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「新しい生活様式」に対応した体験活動の事例紹介①「ヤマト繋がるプロジェクト」

コロナ禍が始まって早2年。

手指の消毒、人と距離を取ること、マスク越しの会話など、「新しい生活様式」はすっかり日常の光景となりました。

オンラインなどを活用しながら、私たちはコロナ以前のように体験活動や地域活動を続けようとしていますが、直接会えないことで物足りなさを感じたり、うまくコミュニケーションが取れなかったという経験をされた人も多いと思います。

そこでこのnoteでは、コロナ禍でも体験活動や地域活動に取り組んでいる事例をご紹介して、これから何かやってみたい!という皆さんのヒントになればと思いました。

今回はアクションポート横浜の「ヤマト繋がるプロジェクト」をご紹介します。学生ボランティアとしてプロジェクトの統括、事務局を担当した内山さんからお話を伺いました。


―自己紹介と、活動に参加したきっかけを教えてください。
内山塔子、東京理科大学の3年生です。横浜市内に住んでいますが、小中高、大学とずっと市外の学校に通ってきたので、地元のことをもっと知って関わりたいという思いがありました。

コロナ禍になって時間ができたので、資格取得のための勉強などをしていましたが、人と交流する機会は減ってしまいました。だったらそういう機会は自分で創らないと!と思って、いろいろと探してアクションポート横浜を見つけました。

―「ヤマト繋がるプロジェクト」はどのような企画ですか。
ヤマト福祉財団の助成をいただき、ヤマト運輸労働組合の社員と学生が協働して、市内の福祉施設と一緒に行った事業です。

【コロナで大忙し?!慌てんぼうのサンタさんを救え!】【作って送って繋がろう】【つくってあ・そ・ぼ】の3つの企画がありました。それぞれ2日間の日程で、計6回実施しています。詳しい内容はこちらをご覧ください。

―オンラインを活用した企画ですね。
ヤマト社員さんは全国から参加するので、初めからオンラインを使うことは決めていました。

実際に企画を実施する時期にコロナの状況がどうなっているかわかりませんでしたが、学生は原則として対面で参加する予定で準備を進め、福祉施設の方とオンライン参加者をつなぐ役割を担ってもらいました。

―工夫したことや大変だったことを教えてください。
意識したのは会場参加者とオンライン参加者の「一体感」を作ることです。
ただ会場全体が映っているだけの画面を見ても、オンライン参加者は「繋がっている」感覚が得られないだろうと思いました。

そこで、会場の参加者を少人数のグループに分けて、小さなコミュニティをたくさん作りました。

そして、それぞれのグループにパソコンを置いて作業する手元を映して、オンライン参加者にも会場の雰囲気が間近に伝わるように工夫しました。
でもこうした工夫は模索しながらたどり着いたものです。

学生はオンライン授業などでZoomは普段から使い慣れていましたけれど、こうした企画を自分たちでやるのは初めてだったので、何もかもが手探り状態からのスタートでした。

事前にシミュレーションもしたけれど、最初の2回くらいはドタバタで(笑)。でも回を重ねるごとに慣れてきて、最初の日程に参加した学生が後の日程の学生にやり方を教えてあげたり、みんなで連携したおかげで最後はプロ並みの腕前でオンラインを使えるようになりました!

―活動を通してどんなことを感じましたか。
地域活動で学生と社会人が協働する場は意外と少ないと思います。私は今就職活動中ですが、このプロジェクトは社会人と学生が対等な立場で付き合える貴重な場でした。学生と社会人がごちゃ混ぜに区別なく活動できたことは大きな成果だったと思います。

ヤマト労組の社員さんともとても仲良くなれて、夜にLINEしたり(笑)、ここまで協力できたのはオンラインの力も大きかったと思います。

ちなみに参加した学生のボランティア経験はバラバラでした。参加動機も、企業との協働という部分に惹かれた人や、オンラインで活動できるからという人などさまざまです。今回のプロジェクトでは、企画から実施まで通して関われるという点に魅力を感じて参加したという人もいました。

―先日は報告会を開催したそうですね。報告書も出しています。
自分が理系だからかもしれませんが、ゴールを定めるのが好きで、そこから逆算して行動することが多いです。数値的なデータを出すのももともと得意なことでした。

自分の中で心がけていたのは、企業の人に成果をアピールする際に数値的なものを出して納得感を持ってもらうこと。企業とNPOが一緒にやる時には必要なことだと思います。



普段から授業などでオンラインに慣れている学生でも、自分たちで一からイベントを企画して実施するとなるとさまざまな苦労があったようです。それを克服するためには、何度も打ち合わせをして互いに教えあったり、時には失敗しながら経験を重ねるしかない。コミュニケーションの手段は変わっても基本は同じなのかなと思いました。