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天気に「忖度しろ」って言えないように

2024年3月23日に、佐藤友美さん主催「さとゆみゼミ」を卒業。卒業後も、文章力・表現力をメキメキと上げ続けるため、仲間と共に、note投稿1,000日チャレンジをスタート。

Challenge #33

今夜は、福岡市天神で開催される、「さとゆみゼミ・九州同窓会」に参加する。午前中だけ仕事をして、午後からお休みを取って福岡へ向かう。職場から駅まで歩いて10分。ふつうなら駅まで直行するところだが、今日ばかりは一度家に帰る必要があった。

午前中、市長への挨拶がありスーツ着用が必須だったのだ。動きやすい服装に着替えて福岡へ向かいたかった。とはいえ、10分ちょっと歩けば家に帰れるので、大したことはない。

オフィスでお昼を知らせるチャイムが鳴ったと同時に、「すいませんーー、お疲れさまですーー」と言って席を立った。建物の扉を開けて外に出ると、白々しくどんよりと沈む空に気づく。

小さな水滴が腕に当たるのを感じた。足早に横断歩道を渡り、数分ほど歩くと、はっきりわかる雨粒が頬に当たる。家までの距離3分の1くらいまで来たときには、傘が欲しくなるほどの雨足だった。

「もうすぐで家に着くのに……」。ちょっと待ってよぉー、と腹立たしくもなるが、自然や神に腹を立てても仕方がない。そもそも、天気予報をチェックせず、東京旅行で買った折りたたみ傘を家に置いてきた、私が悪いのだ。

天気に忖度しろ、なんて言えないもんねぇ。

そう考えたとき、高校生の次男とケンカした昨夜のことを思い出していた。

彼がテレビでYouTube動画を見ていたのだが、その面白さが理解できない。うちの家族は揃ってリビングで過ごすので、その動画の音がずっと耳に入ってくる。言ってはいけないと思いつつ「それの何が面白いの」と言ってしまった。

機嫌が悪くなった彼は、大きな音を立てることで自己主張し始めた。部屋から持ってきた問題集を机の上に置くときも、投げるような置き方をする。ドスンドスンという音に我慢しかねた私は、「モノを投げるな」と叱る。すると彼は言い返してくる。その様子を見ていた夫が、親になんて言い方をするんだ、とまた怒る。

こんな感じで大ゲンカになってしまった。まぁ、次の日にはみんなケロっとしているんだけど。次男はいま、「ザ・反抗期」って感じで、まあまあ面倒だ。

この雨みたいなものかな。

ポツポツと振り続ける雨に打たれながら思う。思春期とか反抗期は、ホルモンの影響が大きくて自分ではどうしようもないときがある。専門的なことはわからないけど、自分が高校生だったころを思い出してみると、間違いなくそうだ。理由もなく腹が立ったり、悲しかったり。とにかく眠いしお腹も減ってた。

ホルモンが誘発する感情がいっぱいになって飽和して、外がわにじわりと溢れ出す。それを受け止めてあげられるのは、親くらいかもかもしれない。

反抗期にだって、忖度しろとは言えないか。

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