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トレランシューズ試走記

現在マウンテン・トレイルランニングに夢中なのだ。
私もついに大自然の原野を駆け抜ける楽しさに気がついてしまった、以来かなり病みつきになってしまっている。
都会の真ん中でアスファルトをひたすら走るマラソンと真逆を行くスポーツなところが大好き。
山の中はいつも同じ環境では無い。林道はふわふわ・ぐちゃぐちゃ・ゴツゴツなど様々な表情をする。更に、森の爽やかな風や絶景に出会ったり、小鳥たちから心地よい囀り、とにかく生きていることが幸せに感じる素敵なスポーツ。

そんなこんなで、過去トレランで履いてきたシューズのあれこれをレビューしてみたい。


1. Nike ペガサス トレイル2 ゴアテックス

トレランを始めようとしたきっかけは2年前、当時マラソンに熱中していたが、突如COVID-19が始まりマラソン大会が軒並み中止となった。そんな時ランニング大会を探していたらトレラン大会が頻繁に開催されているのを見にする。
しかし練習ってどうするんだろう?一人で山の中で遭難したらどうしよう、と不安になって調べてみたら、多くのランナーがまずは適当な大会に参加してみることをおすすめと知る。
そこで身近な大会にエントリーすることにした。

さて、そこで困ったのがトレラン用シューズだ。これまでマラソン用にNikeの厚底ヘビーユーザーだったので、同じブランドなら違和感無いだろうと思い、即購入したのがこのシューズ。

Nikeペガサストレイル2 ゴアテックス

ゴアテックス(防水)バージョンを選んだ。なぜなら泥だらけの道でも快適に走れるんとちゃう?と素人ながらに思ったから。実は違ったけど、、


GOODポイント:

  • 走り心地はロード用ペガサスシリーズとほとんど変わらず厚底で走りやすく違和感無し。

  • お手頃価格でコスパが良い。

  • トレラン初心者向きで目立つしおすすめ。

要改善ポイント:

  • アウトソールの踵(かかと)部分が横に出っ張っている為、走行中に逆足の踝(くるぶし)に擦れて当たって痛い。尚、その後の後継モデルは改善されている模様。

  • アウトソールのグリップ力が無い。ぬかるみの多い湿地帯では必ず滑る。本当に山道のことが分かって開発されたのかマジで疑問に感じた。この辺は山を知る競合他社に劣るという印象を受けた。

  • ゴアテックスはミスチョイス。一般に山道のぬかるみや川などではそのままシューズごと突っ込むことになる。すると泥水はかかとの隙間からシューズ内に入り込む。しかしゴアテックスの場合、排水することができないので、水を抜くには一度シューズを脱ぐか、走りながら足の上下動で隙間から排水させるのを待つしか無い。つまりしばらくの間重たくなった状態でじゃぶじゃぶ走ることになる。結論はゴアテックスのような防水性より排水性を優先したシューズをおすすめする。


2. La Sportiva JACKAL

Nikeの経験から今度はグリップ力の良いシューズということでこちらおすすめしたい。
イタリアの登山靴メーカーLa Sportiveが作る業界では一流の信頼度の高いシューズ。

La Sportiva JACKAL
JACKALのアウトソール 3mm+α

ご覧の通りアウトソールが凄い。何と言ってもグリップ力が売り。不整地・舗装路のミックストレイルに対応。アウトソールの赤い「X」マークがそれを示している。ラグは3mm程度だが、黒いソールの奥にご覧の黄色い溝が掘られていて合計6mmのラグに相当する効果を発揮する優れもの。
個人的にかなり気に入ったシューズで複数回大会で使ったが、サイズ的にほんのちょっとつま先に当たることが多く、泣くなく手放した。


GOODポイント:

  • 抜群のグリップ力を持つにも関わらず、舗装路でも結構走れる優れもの。

  • 足を入れた感触が良く、かかと部分のホールドが良く疲れにくい。

  • アッパーがメッシュ素材で蒸れにくく、排水性も良い。

  • ミッドソールのクッション性と反発性を兼ね備えている。

  • 尖った石を踏んでもプレートで保護してくれる。

要改善ポイント:

  • シューズサイズは通常ランシューズよりも1つか2つ大きめをおすすめする。通常サイズで購入するとつま先が当たることを覚悟。

  • 取り扱っている店が少なく、試着機会が少ないので気をつけて。


3. Adidas Terrex Speed ULTRA

軽めをお探しならこれ。240gを切る軽量で、攻めの一足ではないだろうか。

Adidas Terrex Speed ULTRA
Continentalアウトソール 3mm以下

アディダスを履き慣れている方なら違和感無く使える。
踵などサポートは少なめで、中級からトップアスリートが攻めで使えるシューズと感じる。ミッドソールは薄い割にはショックを吸収してくれて楽しくに走れる。アウトソールはContinental社製ラバーを使っていてグリップ力が半端ない。反面ラグは3mm以下なので、グリップはラバーに頼ることになる。
走る場所を選ぶシューズだと感じた。カラカラに乾燥したハードパックの岩肌などはめちゃめちゃグリップしてくれてがんがん登れる印象。しかしながらぬかるみでは途端にラグの引っかかりが無くなりラバーの性能も失われ足が取られる。更に、岩場でもちょっとした浮石に触れただけで食いついて不用意に石を転がしてしまい、無駄な足の動きにつながる弊害も感じた。
よって欧米など乾燥地帯の岩場のコースを攻めるのには向いているが、国内で多いふわふわ・ドロドロの林道には不向きと感じた。


GOODポイント:

  • 超軽量で攻める中級・上級者におすすめ。

  • ハードパックの岩場や、比較的フラットなコースを攻めるのに向いている。

  • ミッドソールは衝撃吸収してくれて、反発性もあって走りやすい。

要改善ポイント:

  • Continentalラバーの食いつきが良すぎて遊びが少ないため、舗装路を長時間走ると摩擦で足裏に疲労感を感じる。

  • 濡れた悪路ではグリップ力が異常に低下するのでおすすめできない。


4. Salomon Pulsar Trail PRO

トレランシューズの大本命と言えばSalomonですかね!
安定の心地よさと性能では群を抜いている。他社とは一つ頭出てると感じた。
Salomonブーツの歴史はスキーブーツから始まり、登山、アウトドアなど山を知り尽くしたプロ集団。私もスキー経験が長いが、当時の足型がそのままトレランシューズにも生かされているのは流石と言わざるを得ない。つま先ボックスの余裕、かかと周りのフィット感、シューレース機構などスキーブーツと同じコンセプトで安心感さえ感じる。
PulsarシリーズにはPulsar、Pulsar Pro、Pulsar S/LABの3タイプあり、どれも高い次元で初心者からエキスパートまで幅広いユーザーに指示されているのは嬉しいところ。
写真はCiele AthleticsとのコラボモデルのPulsar Proでちょっと派手な柄ですが・・・
ミッドソールとアウトソールの間にプレートが入っているの分かるだろうか、厚底+突き上げ防止+スピード強化で生かされている模様。
アウトソールのラグは3.5mm。

Salomon Pulsar Trail PRO for CIELE
アウトソール 3.5mm

GOODポイント:

  • MIXロード(舗装路・未舗装路混在)でとても走りやすい。

  • ラグ3.5mmで安定したグリップ力を維持。

  • 軽量でクッション性と反発性を合わせ持ち、中・長距離向き。

  • Quicklaceで紐を引っ張るだけで解けない、簡単設計はサロモンだけ。

要改善ポイント:

  • あまりNGポイントは見当たらなく、もう一足欲しくなる。

  • 敢えて言うなら、ぬかるみ悪路ではもう少しラグ多めのシリーズを選ぶのが良いか?


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