはり旅はのんびりと過ごさないと結局中途半端に終わる。
漬け物とかもお土産に買って帰りたかった(辛うじて梅干しだけはゲットしたけれど、帰って開けてみたらぐちゃぐちゃになっていた。でも<壊れ>と記してあったので仕方ない。味が良ければ全て良し)。


写真に関しては後から気がついたのだが、人形町らしさが出ていない。
そう言えば水天宮も頭が覗いてはいるものの昔の様子と随分変わっていた。

やはり町の景色の中に人物像、しかも住民らしき人々に登場してもらうとよかったなと、郵便局に居てふと思った。

私による人形町のイメージとは住民の、そして働く人の笑顔そのものであった。
その郵便局の女性局員の私に対する応対がつくづくそう思わせた。

パリや、東京の他の場所にも感じの良い人は沢山いるが、人形町らしさというのはまた格別である。


さて、パリに戻るには航空運賃節約のために(何と言っても500ユーロから1000ユーロ以上の違いだもの)直行便ではなくミュンヘンで乗り換え、しかも4時間位そこで待たなくてはいけないというなかなかハードなものであった。

若い時は精神的にも好奇心に溢れていて色々と覗きに行くのも好きだったし体力もあったので重い荷物を背負うという重力に耐えることも平気であった。

今回は背負った重い荷物のせいで体が持ち上がらず近くにいた親切な男性に助けられてシャトルバスに乗り込んだという始末。

情けない。

しかも案の定パリの自宅についてからは極度の腰痛と疲労のお陰でしばらくは使い物にならない私であった。

こういうのをポンコツというのであろうか。ああ年は取りたくない。

今回すべての便の出発が遅れ(行きのパリ発は一時間以上)、特に羽田発の某便では最初の頃にスチュワーデスの態度に多少ピリピリしたものを感じた位。
出発遅れの原因が機内整備だったり、路線変更で普段と違ってなれないことが多かったせいでの不安なのかは分からなかったけれど。

ベテランらしきスチュワーデスは最後気が抜けてきたのかジョークの連発で、私なんかにも声をかけてくれた。

さて、やっとミュンヘンに到着。
荷物チェックは厳しかった。

ミュンヘンは以前立ち寄った時より拡張されていたような気がした。

ミュンヘン空港内のカフェ。
造りはそれぞれだったけど内容は同じようなもの。ビールとソーセージを食べようとずっと思っていたのにお腹が空いていなかったので断念。周りの人達はカツレツを食べていた人が多かった。


搭乗口は最初はゲートKとだけ知らされていたが詳しいナンバーは…とだけ記されていた。それでも同じゲート内の移動だったらたいしたことはないだろうと、ひと通りお土産チェックをした後カフェでヨーグルトを食べていた。
見た目はアサイボウルかと思ってあまりしっかりチェックせずにスプーンを突っ込んで口に入れたらこってりヨーグルトだったのでビックリした。

これだったらボリューム的にビールとソーセージで良かったかも。

気がつかずにいたら航空会社からゲート変更のお知らせメールが入っていた。

ゲートはKからGに変わっていた。
移動するにはシャトルバスに乗らなければ行けなかったので焦った。

こうなったらまだ出発までに時間があるけれど座るのは諦めて重い荷物を背中と肩とお腹にかけてゲートGに急いだ。

「まさか間際になってまた変更なんてことはないよね。」
と、一瞬疑ったがまあここでグズグズしていても知らない人だらけの中で誰も助けてくれないしなと割り切って決断。
大袈裟なようだが最近あまり体力のない私はもう疲れ果てていた。

私の今回の文章を見ただけだとまるで良いことなしの旅行のようだが、久しぶりに家族と敢えたことはやはり最大の喜びだったし、友人とも思う存分話し合えた。

また、以前から憧れであったつくしさんのプリンや長寿庵さんのお蕎麦を食べることが出来て幸せだった。
あとは神保町の柿島酒店さんで美味しい日本酒をゲットするという夢は時間の都合で叶わなかったが、これはまた次回に是非と思う。

突然思いついて、しかも短い旅行だった割には充実していたかと我ながら満足であった。

最後に、六本木から麻布十番に移動途中でふと見上げた空にぽっかりというかもっこりと雲が浮かんでいたのが気になった。この空のブルーグレーと雲の具合はパリとはまた違うような気がした。

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